とき:2014年10月6日(月)10時~17時
ところ:中国四国農政局、岡山労働局、岡山県庁
第25回なくせじん肺全国キャラバン実行委員会は10月6日に岡山県入りをして、農政局、労働局、岡山県庁を訪ね、じん肺根絶の要請を行いました。実行委員会からは、岡山県労会議からの2名を含め10名が参加しました。要請は主に、「トンネルじん肺」根絶と訴訟の早期全面解決の立場から、国及びゼネコンに対して「トンネルじん肺基金」を創設することや、トンネル建設工事の11時間にも及ぶ労働時間の解消、またアスベスト粉じん対策の関係業界への徹底や充分な監督・指導を求めました。
農政局に要請書を渡す本家建交労岡山県本部委員長
岡山労働局との懇談
要請の中で明らかにしたことは、①トンネル工事は8時間の工事積算単価で発注されているが実際には労使の36協定によって11時間拘束・10時間労働が常態化していることです。トンネル工事の場合、労使協定があっても労働時間は2時間の延長しか認めていません。実際には2交代制で12時間拘束されている実態があり、法違反がまかり通っていますが、行政側は書類上こうした実態を把握できていないことに問題があります。②全国45の都道府県議会、744の区市町村議会でじん肺根絶の意見書が採択されているが、岡山県だけが意見書を上げていません。ILO・WHOは「2030年までに根絶にための計画を策定すべき」と勧告しています。③法律上、粉じんの測定は義務付けられても報告義務がないため、現場に行かないと粉じん濃度が分からないために対策が遅れることです。臨検の強化が必要ですが、県は必要な工事の質を元請けに求めても、具体的な調査は実態に即して行っていません。④じん肺が根絶できない最大の問題は、ゼネコンが「法は守っている」として責任を取ろうとしないことです。国は法整備をせずに「指導している」の一点張りで、解釈や運用で逃げています。トンネルじん肺訴訟によって関係元請企業が就労時間に応じて和解金を支払うルールができたが、実際には訴訟を起こして和解することは時間もお金も掛るために現実的には無理です。従って、加害企業の参加と拠出によるトンネルじん肺根絶基金制度を創設することがじん肺労働者を救う最善の方法とする提言に、国が躊躇していることです。
要請では、監督者の人数が足らず、現場の臨検が1回程度しか行われていないことや公共工事の労務単価が上げられても下請け労働者に配分されていない、などの実態がつかみ切れていない事も分かりました。
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とき:2014年10月1日(水)15時~
ところ:岡山市シティーミュージアム講義室
10月1日、映画「望郷の鐘」の山田火砂子監督を囲むつどいが岡山市シティミュージアム講義室で開かれました。
山田火砂子監督
つどいには中国残留孤児帰国者の方々や、孤児の国家賠償裁判の弁護団として奮闘された奥津・則武両弁護士、岡山市日中友好協会、日中友好協会と日本語教室に関係者、文学研究会の皆さん、民主団体、中国映画社の皆さん35名が参加して、山田監督のお話に耳を傾けました。監督の映画に掛ける情熱や残留孤児の父とも言われた山本慈昭さんの生き様への共感が伝わり、参加者からは「多くの人に戦争の愚かさ、むごさを知って欲しい」「満州残留孤児を知らない世代は多い」「親子で観て欲しい」と感想が語られました。
つどい後の懇親会
山田火砂子監督は82歳の高齢にもかかわらずお元気な方でした。これまでにも「はだしのゲン(実写版」「キムの十字架(アニメ)」「エンジェルがとんだ日(アニメ)」「石井のおとうさんありがとう」などの映画で知られています。べらんめえ調で反骨精神に溢れた語り口調はおよそ監督という先入観からはかけ離れた存在で、「ちょっと太り気味のすげーお婆ちゃん」という感じです。紹介されなければ分からない、というのが素直な印象です。
監督は児童書の「望郷の鐘」に出会い、終戦のわずか3カ月前の5月1日に満蒙開拓団が送り出されたことを知ったそうです。残留孤児の帰国に尽力した山本慈昭さんの生き様にも深く感銘を受けたと言います。約27万人の開拓団の人たちは8月の旧ソ連参戦で置き去りにされました。日本へ、故郷へ帰ろうと逃げまどい、飢えや寒さでたくさんの人が亡くなりました。多くの残留婦人、残留孤児をつくってしまった歴史の事実を政府は戦後も隠し続けました。
監督は「なぜ今、満蒙開拓団なのか。戦争の実体験をもつ監督はゼロ戦を格好良く描いた戦争映画を見て、劇場内でオイオイ泣いている若者たちを見て愕然とする。政府の武器輸出三原則の撤廃や憲法解釈による集団的自衛権容認もさることながら、若い人たちの戦争への憧れに危機感をもっている」と話されました。監督は続けて「戦争が格好いいはずは無い。戦争を知っている人も知らない人も、戦争とは悲惨なものであることを分かってほしい。平和な日本であり続けて欲しいから若者にこの映画を観てほしい」と訴え、「私は残留孤児をなかったことにする政府、官僚の感性のなさに怒りを感じる。大嫌いだ」と語気を強められるのを聞いて、多くの参加者が頷きました。つどいの後は日中友好協会の主催で懇親会も開かれ、自己紹介や映画への関わり、監督の失敗談や苦労話も入り混じって、上映会成功に向けた期待が膨らみ、心温まる時間が過ぎました。
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とき:2014年10月5日(日)12時30分~16時10分
ところ:三木記念ホール
10月5日(日)、岡山県9条の会は結成10周年記念のつどいを三木記念ホールで開き、550人が参加しました。つどいでは岡山合唱団や国鉄合唱団じれんがオープニングを飾り講演が始まりました。小澤隆一さん(東京慈恵医科大学教授)と伊藤千尋さん(元朝日新聞海外支局長)は、「国連の集団安全保障では、安倍政権のように自国が攻撃されていないにもかかわらず密接な関係にある国が攻撃された場合に戦闘に参加するなどという、勝手な集団的自衛権と考えはない」「憲法は権力者のルールを決めた最高法規。権力者も誤ることはある。だから憲法遵守義務がある。活憲で戦争も原発再稼働も止めさせよう」と訴えました。つどいの冒頭、真壁忠彦さん(前倉敷考古館館長)が開会のあいさつ。石井淳平9条の会事務局長が結成10年を振り返り、安倍政権の暴走を止めるためにさらに運動を強化していくと決意が述べられました。
真壁忠彦さん
石井淳平さん
講演では最初に憲法学者の小澤さんが憲法に関わる視点について説明しました。「戦争を決めるのは大人、戦争に行くのは若者だ。9条の会はこれまでのように集会だけでなくデモ行進も始める。集団的自衛権の行使は戦争の契機になる。閣議決定は戦後69年間できないとしていたことを1日で覆した。しかも、国民に説明するとしながらも議論はしない、話をはぐらかすなど不誠実極まりない。来年の通常国会前に止めることが大事だ。そもそも国連が言っている集団的自衛権の概念と安倍首相のそれは全く違う。しかも国連は個別的自衛権を認めているが日本の憲法ではそれも認めていない。憲法こそ最高法規であり、これに違反する法律は認められない。ここが政府の弱みだ。だから、本来の手続きがとれない」と話し、9条の会が果たしている役割にも言及しました。
小澤隆一さん
伊藤千尋さんは「アメリカは普通の国じゃない。気に入らなければ拳銃で殺される可能性がある。安心して話もできない。積極的平和主義というが、戦争をする事ではない。コスタリカでは国内に平和意識を根付かせようとアリヤス首相が奮闘して周辺国との対話によって戦争を終わらせた。軍事予算をすべて教育に使った。アリヤス首相を日本に呼んだ時、戦争をしないためには他国に対する医療と農業、教育の支援が必要だ。日本はそれを持っている。コスタリカの国民は憲法を自分の言葉でしゃべる。アメリカでも9.11のテロが発生したとき、国民は愛国一色となって大統領に戦争の権限を与えようとした。その時に反対したのがバーバラという下院の議員だ。彼女は多くの批判にさらされたが、議員が憲法を守るのは当然の義務だ、として集会で説明すると多くの共感を呼んで次の選挙では4倍の得票で当選した。2億人を変えたバーバラさんに習って、どんどん前に進もう」と参加者を励ましました。
伊藤千尋さん
10周年記念集会は非常の心温まる内容でした。多くの参加者が2人の話に聞き入り、励まされ、勇気づけられ行動することの大切さを学びました。参加者は2人に惜しみない拍手を送りました。
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とき:2014年10月4日(土)11時~11時40分
ところ:岡山駅西口さんすて前
秘密保護法発動も秒読み段階に入ってきました。安倍首相はアメリカの要請に応じて自衛隊をペルシャ湾に送りたいようです。。アメリカがイランと戦争になった際、ホルムズ海峡が閉鎖されるとヤバいので、それを日本の自衛隊に阻止させるのが狙いとする情報が流れています。国会では常識の情勢とされています。集団的自衛権の行使にとって国民の反対世論は政権には邪魔です。目と口と耳を塞ぐ秘密保護法で国民には一切の情報を提供せず、関係者からの情報のリークを止めたいというのが本音のようです。もともと憲法違反、民主主義否定、戦争への道につながる秘密保護法です。どんなに言いつくろっても戦前の教訓が物語っています。曖昧さを残して権力者のいいように扱い、国民を操る意図が見え見えです。憲法の順守義務99条を守れない権力者に政権を担う資格はありません。
ところがのど元過ぎればなんとやら。通ってしまった法律は何ともしがたいと国民の抵抗はしぼんでいます。いや、運動している人は止めていませんが、その運動に共感する人たちが抵抗をやめています。一人一人を呼び起こし、やっても無駄ではなく、今、平和に生きている自分たちが未来に責任をとるときです。ご一緒に頑張りましょう。声をあげましょう。
署名をしてくれた中学生は「秘密保護法は知らない」と言います。子どもたちの平和な社会を守るのは私たちの責任です。賛成という人が大きな声で、「正当防衛の戦争」と叫んで行きました。政府の言うことを本気で信じている人がいることに驚きです。会話が成立しないのも特徴です。
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とき:2014年10月3日(金)12時15分~
ところ:中国電力岡山支社周辺
定例の金曜イレブンアクションが取り組まれました。心配された雨もなく、27人が参加しました。9月28日に川内原発再稼働反対集会が開かれ7500人が参加しています。御嶽山の噴火によって火山爆発と原発の関係が注目される左近ですが、安倍首相は9月29日から開かれている臨時国会でも再稼働の固執しています。普通の感覚ではよほどのことがない限り再稼働には慎重な姿勢を見せていいのではないでしょうか。
国会の論戦を見ても、質問に答えない、或いは噛み合わなくても「それは当たらない」と言ってはぐらかす異常な政治姿勢です。それでいて義理押しの姿勢は変わらない。分かっているのは憲法を踏みにじっても平気な答弁。世界のどう思われようと従軍慰安婦問題はなかったことにしたいようです。いったい、河野談話を継承する意思があるのかないのか国民には分かりません。
さてさて、原発ゼロの取り組みも9月に実行委員会で取り組んだ「科学者とベコ屋が語るエネルギーといのち」の講演会から早、一週間が過ぎました。390人が参加しましたが、参加された方々は一様に感動の言葉をアンケートに残されました。電力会社5社は太陽光発電などの固定価格買い取りを拒否し始めました。理由は「電源が不安定になることが予想されるから」だそうだ。一方で火力発電所をつくり、小売りも含めて儲けには余念がなさそうですが、妨害を始めたのは新たな戦略があるのではないでしょうか?送電線や自然エネルギー買い取りにに関わる受給システムの透明性なくして、にわかには信じがたい話です。情報公開が求められます。
今日はみんなで「線路はつづくよ どこまでもの替え歌」を歌いながら力強くデモ行進を行いました。
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と き:2014年10月1日(水)7:45~
ところ:ビックカメラ前
概 要
県労会議は定例の朝宣伝を行いました。今回は労働法制の規制緩和について訴え、5人が参加しました。
マイクを握った伊原事務局長は、「いま正規での募集が減り、非正規への置き換えなど非正規労働者が増えている。全労働者の4人に1人は非正規だとされている。また、年収200万円以下の労働者は1100万人に達している。アベノミクスと言われているが、景気がよくなっているとは感じられない。日本経済低迷の原因は働く者の購買力低下にある。4月の消費税増税に物価上昇と国民生活は厳しくなっている。労働者の大幅賃上げと、労働条件の改善のために一緒に声を上げていこう」と訴えました。
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と き:2014年9月20日(土)~21日(日)
ところ:東京都・全労連会館
概 要
全労連青年部は第27回定期大会を開催しました。全国から72人の青年が集まり、討論し議案を深めました。
開会にあたり岡崎加奈子さん(全労連青年部・部長)があいさつを行いました。あいさつの中で岡崎さんは、「昨年の定期大会から1年が経過した。この1年間みなさんの活動・生活はどうだったでしょうか。また、今後1年間どのような活動をしていこうと考えておられるでしょうか。それぞれの地域で自分たちのとりくみを進めていただくこと。これらが集まって全労連青年部の活動になっている。今回の定期大会の議案集には各地域・組織の活動報告がある。そのどれもが青年が活き活きとし、楽しそうな姿がある。しかし、実際には活動に対する悩み、自分たちの生活・働き方についての悩みがある。今回の定期大会を通して、明日からもがんばっていこうという前向きな展望を抱いてもらいたい」と話しました。
来賓として全労連・小田川議長があいさつを行い、「全労連は1989年に発足し、今年で25周年を迎える。全労連は25年間で労働運動だけでなく、原発ゼロ・憲法改悪反対の運動でも確固とした存在感を発揮している。それは、みなさんの単産や職場の先輩、地方労連などが、全ての働く者の人間らしい生活・働き方の実現という要求を掲げて一致点での運動を追求し続けてきた成果だ。いま経済のグローバル化によって大企業が独占力を強め、政治の世界にも企業が幅を利かせている。この状況は日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカ、アジア諸国でも同じだ。問題はその理不尽さとたたかう労働組合があるかどうかということだ。こうした状況から、要求に依拠して活動している全労連に対する期待は国内だけでなく、海外からも高まっている。ぜひ大会での議論を深めてもらいたい」と話しました。
続いて、民青同盟・林さんがあいさつを行い、「いま青年の深刻な働き方がいま社会問題となり、ブラック企業という言葉が誕生した。そして、最近ではブラックバイトが社会問題になりつつある。正社員の非正規への置き換えが進む中で、学生の行うアルバイトにまでしわ寄せがきている。バイトだから辞めればいいではないかと言う人もいるが、学費や生活費を考えれば辞めたくても辞めることができない実態がある。私たちはブラック企業だけでなく、ブラックバイト撲滅のために行動をしていく。共に奮闘しよう」と述べました。
労働者学習協会会長・山田敬男さんは、「いま安倍政権によって、日本が再び戦争する国へと変えられようとしている。また、原発再稼働の強行など国民の思いに反したことばかりが行われている。こうした情勢の中、私たちは10月11日から3日間全国学習交流集会を開催する。皆さんにもぜひ参加してもらい、大いに学んでもらいたい。そして、学んだことを日頃の活動に活かしてもらいたい」と話しました。
その後、執行部から議案が提案されました。まず、五十嵐書記長が情勢報告と総括を述べ、「今の社会は私たち労働者にとって優しいものではない。今年の春闘では一部で賃上げが行われたものの、全ての労働者に実施されたわけではない。また、労働法制を規制緩和、社会保障の切り下げなどが行われようとしている。私たちの暮らしは厳しくなる一方だ。安倍政権は、集団的自衛権の閣議決定を行い、戦争できる国づくりを着々と進めている。こうした情勢の下で、私たち青年もおかしいことはおかしいと言うことが大切だ」としました。
続いて、大井書記次長が2014年度の運動方針を提案し、「7月に開催された全労連第27回定期大会では、日本社会を戦前の状態に引き戻しかねない『戦争する国づくり』『世界で一番企業が活動しやすい国づくり』の2つの暴走政治との対決を前進させること。そして、『かがやけ憲法署名』の推進を提起した。全労連青年部としても全労連の提起を運動の柱とし、未組織も含めたすべての青年労働者を視野に入れ、切実な要求の組織化、『対話と共同』の運動の促進のために先頭に立って青年の声を広げることを呼びかけ、青年の生活改善、安心して働き続けられる職場づくりを進めて行く」と話しました。
その後、全体討論に移り、岡山県からは内田和隆さん(生協労組おかやま)が壇上に上がりました。内田さんは、「県労会議青年部はまずは青年部に結集しているメンバー同士がまずは連帯感を高めることが必要と考え、チーム力を高めることを活動の中心としてきた。何らかの企画を行うにしても、仕事や産別青年部で忙しい役員が結集の意義目的をつかめないでいる。そこで、これまでは構成する青年層に向けたものであったが、そもそも青年部の足腰である役員メンバーの活動への確信や結集力を高めることから始めようとなった。県労会議青年部の役員が活動への確信を深める、元気が出る青年部になることを目標に活動している」と話しました。
全体で25人が討論に参加し、討論は仲間とのつながりを深めること、青年部活動の悩みや組織拡大について中心となりました。討論終了後、満場一致で議案が採択されました。
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と き:2014年9月29日(月)12:15~
ところ:ビックカメラ前
概 要
秘密保護法廃止を求める岡山県実行委員会は街頭宣伝を行い、署名とチラシの配布を行いました。今回の行動には10人が参加し、署名8筆を集めました。
伊原潔さんがマイクを握り、「10月にも特定秘密保護法が閣議決定されようとしている。昨年12月に国民の大反対を押切り、特定秘密保護法が強行採決された。特定秘密保護法は時の政府の恣意的な判断で秘密を指定することができ、その期間は事実上無制限だ。しかも、何が秘密に指定されているかも秘密で、ある日突然逮捕されることになりかねない。そもそも、特定秘密保護法は憲法に照らしてみると、明らかに違憲だ。主権者である国民の権利を踏みにじるだけでなく、法律が憲法よりも上に位置付けられようとしている。安倍首相の狙いは、国民の知る権利を縛るだけでなく、憲法をなし崩しにしていくことだ」と訴えました。
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とき:2014年9月27日(土)13時30分~16時30分
ところ:三木記念ホール
9月27日、三木記念ホールにて「科学者とベコ屋がエネルギーといのちを語る」と題して講演会が開催されました。講師には小出裕章さん(原子核工学者)と吉沢正巳(希望の牧場・ふくしま代表)さんが、それぞれ1時間ずつ話し、休憩を挟んで会場からの質問に応えるコーナーが設けられました。参加者は338人でした。
吉沢さんは3.11の原発事故以来、福島の牧場に残り生き残った牛たちとの暮らしや、自らの葛藤を語り、福島の被害をなかったことにしようとする政府への怒りなどを吐き出すように力を込めて話しました。「牛は当初、300頭以上いたが原発事故でえさも与えられず200頭近くが死んだ。自分は管理者で任されていただけだが、どうしても放っておけなくて、何度も政府と懸け合って牧場に戻った。全国に呼び掛けて牧草ロールを集めた。子牛が生まれたが栄養が足らず、乳も満足に出ない状況で多くが死んでいった。賭殺してしまえ。何の価値もない牛はいらない。こんなことを言う人がいる。殺していい命があるだろうか?牛肉になるはずがそうでなくなったら殺していいのか?口蹄疫で沢山の牛が賭殺された。同じ結果にしたくない。牛たちは病気じゃない。牛に白い斑点が出て来た。放射能による影響を調べるのも科学の責任じゃないのか。自分も葛藤してきた。自分の体内放射線量も一時高かったが、今は活性水素水でかなり減った。しかし、牛にはそれができない。牛に生きる価値があるのかと。希望とは何か?絶望だけだと。何度も自問自答してきた。今は多くの皆さんに支えられて牧場を続けている。政府と東電になかったことにされてたまるか。殺すということはそういうことだ。応援してほしい。牧場を続けさせてほしい。希望が必ずある」と訴えました。
小出先生は自分が科学者として原子力の研究をする事に疑問を持って、研究を止め原発廃止の運動に踏み切ったことを話しながら、原子力発電所が燃やしている莫大な放射性物質の量が広島型原爆の1千倍以上になると詳しく分かりやすく説明しました。福島第1原発事故で収集がつかなくなった原発村の責任者が訪ねて来た。今は原子力工学を専攻する学生が集まらず、どの大学も学部を閉めているそうです。その時に小出先生は「これからは原発を廃炉にする研究をすべきだ。絶対に必要な研究だ」というと「それはできない」と帰って行ったそうだ。「こんなに大事故になってまだ反省していない」と悲しそうでした。その上で「国民が正しい情報に基づいて自分で判断できる社会にしないと、その内、人間が住むところはなくなる」と話しました。
この講演実行委員会は3月から組織され、県労会議も準備会から関わりました。原発をなくす上で正しい情報提供が必要です。学習と定例宣伝で学んだことを行動に生かすこと、志を同じくする人達と力を合わせることが大切です。今回の講演は橋本省吾さんの奮闘で実現しました。橋本さんの粘り強い活動には驚かされます。人脈も幅広く、学ぶべきところが多い人です。実行委員会参加を機会に、運動の輪が広がるよう関係者とのつながりを生かすことが共同の力を強化することにつながると考えています。
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とき:2014年9月28日(日)6時30分~
ところ:広島県北民商集合ー緑井地区
9月28日(日)、県労会議は県医労連の仲間と広島土砂災害の支援活動を行いました。前回は8月31日(日)にお伺いしましたので今回は1カ月ぶりの支援活動になります。街は前回とずいぶん様子が変わり、落ち着いた雰囲気になっていました。前回、街のあちこちで見かけたボランティアの姿はもうありません。今回は緑井地区の宇那木神社の裏山にある墓地の復旧作業をお手伝いしました。
墓地は土砂で埋まり、山から流されてきた流木が積み上げられ作業の困難さを予感させました。墓地に着くと管理されている方から説明があり、指定された区域のみ土砂撤去をすること、お骨や骨壷、線香立てなどが出た場合はかなわず管理者に連絡することなどが伝えられました。
作業現場は土砂で埋まり、2mくらい掘らないと墓石は出てきません。すでに作業を始めているグループもあり、土のうがあちこちに積み上げられていました。スコップで土砂をすくおうとすると大小の石や木片や根っこが邪魔になってなかなかはかどりません。それでも1mくらい掘り進むと墓石が見えてきます。全体が出てくるまで2mくらいは掘り下げないといけません。掘り出した土砂を土のうに詰めて運び出すのはリレーで運びます。狭い穴の中では作業も思い通りにいかず、30分作業、10分休憩の繰り返しです。午前と午後に分けて作業しましたが、私たちの墓石はついに全貌を見ることなく終了時間となりました。墓石は倒れ、納骨部分の逆さになっている状態でした。他のグループから骨壷が出てきたと連絡があり、私が壊れた骨壷とお骨を手ですくって、周囲の土ごと番号の書いてある袋に入れさせていただきました。
土のうの積み上げを終えて作業を終了すると、まだ仕事が終わっていないことを痛感しましたが、広島の事務所では当分、この作業を継続するとのことでした。
広島では労働組合や民主団体が連絡会を立ち上げ受け入れ体制を組織しています。北民商の事務所を拠点に災害対策連絡会として活動を始めました。現地では市のボランティア組織と並行して活動を開始して、これまでに1700人が支援に入ったそうです。市が受け入れたボランティアは35000人くらいだとのことでした。28日は生協と医労連の仲間50人くらいが集まって作業を行いました。
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