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と き:2017年1月15日(日)14:00~
ところ:オルガビル
概 要
岡山県労働組合会議・青年部は第6回目となる定期大会を開催しました。役員を含め13人が参加し、すべての議案を満場一致で採択しました。
開会に先立って、谷口朋美さん(岡山県平和委員会・事務局長)を講師に招き学習会を行いました。「平和運動とわたし」というテーマで谷口さんが平和運動に携わるきっかけを話してもらいました。
谷口さんは、「今でこそ基地撤去、核兵器廃絶、安保破棄などの平和運動を一生懸命にしているが、初めのうちはそんなことには全く興味がなかった」とし、「『ミスター味っ子』というアニメを見て調理師になりたいと思うようになった。いつか自分のお店を持ちたいと思いながらも、岡山医療生活協同組合に調理師として就職した。家から近いという理由で、医療生協が何かも知らずに働いていた。1996年の7月、初めて平和行進に参加した。自分から出たいと言ったわけではなく、職場から行かされたため、まったく意味がわからなかった」とこれまでの歩みを振り返りました。
谷口さんに転機が訪れたのは1999年。岡山労働学校「社会と生き方を考える」教室に通い始めたときです。谷口さんはその時のことを、「同期の看護師さんに一緒に行かないとたまたま誘われた。ここで、ものの見方、考え方を学んだのだが、なぜか労働学校の運営員を任されることになった。それ以降、色々なものに誘われるようになり、2003年の3・1ビキニデー集会に参加した際に平和委員会に入会。この時点ではまだ活動はしておらず、平和新聞もロッカーに山積み状態だった」と若干恥ずかしそうに話し、「2005年に岡山で開催されたピースエッグに参加して以降、私は平和活動に積極的になった。3日間平和のことだけを考える企画で、最終日には参加者の顔立ちが違っていた。それぞれが信頼関係を作り成長を実感できる場だったと思う。こんな場を岡山でもつくりたいと思い、岡山県平和委員会で働き始めた」と出会いの中で成長できたことを語りました。
谷口さんは、「平和運動は一人では続かない。緩やかであってよく、基本点で一致できる仲間が必要だ。手が届く範囲での平和運動が大切で、仲間同士の連帯と運動が見えるようにすることが大切だと思っている。実際には、運動の成果はほとんど見えない。参加者が少なくてしんどい思いや不安を感じることもある。それでも、相談でき、励ましてくれる仲間がいれば違ってくる」と参加者に訴えました。
学習会終了後定期大会に移りました。全労連青年部から香月常任委員が来賓として出席されあいさつしました。香月さんは、「佐賀県労連青年部初めて行ったのはバレンタインのチョコづくり。最近の若者の傾向として、労働組合が何かがわかっていない人は多い。だからこそ、青年のしたいことをとりいれながら楽しく組織拡大をしていきたい。また、九州ブロックでは福岡に青年部があり、今年中には熊本にも青年部ができる予定。岡山は6回も大会をしている。負けないように私たちも奮闘していく」と述べました。
そして、内田部長が2016年度総括・2017年度活動方針を提案し、「2016年度は労働組合の意義・目的・役割を学び、可能性に確信をもって行動することと、仕事を越えた青年の交流を活性化することを目指して活動してきた。ほぼ毎月にわたって青年部会議や事前の三役会議を開催し、方針に沿った議論を行うことができた。一方、県労青年部が企画した学習会は次なる活動への結集には繋がっていない。その点は今後の課題だ」とし、2017年度方針について、「青年部役員自身が県労青年部や各労組青年部に参加することが難しくなっている。そのことは県労青年部の活動はもとより各青年部との連携に支障をきたす一因となっている。個々の事情に寄り添った対応を行い、県労青年部だけでなく産別労組青年部の活性化を図っていく」と提案しました。
提案された議案は満場一致で採択され、定期大会は終了しました。
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と き:2016年5月28日(土)~29日(日)
ところ:東京都
概 要
毎年恒例、全労連青年部主催のユニオンユースアカデミーが今年も開催されました。全国から47人の青年が集まりました。
開会あいさつを行う阿部副部長(^_^)/
第一日目は羽田空港管制塔で勤務している管制官のお話を伺いました。お話ししてくれたのは西本太郎さん、神内俊輔さん(国土交通労働組合・羽田空港支部)の2人です。
まず西本さんが管制官の仕事内容について説明、「仕事は大きくわけて2つある。各空港で行う管制業務と、全国4か所の航空交通管制部で行う管制業務。前者は、管制塔から、目視で飛行機を捕捉し、飛行方向や高度の指示を出す。後者は、巨大レーダーを使って、各管制部が管制する空域にいるすべての飛行機の動きに目を光らせ、無線で飛行方向や高度などの指示を与える。毎日8000機もの飛行機が日本の上空を飛んでおり、その数は年々増えている。羽田空港には毎日1200機の離発着があり、乗客数は世界第5位の年間7000万人」と話しました。
神内さんは労働実態について話し、「私たちはシフト勤務で残業は基本的にはない。早出、夜勤、日勤と3つのパターンがあり、間に2日間の休みがある。しかし、休憩時間は明確になっていない。全国的には欠員が多く、公休日に呼び出しを受ける空港もある。この点については労働組合として課題にしている。また、管制塔ならどの空港の管制官も同じだと思われるが、空港毎に資格を取る必要がある。例えば、羽田から関西に移動になったら資格を取得し直す必要があり、1年から長い場合は3年を要する」と話しました。
その後、グループに分かれて感想交流を行いました。感想交流では、自分たちの働き方について話し合いました。
第一日目の締めくくりとして、労働法制の学習会を行いました。講師には山脇薫さん(全労働省労働組合・中央執行委員長)で、労働法の成立過程から説明、「労働関連法は憲法に深く関わっている。契約は原則自由だが、労使の力関係は対等ではない。そこで、労働三法:労働組合法、労働関係調整法、労働基準法によって労働者の権利を守っている。最近では労働基準法を無視したブラック企業を規制する法律が作られたりしているが、産業界の圧力なのか、罰則規定の甘いものとなっている」と話し、「いま残業代ゼロ法反案の成立が狙われている。その内容は、労働基準法の一部を改正し、職務が明確で高い能力を有する者かつ少なくとも年収1000万円以上には時間外労働割増賃金の支払いをしなくてもよいとするもの。対象の業務も労働者もいつでも拡大できる。経団連の榊原会長は、『少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるような制度にすべきだ』と語っている。厚労省は、対象労働者について長時間労働防止措置なども盛り込んでいるとするが、具体的な中身は法案成立後に省令で決めるとしており、なんの保証もない。労働時間規制の土台に大穴を開けながら、その下にザルを敷くようなものでしかないのだ」と 世界各国はディーセントワーク(人間らしい労働)を目指しているのに、日本だけが逆行している状況を説明しました。
二日目は3つの分科会に分かれて学習が行われました。第1分科会「Let’s最賃引上げ~エキタスのとりくみから~」では助言者に原田仁希さんでエキタス結成に至る経緯を上告してもらいました。まずエキタスについて、「エキタス(Aequitas)は2015年9月に結成。最低賃金を1500円にと中小企業に税金まわせの2点を掲げ10月と12月にデモをした。福島原発事故以降、社会全体のおかしさが多くの人が気が付いた。そこから、反原発だけでなく、反レイシズム、反安倍、反戦争法、反維新など膨大な数の運動主体が形成されていった」と経緯を説明。日本の労働組合運動についても言及し、「日本型企業内組合の弱体化によって労働組合が構造的に対抗力を発揮できなくなっている。個人加盟ユニオンも告発型になりがちで限界はある。そこで、最賃1500円、給料上げろと言っていいというオルタナティブを示しているのがエキタスだ」としました。
最賃引上げの運動はいま世界規模で広がりを見せています。日本は国際社会の波に乗り切れていませんが、徐々に運動は広がっています。原田さんはエキタスが最賃引上げの市民運動を広げていった方法について、「3.11以降デモという新たな運動スタイルが普及した。そこに寄せて、SNSの活用、サウンドカー、洗練されたデザイン、ショートコールなど絵になる運動を心がけている」と解説しました。最後に、「労働問題だけでなく、反原発や反レイシズムなど様々な問題に関心を持ち、連携できるような発想や展開を考えることが大切。市民運動や地域の運動との具体的連携をめざしていきたい」と訴えました。
感想発表を行う岡山のメンバー
最後に各分科会から発表によってユニオンユースアカデミーは終了しました。終了後は五反田駅に移動し、戦争法廃止の2000万人署名を集めました。
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と き:2016年5月19日(木)17:30~
ところ:岡山駅西口さんすて前
概 要
アメリカのオバマ大統領が5月27日に被爆地広島を訪問することが決まりました。アメリカの大統領が初めて広島を訪問することに大きな関心が集まっています。この機会に、被爆者の声を伝え、アメリカをはじめ核保有国と日本政府に対して核兵器禁止条約の交渉開始へ行動することを求め被爆2世・3世の会と岡山県原水協が共同で緊急アクション(宣伝署名)にとりくみました。
加百智津子さん(被爆2世・3世の会)は、「今世界では、核兵器禁止・廃絶をめざす運動が、国際政治の場で大きな高揚を見せている。NPT(核不拡散条約)再検討会議や国連総会では核兵器を禁止・廃絶する法的措置を求める動きが主流となった。昨年の国連総会では加盟国8割が賛同して法的措置を議論する作業部会が設置されたが、アメリカを始め核保有国はこれに反対している。日本政府もこうした流れに背を向け、被爆国にふさわしい役割を発揮していない。広島で核兵器のない世界をいうならば、核兵器禁止条約交渉参加ただちに決断するよう強く求める」と訴えました。
インタヴューを受ける加百さん(^_^)/
行動には12人が参加し、署名32筆を集めました。
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と き:2016年5月14日(土)14:00~
ところ:おかやま西川原プラザ
概 要
TPP参加に反対する岡山県協議により学習会が開催されました。政府はしきりにTPP参加を進めています。意図的に影響を小さく評価した試算を公表し、コメ生産に競争原理を持ち込むこむことで、意欲ある農家の経営規模拡大を促すとしています。しかし、農家からは、「一部の大規模農家以外の農家は壊滅するのでは」という声が上がっています。また、食品添加物の表示問題はどうなるのでしょうか。アメリカには食品添加物の表示義務はありません。既に日本政府はBSEの輸入月齢緩和を行うなどアメリカの要求を受け入れています。表示がなくなれば、消費者に選ぶ権利はなくなり、食べたくないものを食べさせられることになりかねません。
学習会には25人が参加し、日本の農業、食の安全を守るにはTPPに参加しないことです。私たちの健康と子どもたちのいのちを守るためにできることを考えました。
開会にあたり、実行委員を代表して農民連・倉地会長があいさつを行い、「TPPは知れば知るほど暮らしに密接している。国会で提出された資料では内容は黒塗りで、一切議論にならないものだった。安倍首相はそれでも国会で審議ができているとするなど、とんでもない欺瞞だ。TPPは今ならまだ止めることができる。今の内に運動を大きく盛り上げよう」と訴えました。
講師は村田武さん(愛媛県食健連会長、九州大学名誉教授)で、「TPPは日本の農業と国民の食・健康を破壊する」とのテーマで話をされました。村田さんは、「重要なのは消費者運動をどう盛り上げていくかだ。しかし、運動の担い手たるべき生活協同組合は小売業競争の中で先頭に立つことができないでいる。現在、農村現場は米価暴落でボディーブローを受けている。法人型の大型農業を先取りした米価設定や減反廃止なども検討されている。この点と闘わないといけない」と強調。具体的な提言として、「食とエネルギーの産直をすることだ。それは、内橋克人さんの『FEC自給圏の形成』を現実のものにすること。Fはフード・食、Eはエネルギー、Cはケア・社会保障を意味する。私の住んでいる愛媛県では生産者の再生可能エネルギー事業構想や、農協・森林組合・漁協・生協などとの共同出資電力事業協同組合を設立し組合員に売電することを構想している。国民ひとり一人をメインにすることが大切で、国家の利害だけを考えるのではいけない」と述べました。
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と き:2016年1月29日(金)12:15~
ところ:中国電力岡山支社周辺
概 要
イレブンアクション岡山は172回目となる抗議行動を行いました。雨が激しく骨の芯まで冷えるような天候のため、参加者は20人と少なめでした。
本日はゲストに春名直章さん(日本共産党・比例代表予定候補者)が参加されました。春名さんは、「福島に行ってきた。いまだに放射の残土の袋が積み上がっている。原発事故は終わっていない。それなのに原発の再稼働など絶対に許せない。私が電力会社と懇談を行った際、電力会社は政府が原発推進だから再稼働するという回答だった。原発ゼロの社会を実現するためには自民党政権を倒すしかない」と力強いエールを参加者に送りました。
参加者は歌を歌い原発再稼働反対を訴え、歩きました。しかし、依然として政府・電力会社の姿勢は変わりません。原発ゼロ、自然エネルギーを普及するためには世論で政府を包囲し、同時に私たち自身が生活を見直していかないといけません。
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と き:2015年12月14日(月)
概 要
県労会議が実施している公契約キャラバン2日目は、吉備中央町、高梁市を訪問しました。
吉備中央町では、非正規職員の賃金について、「非正規でもプロとしての仕事をめざしてがんばっている。正規・非正規という雇用形態の違いは、求められる仕事の質には関係ない。正規と非正規の賃金は現在では極端なまでに格差が広がっている。改善が必要だと思う」とのことでした。公共工事については、「自治体の規模が小さいために杭を打ち込むような大規模の工事はない。設計など専門性の高いことは専門家に外注している」とのことで、公契約条例の制定はすぐにはできないとの見解でした。
高梁市では、地域経済活性化について、「市内で働き続けられる雇用環境をつくることを市の目標に掲げとりくみを開始している。定住実現のためには仕事がなければいけない」と話されました。正規職員の給与改定に合わせて非正規職員の給与を改定し、非正規職員の賃金引き上げを実現したことにも触れられました。公契約条例については、すぐにはできないとのことでした。
公契約条例制定に向けて、まだまだ困難な状況です。
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と き:2015年12月10日(木)
概 要
県労会議は2015年公契約キャラバンをスタートしました。現在、公契約条例を実施している自治体は17自治体であり、昨年と比して3自治体増えました。公契約条例は、公共事業、公共サービスの質を確保するとともに、低賃金を背景としたダンピング受注を抑制することにつながります。
10日に訪問したのは3自治体です。津山市では、「公契約条例が広がりを見せる中、市として検討はしが、本来は国が政策として責任をもって実施してもらわないと困る。いきなり公契約条例を制定することは難しい。しかし、最低制限価格を設定し、あまりにも低価格な入札は再入札にするなど対策を行っている」とのこと。また、「手抜き工事がないよう、組織的なチェック体制を設けている。2級建築士資格を有する職員も複数名いることから、業者と同レベルで話をすることができる」と質の確保が重要との認識を示しました。指定管理者制度については、「問題になるのは施設の修繕費だ。軽微なものなら管理業者で対応してもらうが、財政がないことから大きな修繕は困難な状況だ」と実態を話しました。
美作市では、「2級建築士資格保有者はいる。工事については設計書にあったもので行うようにしているが、美作市ではそんなに大きいな工事があるわけではない」と話し、「市で働く非正規職員の賃金は定期的に見直しをしている。少しでも賃金を改善するために、2行政職基準に合わせている」と話されました。
最後に訪問した鏡野町では山崎町長が同席してくれました。地域経済活性化について聞くと、「田舎の魅力を引き出すためには、仕事があり、賃金の保障がなくてはいけない。政府も、老後は地方で過ごしてくださいと田舎暮らしを勧めているが、それでは税収が減ってしまうというデメリットがある。保育園無料化で定住促進と言われても、財政が十分なわけではない」と厳しい財政状況を話しました。公共工事について、「手抜き工事などは監督しているが、常に見ているわけではない。最新版の建築法でなければ設計・段階から認められないなど厳しくなっている。また、金額を上げないと大手ゼネコンからの応札がない。10億円を見積もった斎場建設は4回入札をやり直した」と地元の大手業者がないため、都市部の業者に発注すると高くなるなど困難さを述べました。
横浜のくい打ち偽装事件のような専門家でもわかりにくい問題など、建築をめぐる質の向上のためには地元で責任の持てる業者を育成していくことですが、現実は簡単ではありません。ルールある公契約で重層的な下請け構造を抑止し、公共工事の最低賃金やルールを明確にして、質の高い業者と労働者が地方でも生きていけるように自治体が支援することが大切です。TPPが安い労働力の外国人を市場に招き入れ易くすることは誰もが知っています。にも拘らず、安いことはいいことだと、この流れを認めてしまうと経済のバランスは壊れてしまいます。ルールある社会こそ地方経済を救う力です。
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と き:2015年12月2日(水)7:45~
ところ:ビックカメラ前
概 要
岡山県労働組合会議は定例の早朝宣伝にとりくみました。今回の行動には5人が参加し、チラシ300枚を配布しました。11月半ばまで暖かい日が続いていましたが、急に冷え込みが激しくなりました。道行く人もポケットからなかなか手が出せない様子でした。
マイクをとったのは伊原事務局長で、「いま世界的に最低賃金を引き上げる動きが高まっている。安倍首相は最低賃金を毎年3%引き上げることを表明し、賃金の引上げを経済界に要請している。私たちはこうしたことは経済活性化のためには歓迎すべきことだと考えている」とし、「しかし、一方で安倍首相は東南アジア諸国への経済支援として、4ヶ月で海外へ 52兆5400億円のバラマキを行っている。その一方で、国民に対しては社会保障の切り捨て、消費税増税、賃下げと厳しさだけを押し付けている。安倍政権の行っていることは将来の展望を考えない、無策な行いだ」と批判しました。
労働者派遣法が改悪され、生涯派遣、派遣が当たり前の雇用社会が到来しようとしています。すでに非正規雇用として働く人の割合が4割を超えました。年収200万円以下の労働者は1300万人も存在しています。しかし、安倍政権は依然として国民の生活を無視した憲法違反の政治を繰り広げています。
労働組合に結集する仲間が声を上げて、賃上げとまともな雇用で生活環境の改善を勝ちとりましょう。
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と き:2015年11月25日(水)~26日(木)
ところ:熱海後楽園ホテル
概 要
全労連・国民春闘共闘委員会は2016年春闘に向けた討論集会を開催しました。
主催者を代表して全労連・小田川議長があいさつを行い、「安倍政権の立場は憲法に反している。戦争法の強行など安倍首相退陣の運動を起こしていこう。今やアベノミクスの失敗は事実として明らかになっている。止まることのない賃金の低下、非正規雇用の拡大。ワーキングプアは今や1300万人にのぼる。結果として国民に痛みを負わせただけだ。海外からもアベノミクスは終わったと批判されている。ここに2016年春闘の争点がある。ぜひとも、内部留保を社会に還元させる運動、最低賃金引き上げの運動、中小企業支援策の具体化を強めてもらいたい。貧困・格差解消のために企業家団体と共同することも模索していこう」と話しました。
その後、井上事務局長から2016年春闘方針が提案されました。井上さんは、「職場活動の活性化、全組合員参加のとりくみを構築し、要求実現と組織拡大強化の相乗効果を生みだしていこう。そのためには、これまでの延長線上の運動ではいけない。労働組合そのものが変わっていかないといけない」と強調しました。
具体的取り組みとして、
①国民的な世論と共同で、戦争法を廃止し、改憲策動を打ち破る。戦争法廃止の一点での共同を大胆に広げることを中核に、学習・署名、組合員が参加する活動をつくる。
②実質賃金の底上げを実現する総合的な運動をつくりだす。賃上げは地域経済の再生や労働組合の活性化にとって不可欠の課題であることを確認し、秋の段階から最賃署名にとりくんでいく。地域から時給1000円未満で働く労働者をなくすとりくみを広義の最賃闘争として進めていく。
③時短を軸にした働くルール確立と安倍「雇用改革」阻止のとりくみ。ディーセントワークの実現をめざす制度政策闘争を進め、労働時間の上限規制、残業代ゼロ・解雇規制の緩和を許さない運動を広範な共同をめざす。そのため、職場ごとの増員要求を明確にし、時短キャンペーンやノー残業デー、退勤時間調査を実施する。
④社会保障拡充、安全・安心社会をめざすとりくみ。格差と貧困が加速度的に拡大している現状を踏まえ、憲法25条を軸に最低生活を守る地域段階からの共同づくりを労働組合の社保闘争として強化していく。そして、福島原発事故に対する国と東電の責任追及を被災者と連帯して強め、支援の打ち切りを阻止するとりくみを進める。
⑤持続可能な地域社会への転換を求めるとりくみの抜本的強化。賃金の底上げをはじめ、雇用の安定や社会保障拡充などの課題と結んで、地域活性化、時速可能な地域づくりのとりくみを戦略的な課題として抜本的に強化する。中小企業支援の課題、雇用安定と社会保障拡充のとりくみとして対話・懇談運動を進め、地域の経済化や保守層を含めた広範な共同を前進させる。
⑥人権・民主主義抑制に反対し、政治の民主的転換をめざすとりくみ。ひとつひとつの切実な要求、課題を基礎に、共同をいっそう発展させていく。安倍暴走政治そのものをストップさせ、政治の民主的転換を推進する。
以上6点が提案されました。
その後、4人の方から特別報告が行われました。
日本医労連の三浦宜子さんは、「賃金とは、生計費原則とは何かを学習を進める中で、どうせ無理だからと千円の賃上げ要求を出した労組が、14年春闘で初めてストライキを実施し、15年春闘ではベアを獲得した。これだけは譲れないと意思統一をし、会場に入りきれない断行参加があり、十数年ぶりにベア獲得を達成したのです。このように春闘では各地でドラマが生まれ変化が始まる。16年春闘では要求を勝ちとるために、社会保障改悪を跳ね返し、医療・介護・福祉全体の制度を改善させる運動を起こしていく」と話しました。
続いて、全労連・全国一般の青池香子さんが登壇し、「民主主義、立憲主義が壊されたとき労働組合は存在自体が否定される。憲法違反は意見の違いではすまされない。県費腕示されている国民主権、私たち自身が主人公であることを示すために労働組合が先頭に立って運動をすすめていくときだ」と力のこもった発言がありました。
そして、建交労の佐久間弘雅さんは、「建設関連業界の労組は発足当時から長時間労働が問題視されている。長時間労働と過重な労働が問題になり、夫婦でともにアンケートに協力してもらうなどして実態把握にとりくんだ。残業時間が100時間を超える人が全体の20%もいた。こうした状況を鑑みて、ノー残業デー運動のとりくみを進めているが、別の日に長時間労働してしまうなど、時短のための課題は山積している」と現状を訴えしました。
最後に、京都総評の代表は、「京都では戦争法反対のとりくみが大きく進んでいる。戦争法の危険な本質が明らかになり、国民の反対運動が広がっている。京都弁護士会が呼びかけた集会には、4500人を超える参加があり、京都では40か所を超える同行動が行われた」と報告しました。
その後、参加者の討論が行われました。討論では、戦争法反対のとりくみが進んでいること、組織拡大を達成したことなど様々な教訓が語られました。
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と き:2015年11月7日(土)~8日(日)
ところ:東京都内
概 要
2015年4月から介護報酬が改定されました。今回の報酬改定は加算を取得しても各事業所、特に小規模事業所の経営に困難な事態となっていること、労働者の処遇改善に必ずしもなっていないことが指摘されています。また、特別養護老人ホーム入所対象者が原則「要介護3」以上となったことや、一定の所得の高齢者の利用料負担が8月から2倍になったことなど、利用者・家族にとって介護が利用しづらい状況となっています。このような現状を改善し、介護崩壊を食い止めることを目的に全国から130人が集まりました。
全労連から根本さんが開会あいさつを行い、「4月に介護報酬が改定されたが労働者の状況は厳しいままだ。今起こっている事態は、人手不足や利用料が支払えないなど、介護崩壊の進行だ。政府は自助・共助を強調し、国の責任として介護を行う公助の部分を欠落させている。介護制度を充実させるためには、労働者・利用者・経営者が一体となってとりくんでいかないといけない」と話しました。
その後、林泰則さん(全日本民医連事務局次長)による基調講演が行われました。林さんは、「医療・介護一体となって福祉全体が変貌させられようとしている。安倍政権は、国の責任による生活・生存の保障を家族・国民相互の助け合いに変え、自助・共助・連帯の社会保障へ帰ることが狙いだ。権利としての社会保障を解体するものだ。社会保障制度改革推進法は憲法25条の解釈改憲に他ならない」とし、「総会後費抑制と給付の重点化で4つの切り捨てが始まった。①予防給付が見直され市町村事業へと変えられた。水際作戦や専門職のサービスをボランティアへの置き換えが行われる。②一定以上の所得者の利用料の引き上げ。③特養機能の重点化。要介護1,2は特養ホームから追い出されることになる。④補足給付の要件厳格。タンス預金までも申告の対象となり、徹底した資産調査が行われる。これらの改悪で、低所得者は施設から締め出され、待機者にすらなれないという事態が起こることになる。さらに、過去最大級の介護報酬の引下げ-2.27%で、2025年には37.7万人も介護人材が不足すると推計されている。一体、政府はこの事態をどう解決していこうとしているのか。介護保険制度はすでに破綻している」と介護崩壊が本当に深刻な事態にきていることを強調しました。
その後、パネルディスカッションが行われ3人からお話がありました。まず初めに松下より子さん(公益財団法人・認知症の人と家族の会)で、「私たちは当事者であること、家族はどう思っているのかを伝えることを大切にしている。認知症の方を抱える家族にはまずは相談できる場が必要。介護をするのも娘・息子というケースが増えており、その多くは未婚だ。老老介護の場合、年金を受給しているケースが多く、介護保険料が支払えなくなる人も多い。相談してくる人は何とか救うことができるが、相談できずにどうしたらいいかわからず悩んでいる人の方が多いのが現状だ」と話しました。
続いて、本間則子さん(東京民医労東京勤医会支部)は、「介護労働者の過酷な労働環境は変わらないままだ。職場の7割以上が非正規で、利用者への訪問時間に応じて給料が発生する時給制だ。そのため人が集まらない。必要なのは介護報酬の引き上げと、国の負担を増やすことだ。介護は家事代行ではない。高齢者の自立を促すために、そばに寄り添い援助することにある」と訴えました。
最後に、宮長定男さん(社会福祉法人泉湧く家・理事長)は、「介護の世界を変えるためには経営者の現状認識と意識が変わらないといけない。介護報酬が改定されたことで、単純計算すると全国のグループホーム事業所で月24万7千円の減収となり、年間で約295万円の減収だ。政府は介護離職ゼロ、質の高い介護サービスというがやっていることは真逆だ。介護が日本社会の生産性を支える仕事と認め、国と自治体の公的役割を果たさせるために声を上げていくときだ」と述べました。
パネルディスカッション終了後、介護制度の充実を求めた署名を拡げ、利用者・事業者団体と共同で運動を展開することを柱とした行動提起が行われ、集会は終了しました。
二日目は介護ヘルパーネット第11回総会が開催されました。総会ではまず、「2015年度介護報酬改定・処遇改善加算による介護労働者の賃金・処遇アンケート」の中間結果報告が行われました。
中間集計の結果、①介護職場は全産業平均と比較すると月額8万1千円も賃金水準が低い。②月収は増えても一時金が減った。一時金は増えたが月収が減ったという人もおり、月収・一時金を合わせた処遇改善は6人に1人にすぎない。③8割を超える労働者が処遇改善を実感できていない。④4割の労働者が「不満」を感じ、5割が「辞めたい」と思っている。⑤年齢分布をみると、平均5.7年で離職し、若い職員の確保と定着ができていない。以上の5点が主な傾向として報告されました。
その後、北垣智基さん(大阪健康福祉短期大学・介護福祉学科講師)による講演が行われました。北垣さんは、「あるとき介護実習に行った学生が報告の準備をしていた。学生が言うには、自分の働きかけ次第で相手の反応が変わることを知ったとのこと。介護とは日常の関わりを通して、生きづらさを抱える人の姿や生活に変化を生み出していくことだ。このことを学生は知ったのだと思う。変化を生みだすためには、コミュニケーションと専門性が不可欠。コミュニケーションを通じて信頼を獲得することができる。そして、一人ひとりのニーズや思いの把握をするのが介護士としての専門性となる」と介護とは何かについて語り、「介護保険制度の導入によって、利用者の生活全体を見渡す支援から、細分化され、過重な業務になっている。そして、介護報酬の引下げは、労働者が望んでも働き続けることのできない構造に拍車をかけている。介護は権利の保障であり、生きる力を引き出すことにある。今行われているのは全く反対の事態だ」と訴えました。
議案の提案が全労連・根本さんより行われ、国に対して処遇改善を求める取り組みを全国で展開し、介護に「笑顔」と「希望」キャンペーン運動を進めることが提案されました。議案は満場一致で採択されました。
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