岡山県労働組合会議

はい、岡山県労会議です。086-221-0133

カテゴリ   学習・宣伝・組織

とき:2014年6月15日(日)10時~16時

ところ:倉敷健康福祉プラザ

 倉敷市職員労働組合をはじめ街づくり研究会、倉敷医療生協など19団体でつくる倉敷市地方自治研集会実行委員会は6月15日、「私たちのまち倉敷を考える市民のつどい2014」を開催しました。当日はワールドカップ日本対コートジボワール戦と重なり、参加者は110人と少なめでしたが、安倍政権の戦争する国づくりに反対する市民運動の大切さを確認し、倉敷の財政、福祉制度、環境、農業、まちづくりを考える上でも貴重な時間となりました。

中谷雄二弁護士(秘密保全に反対する愛知の会)

 記念講演では中谷雄二弁護士(秘密保全に反対する愛知の会共同代表)が、「秘密保護法は国民に何をもたらすのか」をテーマに、地域での運動強化を訴えました。中谷さんはまず、秘密保護法とは何かを説明し、秘密保護などという法律を新たにつくるまでもなく、すでに秘密は存在しているとして、情報公開制度に基づく請求によって得られた「秘密保全法の議事録」が真っ黒に塗りつぶされている回答書を示しました。「安倍内閣はアメリカと一体の集団的自衛権行使=戦争のできる国づくりは既成事実化しつつある」として、専守防衛から積極的平和主義、武器輸出3原則の規制を緩めて輸出管理原則・死の商人の国家づくり、愛国心の強要などを国家安全保障戦略の一環として、軍拡体制つくりを進めていると話しました。

 防衛計画大綱が見直され、陸上自衛隊に殴り込み部隊として名高い海兵隊機能の増強と敵基地攻撃能力の保有、自衛隊隊員5千人増、護衛艦6隻と航空機20機増、戦闘機は20機増でイージス艦も2隻増など中期防衛協力整備計画で(~2018年)24兆6700億円の大軍拡計画を進められています。

 中谷さんは、「秘密保護法では公務員や秘密を取り扱う民間人も適正評価でプライバシーを侵害される。すべての国民が処罰の対象であり、10年以下、1千万円の罰金となる。その狙いは秘密を知ろうとする国民の動きを止めることにある。今でも国民は監視され、デモ行進などをビデオカメラにとって、反政府的団体として監視の対象としていること明らかです」と話しました。

 中谷さんはナショナリズムの台頭や小選挙区制による国会内多数派の形成、労働法制の改悪などの安倍内閣の暴走を上げて、何故こんな状態になっているのかと問いかけ、「要因は大きく2つある。1つは資本主義に対抗する運動圏の影響力低下によって、総資本が譲歩を迫られない事。知識人が展望を語れなくなっていること。2つ目は労働組合の影響力の低下が上げられ、バラバラにされた個人が強引な権力行使の前に無力感を感じているからだ」と説明しました。

 中谷さんは最後に愛知の会の経験から、「学習会を広げる事、定期的な街頭宣伝で地域から世論を変えていこう」と呼びかけました。

   食と農の分科会

午後からは7つの分科会に分かれて討論が行われました。

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とき:2014年5月10日(土)~11日(日)

ところ:岡山県湯原温泉「菊乃湯」

5月10日~11日、全労連中国ブロック協議会の第14回総会と労働相談員養成講座が開かれ、中国5県から60名が参加しました。

 開会のあいさつは藤永中国ブロック議長

総会に先立ち記念講演が行われ、森岡孝二さん(関西大学名誉教授)が労働法制の改悪案に触れて、「なぜ労働者は使用者の言いなりになるのか、使い捨て労働の実態に迫る」と題して講演しました。

 今日の労働実態を話す森岡孝二さん(関西大学名誉教授)

森岡さんは「労働組合が弱体化してストライキのない社会になった。雇用と労働の規制緩和が財界本位に変えられた。非正規労動など雇用が身分社会になった。諸悪の根源は長時間労働など」と事務局が依頼したテーマに沿って具体的に解説を始めました。「1975年をピークに労働組合のストライキは下がり続け、過労死や過労自殺が増えているにもかかわらず、労働組合はストライキも打てずにいる。これをストレス社会という。抵抗できない労働者は財界・資本の言いなりになるしかない。加えて長時間労働が労働者に考える時間と余裕を奪い、過酷な労働に駆り出される原因となった」と強調しました。

    講演に聞き入る参加者

森岡さんは最近の学生の意識調査から、「デートの約束をしているにもかかわらず残業を命じられたらどうしますか?」という問いに、学生の85%が「デートを断る」と回答していることから、「残業は断れないもの。或いは査定に響く」と考えていることを紹介して、「これでは家族を持っても維持できない」と話しました。また、長時間残業の弊害として、「社会変革が困難になる。選挙にも行かず、政治に無関心になる。社会参加ができない。退職になっても時間を持て余す。いわゆる、無芸大食になる」などと具体的に説明し、「政治的主張をもたず、政治の助けを求めない人、政治を変える主張もできない人をつくっている」と話しました。

 労働相談養成講座で岡山県労会議の経験を話す藤田相談員

今日の社会変革を考える上で、非常に示唆に富んだ話でした。参加者はこうした森岡さんの話を参考に、組織拡大の分科会では、長時間労働の解消や青年の意識も考えながらの運動が求められているとの意見が出されました。

       広島大山相談員

 組織拡大を議論する分科会

労働相談の分会会では5県からの事例発表に基づいて、「未払い賃金」「解雇」「パワハラ」「3.6協定」など様々な事例相談に応じた経験や鳥取県・岡山県からは組織化に結びついた事例が報告されました。

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とき:2013年11月29日(金)14時~

ところ:岡山市民会館4階会議室

県労会議と県革新懇、そして農民連でつくる「TPPに反対する協議会」は11月29日、午後2時から市民会館で宇野忠義さん(弘前大学名誉教授)の講演会を開きました。

代表の倉地さんが開会あいさつ(TPP参加に反対する協議会)

岡山市の施設と言う事もあり、会場は暖房もなく寒くて辛い感じでしたが40名が参加をして宇野さんの話に耳を傾けました。宇野さんは最初に、ニュージーランドのジェーン・ケルシー教授が指摘しているとして、「TPPは通常の自由貿易ではなく、歴史上異例の、国の主権を侵害する恐れのある異常な契約であり、その異常さは交渉内容、事項への当事者外への秘密性、妥結後4年間は対外秘とされることにも現れている」とその協定の危険性を暴露しました。

宇野忠義さん(弘前大学名誉教授)が講演

安倍政権は衆参農林水産委員会決議も無視して、7月23日のマレーシア第18回TPP会合、ブルネイの第19回会合、10月のインドネシアTPP首脳・閣僚会合で、異常な秘密性と例外を認めない高い自由化が明白になっているにも拘わらず、年内妥結に向けて協議を加速させていると批判しました。

寒い中、講演に耳を傾ける参加者

TPPのもう一つの性格として、国民不在、グローバリ企業優先、経済主権・食料主権、立法権や司法権も侵害し、国の存立を脅かす内容や条項を含んでいるとその危険性を明らかにしました。その最も危険なISD条項は、「多国籍企業が国際投資紛争解決センターに仲裁を訴え、企業の利益を保障させる制度で、国の司法主権や立法権・行政権さえ侵害される」と警告しました。

 宇野さんは自らの研究に基づき、WTO体制下のSPS協定を例に、「リンゴ火傷病の検疫問題について」言及しました。「日本の米国産リンゴに対する火傷病の検疫がやり玉にあがり、WTOに2度提訴された。WTO体制下の技術的貿易障壁に関する協定と衛生植物検疫処置に関するSPS協定が輸出国側に極めて有利に勝つ優位に決められていて、公衆衛生や、環境が危険にさらされると予測されても裁判を起こされれば絶対に勝てず、予防原則が運用できない」と協定に危険性を紹介しました。

 質問の時間では、「減反政策を止めると政府は言っているがTPP協定の地ならしではないか?」「4年間の秘匿期間にISD条項に抵触することが起こらないのか?」「協定が不利になるとして、政府が変わった時には簡単に破棄できるのか?」などの疑問が次々に出されました。

 12月8日には全国集会が開かれ、代表を送ろうとカンパが呼びかけられましたが、20160円が集まり、代表参加の坪井さんに贈呈されました。会では協議会に参加して下さる個人・団体の会員を募集していることも閉会の挨拶で触れられました。

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 青年革新懇は10月20日の青年大集会を前に、平和新聞編集長の布施祐仁さんを講師に招き、話を聞こうと39人が参加しました。参加者は布施さんの著書「イチエフ」に登場する福島第1原発で働く労働者の生の声と下請け労働者の過酷な実態に聞き入りました。

イチエフの作者・布施祐仁さん

 布施さんが事故現場に支援物資をもって駆け付けたのは、事故から1週間後だったそうです。きっかけは女子高生のネットの書き込みだったと言います。「福島を見捨てるな!福島県民は東京に電力を送ってきた。事故で逃げるな」というものだったと衝撃的に語り始めました。布施さんは南相馬市に入ったそうですが、道中行き交うのは救急車と自衛隊の車であり、後に知った話だがそれらは死体を運んでいたと話しました。4月に入って再び現地に向かうと、原発事故から30㎞後点でサッカー場が対策本部となり、ヘリコプターがホバリングして、機材やテントなどは張り巡らされるなど戦場さながらの場面に遭遇したと事故の凄まじさを語りました。労働者の話を聞こうと宿泊施設になっている湯本温泉に向かいましたが、無口な原発労働者の話を聞くために、ちょっとした工夫が必要だったと言います。労働者は蒸し風呂のような作業現場でタイペックという作業服を着て、汗にまみれている。その為に洗濯が必要で旅館の洗濯場では間に合わず、コインランドリーに人が集まる。そこに出かけて声を掛けると、「旅館は8畳一間に6人、エアコンなしで夏は寝られない」と話してくれたそうです。居酒屋でも待っていると労働者が集まり、そこでも話を聞く事ができたとして、「当時、労働者の汚染問題がクローズアップされたが、労働者の被ばく教育や作業服、防護マスクの着用などの教育がそんざいで、多くの労働者が放射性物質を吸い込んでいた。そんな時、建屋の地下で、汚染水に足を付けて仕事をした労働者の話が浮き彫りになった。APDという放射能検出器が連続音を出しているのに、元請けの労働者は汚染水の中を入って行った。その為に、靴の中に汚染水が入り放射線による火傷を負った。勿論被ばく量は180㍉シーベルトと高い値を示した。この時、下請けの作業員も仕事を手伝わされたが、問題なのは命の危険ではなく仕事を続けられるかどうかが心配になる。元請けの社員は首にはならないが、下請は線量限度がくればポイ捨てになるということだ。健康診断も始まったが、いざ病気になるとすべて自己負担。事故から国民の命を救う英雄扱いもつかの間で、海外では年金と表彰までされるのに日本は作業現場から放り出され何の補償もない」と原発労働の人権が保障されてないと告発しました。

タイペックを見せながら話す布施さん

布施さんは最後に、「福島1原発の作業現場では絆とは無縁な世界があり、原発が続く限り使い捨てにされる労働者の実態が続く。多くの労働者は地元住民で故郷を守りたいという気持ちから原発で働いている」と話しました。

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9月15日~16日、岡山市職労主催による市民のつどい2013が開かれました。初日の映画「この空の花」では監督の大林宣彦さんも来岡されて、挨拶されました。監督は新潟県・長岡市が毎年打ち上げている8月の花火について、「花火はお祭りではなく、戦争や地震で亡くなった人達への追悼と復興の祈りが込められたもの」というお話されました。また、私たちが日頃、写真を撮るときに見せる「指ピース」は、「これはピースじゃなくてVだ。戦争に勝ったビクトリーで勝者が使うもの。平和は戦争をするVでは生まれない」と力説されたことが印象的でした。映画の中でもその事が描かれています。構映画の構成要素や配役が多くて分かりにくい部分を除けば平和のメッセージは過去の戦争と長崎・広島の原爆、そして現在の原発事故などが折り重なって、インパクトのあるメッセージとなって伝わり、とかく古いイメージとなり易い戦争と平和を現代的に描く監督の作風に引かれ方は多いのではないでしょうか?

310人が参加をして講演会

 2日目は午前中に課題ごとの分科会が開かれた後、午後から鎌田慧(ルポライター)の講演会が行われました。テーマは「原発・憲法、怒りの今を刻む」です。会場は一杯で310人が参加しました。

 鎌田さんは、週刊現代のアンケートで、「日本で一番住みやすい県は岡山県。原発から一番遠い。平和宣言都市もあって、非核・平和の意識が高い。人も環境も食べ物もおいしい」と話され、「お世辞ではなく、コピーを持てくればよかった」と会場を沸かせました。

       鎌田慧さん

 原発について、「どうにもならない、という気持ちが強い。避難している人達は、戻れない。住めない地域。原子炉がどうなっているのかさえ分からない。コントロールできない状態で苦しんでいる。今でも事故になる前に本気で走らなかった事が悔やまれる」として、「自身は平和憲法で世の中が変わると信じてきた世代。首相をはじめとして憲法を変えようとする勢力への反発と怒りが運動のエネルギーとなっている」と話しました。続けて、「昔軍隊、今は総評と言われた時代があった。今は市民と労働組合が一緒にやらないと新しい日本はつくれない。市職労の運動の役割は大きい。公務員賃金が削減されているが、これでは地域経済は良くならない。地方自治が議論されなくなっているが、民主化は自治体職員と労組、市民の課題だ」と市民のつどいを歓迎しました。

 再び原発の話に戻って、「毎日400㌧の汚染水が流れている。これを止めるために国民的な英知の結集が求められているが、実権は推進派の人達が握っている。チリの炭鉱崩落事故では全世界の英知が結集された。物まねで輸入稼働させた原発を他国に売り出しているが、結局は安く売るしかない。日本の輸出産業は過去も同じだった。中国や新興国の台頭で輸出が厳しくなるのは当たり前で、日本の原発技術は高いなどと日本のトップが言うべき言葉ではない。私たちは危機一髪のところで生きている」と怒りに燃えた静かな口調に会場は緊張感で張り詰めていました。

 憲法については、「自民党のやろうとしている事は、国民を憲法で縛る事。裁判所を軍法会議に変えることだ」「ものを良く考えない、軍事オタクに日本の未来は託せない。将来に対する責任は自分たちにあることを自覚して頑張ろう」と参加者に呼びかけました。

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久々に学習の友読書会が復活。楽しい会話が待ってます。

とき:2013年9月5日(木)19時~

ところ:地方自治会館3階

気軽にお越しください。

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とき:2013年7月19日(金)9時30分~

ところ:岡山県庁~岡山市役所

国民平和大行進岡山県入り4日目の19日は岡山市内行進となり、集発地点の岡山県庁には130人が集まり、出発式がはじまりました。司会は自治労連県本部岡山市職労の大平さんです。

司会の大平さん(自治労連・岡山市職労)

最初に、岡山県を代表して総務学事課・水川宏一課長が歓迎と激励の挨拶を行いました。水川課長は、「暑い日が続いている、核兵器廃絶に向けて運動している行進団に敬意を表する」として、「核兵器のない平和な世界が望まれる。しかし、未だに多くの核兵器が存在している。核兵器は世代を超えて未来を脅かしている。決して許すことはできない。世界で唯一の被爆国民が平和行進でアピールすることは大変意義深い。努力が核兵器廃絶と平和が実現することを願っている。身体に留意して、初期の目的を達成されるよう祈念している」と話しました。

水川宏一学事課長さん

地域実行委員会を代表して日本共産党氏平みほ子県議会議員は、「参議院選挙も最終版。共産党は憲法9条をまもれ、原発再稼働を許さない声を広げようと奮闘している。1万人を超える熱中症が出る中であり、身体にも気を付け、平和の祈りを込めて歩いてほしい」と参議院選挙で勝利して、核廃絶の政府をさせる決意を語りました。

日本共産党・氏平県議団

岡山市被曝者会会長の平末さんは、「昨日は東山の慰霊碑に参っていただき感謝する。日本被団協は被爆から68年を迎えて、日本原水協の力をいただきながら日本と世界を動かしてきた。核廃絶の道は開けた。しかし、核保有国が声を上げてくれない。平和勢力は核保有国に核兵器廃絶を迫ってきた。平和行進などの運動なくして核廃絶は出来ない。今後もご支援下さい。岡山県はかつて日生で原発を建設する動きがあった。反対する県民が知事と中国電力を動かし建設を止めた。この歴史を岡山県民は持っている。この精神を大切にしたい。伊方原発や島根原発が再稼働して事故が起これば岡山県にも影響する。被団協も反原発の旗を掲げて奮闘したい」と決意を語りました。

全国通し行進の村田さんは、「5月6日に東京夢の島を出発して、今日で75日になる。12都府県を90日で行進します。多くの皆さんが一緒に行進してくれた。私たちの思いが日本中に、世界に届くように核兵器廃絶の声を大きく上げて行きたい。アピール署名や原爆展などを広げて運動と世界大会を成功させよう」と訴えました。

県内通し行進者の中島さんは、「今年はじめて県内行進をする。日本は非核3原則によって平和が保たれている。憲法改悪や原発再稼働、海外への武器輸出、オスプレイ配備など平和が壊されようとしている。絶対に許せない。未来に生きる子どもたちのために平和な世界を残したい」と行進の決意を語りました。

県内通し行進者・中島

最後に、四国コースの横断幕が授与され、香川原水協の松永さんは、「四国コースは香川、徳島を5月7日に同時にスタートして、6月8日~9日に第59回原水爆禁止四国大会を開いた。この横断幕を東京―広島コースに合流させ、広島へ届けていただきたいと思い持参した。行進者は437名の参加で成功させた。原爆写真展も今日は半日だが一緒に参加したい」と話しました。

野元さんの訴え(右) 野市さん(左)

同行した年金者組合の野下さんは、「昨日の若者は今日の若者と共に闘う」と言葉を贈って、四国からの横断幕を岡山の行進団に託しました。

行進には元気っ子保育園の子ども達11人と保母さんが2人参加して、全体で121人の行進団となりました。

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とき:2013年5月19日(日)10時~16時30分

ところ:おかやま西川プラザ

5月19日(日)子育て・教育のつどい実行委員会は、おかやま西川原プラザで2013年のつどいを開催し、130人が参加して熱心な討論を行いました。難波一夫会長が「歴史を逆行させる動きがある。侵略戦争の時代に戻してはならない。子ども達から今の情勢をどう学ぶかが問われている」とあいさつし、田中博事務局長が基調報告を行いました。

難波一夫会長

田中事務局長

午前中は小野田正利さん(大阪大学大学院教授)が「イチャモンを超えて」と題して講演しました。唐草模様の背広姿に軽妙な話しぶり、大きな声。大きなプレート文字で判り易く話のテーマを見せながらの話は、参加者を笑いと納得の世界に引き込みました。

唐草模様の背広が似合う小野田先生

 先生は学校現場では「うつ、飲む、買う」の教師が増え、苦情を言ってくる親御さんをモンスター扱いして向き合わなくなっているとして、先生の「イチャモン研究」から問題解決の方向性を示しました。そして、「うつとは鬱病、飲むとはビタミン剤や薬のこと、買うとは学校をやめるために生活の保障として宝くじを買うことだ」と説明しました。

講演のレジメはないが書いたものを読んで欲しいと話す先生

 近年の研究から「満足基準と期待水準が急上昇している」として、ここにイラつきや不満が募る原因があると強調し、その具体例として、列車の定刻発着やコンビニのレジ対応を例に話しました。例えば、岡山と熊本にはレジスターが4台もあるコンビニがあり、お客さんを待たせないシステムがあるがこれは過剰防衛であり、そこまでやる必要はない。少しくらい並んでもらうことがあってよい」と話しました。「過剰防衛は相手にモノを言わせない手法であり、モンスター扱いをすると、予防線を張ることになり、問題解決ができないだけでない。相手の誤解を解けないだけでなく、悩みや苦しみからも解消されない」と説明しました。予防線を張る具体例として、宣伝広告に小さく書かれている「イメージです。個人の意見です。感想です」などがあるが、こうゆう世界が教育界にも広がっているとしました。

背中には「ちょっと疲れています」と書いてありました。

次に、イチャモン研究の立場から、「このままでは目の前にチラつくものを叩く活力のない社会となり、社会全体が押しつぶされ、ものが自由に言えなくなるのでは?」と疑問を投げかけました。「寛容性や許容範囲が狭くなっている。子どもには生きづらい社会だ」と話し、少子化を例に取り上げました。「少子化は平均値であり、子どもの居ない家庭を含めると家庭の子ども数が極端に少なくなる。それは子どもに接する機会が少ない人がいることを表していて、子どもの行為に対する寛容性が低い。極端な例だが東京では、ここで子供は遊ぶな、と書いてある公園がある。子どもはどこで遊べばいいのか?大学生にも公道に大学生の通行禁止、と書かれている張り紙がある。つまり、子どもの行動や学生のおしゃべりが我慢できない人がいるということであり、経験不足や人との関係が希薄になっていることを示している。子どもが身近になっていない。教育会では子どもへの非難は親への非難と受け止められ、自己中心ではなく、自子中心主義だ」と説明しました。現代の社会では、「お金を払った以上、見返りを求める現象が広がっている」として、子どもの自立や成長を助けることがおろそかになっていると話しました。大学では、卒業式などで親が大挙して押しかける現象が止まらず、学年別に卒業式をするとか大きな体育館を借りるなどの対応が求められている。子どもの自立や自信をどう付けるか、子どもを伸ばすという発想がない。深刻なのは「子どもと席を同じにしてくれ」という要求さえ出ていると話しました。そうした親に対応するため、「大学はIT産業化して、至れり尽くせり(IT)の世界に変貌している」と話しました。

こうした学校や社会の寛容性が問題となる現象を解決するためには、「おせっかいが自然体でできる社会に変える必要がある」としました。また、「子どものすることにはワケがあり、違った結論がある」として、学校に一方的な要求を突きつける親に対しては子どもの情報(学校現場で頑張っている様子)を知らせることで問題解決につながるケースがあると説明しました。「おせっかい」は一見、無関係な中でもどうゆう行為が求められるかであり、バスや電車で子供連れの親子が居れば、赤ちゃんに「いない、いないばぁー」と話しかける「おせっかいさ」がいいのではないかと勧めました。子供にとって程よいアタッチメントや外界からの刺激が必要であり、成長に欠かせないと話しました。子どもが無関係の他人から褒められる関係があるのかどうかがポイントだとしました。

無関係の同席者に声を掛けることも安心感が生まれる関係として必要だと話しました。小野田先生は新幹線の中でも同席した人に「何処に行きますか?みかん食べますか?」などと「おせっかいな」な声かけをしていると話しました。

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と き:2013年5月10日(金)18:30~

ところ:勤労者福祉センター4F

概 要

 岡山県労働組合会議・パート・臨時労組連絡会は2013年度最賃体験スタート集会を開催しました。最低賃金ではいかに生活が大変かを経験し、感じたことを最低賃金審議会に報告していきます。今回の集会には全労連から伊藤圭一さんを講師として招き、17人が参加しました。

 開会あいさつを高木会長が行い、「最低賃金は低すぎる。岡山県では691円だ。これでは到底生活できないだろう。最賃体験を通して、どれだけ生活が大変か身をもって経験し、最低賃金引上げの運動を盛り上げる契機にしよう」と話しました。

 伊藤圭一さんの話しは「最低賃金をめぐる情勢と課題」というテーマで行われ、普通に暮らせる社会を実現するためには最賃引上げを行わないといけないと決意を新たにさせられました。

 まず、情勢について伊藤圭一さんは、「円安により燃料費・原材料費が高騰している。価格上昇分を転嫁できない、中小企業にとっては大きな打撃だ。アベノミクスの影響で何となく経済がよくなっているように思うかもしれないが、実際には何も良くなっていない。また、アベノミクス成長戦略の核は労度法制の規制緩和にある。解雇の金銭解決、勤務地・職務限定社員、残業代未払いの合法化など労働の規制どころか破壊だ」と述べ、「最賃審議会委員の偏向任命について、ILOが『全労連の任命可能性を検討したか?』と日本政府に質問する事態まで起こっている。日本政府のやり方は、国際的には評判が悪く、これ以上世界的に恥をかくのはやめなければならない」としました。また、「首相や主要官僚が報酬や賃金引上げを財界に要請したが実際には賃金改善がなされてない。そのことに対する批判がマスコミなど報道機関からなされている。最賃引上げの重要性を理解する経営者や公益委員も増えてきており、地方マスコミの多くは最賃引上げに好意的だ。参議院選挙を目前に控えているため、安倍首相をはじめ自民党議員でも世論を気に、議員要請や省庁要請を利用してもらいたい」と最賃運動の追い風について述べました。

海外と比較すると日本の賃金の低さはより明確なものになるとのことで、「競争力強化のために賃金引下げはやむを得ないと財界は常套句のように言います。しかし、欧米、アジアはグローバル経済への対応として最低賃金を積極的に引き上げている。それは、海外から安い労働力が流出してくれば、自国の賃金バランスは崩れ、経済が悪化することが分かっているからだ。中国は2015年まで毎年13%引き上げること。タイでは今年四月から全国一律40%引き上げが実施されている」と紹介しました。「日本の賃金水準は国際的にみればとても遅れを取っており、日本の賃金状況は異常です。こうした事実があるということをしっかりと伝えることが大切だ」と最後にまとめました。

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と き:2013年5月9日(木)18:30~

ところ:勤労者福祉センター4F

概 要

 85期岡山労働学校の入学式・記念講演が行われ34人が参加しました。今期のテーマは「社会と生き方を考える教室」です。私たちの生きている社会とは何か。どんな生き方がしたいか。このような視点から「社会」と「生き方」について学んでいきます。

 主催者を代表して伊原潔さん(岡山県労働者学習協会・会長)があいさつを行い、「読んで学ぶよりもテレビを見て学ぶ方がわかりやすい。そして、テレビで学ぶよりも実際に当事者の方の話を直接聞く方がはるかにわかりやすい。まさにライヴな学びだ。受講生のみなさんにはライヴな学びを大切にしてもらいたい」と話しました。

 そして記念講演が行われました。講師は神瀬麻里子さん。JAL不当解雇撤回裁判の原告であり、日本航空キャビンクルーユニオンの組合員です。神瀬麻里子さんは、「私たちは165名が2010年大晦日に解雇になり、148名が裁判に立ち上がった。JALの中にはたくさんの組合がある。しかし、しっかりと職場にモノを言っているのは5つしかない。解雇された165名の内、10名ほど労使協調路線で連合加盟のJALFIOという労働組合に所属している人がいた。相談に行くと、『あなたは解雇されたからうちの労働組合員ではない』と何もしてもらえなかったそうだ」とJAL内の労働組について説明しました。

「1977年12月1日に客室乗務員としてJALに採用された。それから2010年までずっと働いており、このまま定年まで勤務できると思っていた矢先に経営破綻が原因で解雇されることになった。しかし、その責任は労働者にはない。5年間で4780億円かけて38機もの航空機を導入し、米貴国との貿易不均衡でジャンボ機113機購入するなどの航空行政の誤りと、放漫経営にある。解雇時点での1586億円もの営業利益があり、2011年は2049億円という史上最高の営業利益を得ていた。1500名の整理解雇が必要と言われていたが、1600名を超える人が退職した。それにもかかわらず、私たちは解雇されることになった」と述べ、「真の目的はたたかう労働組合つぶしだ。解雇された人の中には、航空連・日乗連・安全会議の議長や副議長など、組合活動の中心を担ってきた人たちが大勢いた。私たちキャビンクルーユニオンは長い間、女性の権利向上や労働条件のためにがんばってきた。そして、過去事故を多く経験してきたことから安全について会社にきちんと物申していた。そのため、長い間昇差別や賃金差別を受け、最終的に経営破綻を原因に整理解雇されることになった」と解雇の不当性を訴えました。

 会社に対してきちんと物言う人がいなくなったJALでは、安全よりも利益最優先の経営が行われています。稲盛会長は、「利益なくして安全なし」と発言し、加藤管財人は、「1兆円の利益を上げてから安全を語れ」と言っています。中には、骨折した機長がそのままの状態で飛行機を操縦したことまで報告されています。

 JAL不当解雇のたたかいは日本の企業のあり方を問うたたかいでもあります。みなさんのご支援をよろしくお願いします。

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