岡山県労働組合会議

はい、岡山県労会議です。086-221-0133

月別 2018年8月

と き:2018年8月17日(金)12:15~

ところ:中国電力岡山支社周辺

概 要

イレブンアクション岡山は293回目となる抗議行動を行い、14人が参加しました。

8月14日、環境省は東京電力福島第1原発事故によって発生した、放射性物質を含む土壌約10キロを省内で紛失したと発表しました。福島県内から送付され、環境省内に保管されていましたが、誤廃棄した可能性が高いと報告。また、汚染濃度は低く、健康への影響は考えにくいと表明しています。健康への影響がないとしても、あまりにも杜撰な管理体制であり、行動参加者は愕然としていました。

「再稼働するな」「原発は不要」と行進団は声を張り上げました。

と き:2018年8月15日(水)12時~13時

ところ:岡山駅西口サンステ

8.15終戦記念日宣伝

8月15日(水)12時~、県平和委員会と治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の皆さんと「終戦の日を忘れまい」と宣伝。同時に沖縄辺野古基地建設反対の署名も行いました。9団体20人が参加、署名は27筆でした。

岡山駅西口での宣伝でしたが、終戦日を忘れたかのような反応に少々戸惑いましたが、それでもチラシを受け取っていただけるように心を込めて声を掛けました。「終戦日ですが、日本が15年間も他国を侵略して敗北し、二度と戦争はいけないと誓った日です。未来のために忘れてはいけない日です」とチラシを配りました。

平和委員会の大西さん、共産党の住寄さん、森脇県議、治安維持法犠牲者同盟の中島さん、そして県労会議を代表して訴えました。話した内容で共通している点は安倍政権の改憲姿勢、核兵器禁止条約に背を向けていること、沖縄の米軍基地を県民の反対を押し切って強行していることなどです。その上で戦争への道は絶対に繰り返してはいけないと話しました。

訴えでは「若い人には考えてほしい。平和で戦争なんか起こりっこないとも思える社会ですが、政治に目を向けて安倍政権のやろうとしていることは明らかに軍隊をつくって、アメリカと一体で戦争をしようとしていることだ。未来のために、戦後に苦労して今の安全で平和な社会を築いた人達に報いなければ、同じ過ちを繰り返すことになる。自分は子や孫を戦争に巻き込みたくない」と若い人がチラシを受け取り考えてほしいと話してみました。

集約で27筆という成果は意外でした。憲法でも夕方ではそんなに集まりません。昼の宣伝ということもありますが参加者の一定人数はやはり必要です。信用の問題ではないでしょうか?

原水爆禁止世界大会が終わったばかりですが、平和運動の更なる発展と沖縄県知事選挙の勝利に向けて私たちが頑張るときです。

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とき:2018年8月10日(金)9時~

ところ:倉敷市真備町箭田

8月10日、災対連として3回目のボランティア活動を倉敷市真備で行いました。今日は2名の活動でした。新倉敷駅でバスを待とうと少し早く行ったつもりでしたが、すでに沢山の方が並んでいました。8日とは大きな違いです。


会社のボランティア休暇を利用して8日から3日間活動している皆さんは全国から集まっていました。会社の名前はきいていませんがいい会社です。ボランティア活動を会社として認めています。バスを待つ間、隣の男性と話していると女性の二人組とも話題が繋がり、倉敷の名物やお酒の話になりました。美観地区を散策した方もいて、ボランティアを理由に倉敷を楽しんでいただいていることに親しみを持ちました。2人組の女性は愛知からきていると話し、ボランティアにはよく来ると聞きました。ボランティアが生きがいというか、ステイタスにしている人がいることにびっくりです。遠いところから旅費を自腹でボランティアに来るんですから観光も当たり前かな?とも思いました。


待ち人来たらずで早速、シャトルバスに乗りました。相席の女性は2度目のボランチアで話が弾みました。知人が被災して個人的に支援されたそうです。知人はすでに避難してアパートで暮らされているそうです。そんな話を聞いていると仲間から電話があり、ボランティアセンターで待ち合わせることになりました。ボランティアセンターはやはり沢山の人が来ていました。かなりの時間待って説明を受け、サテライトセンターへ。そこではマッチングのためにまた、待たされました。待っていると高校生が大挙してきました。聞くと相生高校だそうで、夏休みのボランティア活動だと思いますが、わざわざ兵庫からです。結局、作業開始は11時。家を出たのが6時半ですから4時間半後にやっとです。


今日は地元観光のお世話をされている女性からの要望で、幹線道路脇の歩道の泥撤去となりました。その女性のお話だと、「子どもたちの通学道路であり匂いもする。外から来た人が、復興が遅れ汚れた街というイメージを持たれるのは残念」ということでした。でもって、30人がかりで泥をすくい土嚢に詰める作業を14時まで行いました。20分作業10分の休憩を守りつつ、昼休憩は30分で作業を続けました。これまではお家の作業でしたが、今回は炎天下での作業となり、疲労も激しい一日でした。それでも積もった土の山を2つ撤去するのが精一杯でした。地元女性が作業終了の頃だと言って現場を見に来られました。「真備は筍の産地、竹藪は被災していないので春になれば美味しい筍がいっぱいできる。無料で掘れるからぜひ来てほしい」と言ってくれました。


サテライトに帰ると近畿大学の学生さんがバスで帰る所でした。体格のいい学生さんは服装もお揃いで頼もしい。今日のグループは岡山が2人、東京から来た人が3人でした。遠くからわざわざ支援に来てくださった方がいることに驚きました。私は2014年の広島災害でボランティアを経験しただけですが、2日間の真備の活動で「人は捨てたもんじゃない。まだまだ日本の良心は健在だ」との思いを強くしました。「8月中にもう一度来よう」と決意しました。


帰りのシャトルバスでは大坂から来た人と相席になり話しました。花火の話になり、「大阪周辺では1万発の花火見学に行きます。岡山は小規模の花火があちこちであるんですね」と親しげに話され、最初の不愛想なイメージは変わりました。改めて地元の花火大会を思い出しました。「岡山市は今回、花火をやめました。県南では玉野の花火が海から見学出来ていいですよ」と一回きりの見学を思い出し、さもいつも見学しているかのように話を合わせました。いろいろな人に話しかけてボランティアの心を探ろうとした今回の災対連としての今回の活動もそろそろ終わりです。同じようにボランティアをしながら帰りの電車では一言も言葉を交わさず、別れていく人たちは何を思って真備町に集まるのでしょうか?私なりの結論は、結局、繋がりを求めて集まるんだと思いました。。次回は思惑なしで参加したいものです。

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と き:2018年8月10日(金)12:15~

ところ:中国電力岡山支社周辺

概 要

原発ゼロをめざすイレブンアクション実行委員会は、292回目となる抗議行動を行いました。今回の抗議行動には15人が参加し、原発ゼロ、再稼働反対を求めました。

中国電力は10日、建設中の島根原発3号機の新規制基準に基づく安全審査を原子力規制委員会に申請しました。建物や設備はほぼ完成しており、現在は安全対策工事を進めています。審査進捗によっては東日本大震災後初めて、新たに稼働する原発になる可能性があります。

行進団は、「原発推進は危険な政策だ。命と向き合え」とコールしました。

と き:2018年8月9日(木)12時15分~

ところ:岡山駅西口さんすて

8月9日最賃宣伝。3人でした。全国一律最賃制度を求めて宣伝しました。チラシは10枚も撒けません。年配の女性と話ました。看護師さんだったようです。「購買力を上げないと地域の経済はよくならない」と話すと「年金が下げられた、あまりに低い」と仰るので、「最賃の格差が広がり、岡山は807円になるが東京は958円となり、その差は249円だ」と地域格差を説明しました。

「このままでは地域・地方はますます疲弊する」と話すと共感されました。「どうしたらいいのか」と尋ねられるので、「安倍首相を辞めさせないと」と言うと「他にふさわしい人がいないでしょう」と返事。「安倍首相以外の野党はどうですか?」と話すと、今度は「力がない、民進党はダメだった」とどこかで聞いたような話になりました。「野党に力がないのはその通り。権限がないですから」「誰でも、今より悪くならないです。皆がそう言っていつまでも安倍氏を支持すると彼らはどんどん悪くなります。このままでは戦争になります。いま止めないと」と話しました。すると「そうね。災害の時も宴会をしていたとか、いい話を聞かないね」と同意。なんとなく意気投合しましたが、「多くの人はなんとなく安倍氏を支持しているんだろうな」と感じました。

高教組の仲間は教え子と話していました。赤ちゃんを抱えたその女の子は、「先生だと思ったが気がついてくれるか、心配だった」と笑いながら話しました。。「ある、ある」と私も共感しました。彼は「覚えていますよ。特に優秀な子は印象深い」と持ち上げました。それは本当でしょう。先生は意外と生徒さんのことをよく覚えています。いろんな出会いがあります。話すきっけは様々ですが「最賃制度にも関心をもっていただかないと」と思い、最賃のリーフレットを渡しました。

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とき:2018年8月8日(水)9時~

ところ:倉敷市真備町ボランティアセンター・被災者支援

8月8日、県災対連として2回目のボランティア活動。今回は倉敷市真備町で社会福祉協議会のお世話になりました。3人の仲間が来る予定でしたが集合時間に間に合わず、センターで知らない者同士グループを組んで活動しました。

グループの女性は2回目の活動になるとして「なかなか仕事の調整ができず、何度も来ることができない」と残念そうです。別の若い女性は10回以上真備で活動しているそうです。「仕事がまとめて取れたから」と積極的で慣れた感じでした。グループリーダーになった若い男性は「福岡から来た。昨日と2日目。市内のホテルに泊まった」と言うので、「ボランティア経験は?」と聞くと、「熊本地震で支援物資を届けたくらい」と遠慮がちに話されました。サテライトセンターにバスで出向くのですが、知り合いのIさんがセンターの案内係をしていました。「え~?毎日ですか?」「時々」の会話に、私の知らないところで頑張っている仲間の「意外な側面」を見る思いでした。

これまでのボランティアにはなかったWeb事前受付。これは早いです。時代は変わりました。電子化の流れはボランティアというアナログな世界にも定着しています。サテライトセンターでは作業のための道具が整っています。準備をして被災者のお家を訪ねました。

早速、部屋中に溜まった壁土の清掃です。休憩時間にご主人と奥さんに話しかけると気軽に話していただけました。「携帯も頻回に鳴るので、どうしようかと思っていると、主人が逃げようと言うので、家財を二階に上げて逃げた。その後に洪水になった。逃げなかった人は胸まで水に浸かったそうだ」そのお家では2階の壁にくっきりと浸かった跡が残っています。「全壊です。どうやって再建するか?悩んでいます。どれくらい掛かるのか?全然わからない」と話しました。

1回目の休憩が終わると今度は床下の泥水のかき出しです。水が排出されず、手作業で土嚢に詰めて出すのですが、土嚢袋が足りないくらいです。手袋は勿論、マスクもゴーグルも服も泥だらけになりました。こんなにマスクが汚れた経験は初めてです。さすがに泥出しはキツイ。いきなりご主人がお風呂の天井を剥がし始めました。「浸水した家の片付けに入る時、天井はすべて剥がしたつもりだったけど、お風呂までは気が付かなかった」と奥さん。はがされた天井からは水を含んでパンパンに膨れた断熱材がむき出しになりました。「こうした作業にどれだけの意味があるのか?全壊の家を建て直すとなると基礎からやり直さなくては?」などと考えていると、奥さんが「費用が心配。少しでも使える部分があるのなら生かしたい。お隣は建て替えを決意された」と話されました。心を見透かされたようで戸惑いました。被災者の思いは複雑で深刻です。何も言えるはずもなく、作業を続けるのみです。

家の中から見ると、道路に面したブロック壁が手前に凹んだ感じでしたので、「こんな建て方もあるのかな?」と思って外から見ると、完全に内側に凹んで、ブロックもひび割れていました。決壊した堤防が真向かいに見えます。水の破壊力に圧倒される思いです。お隣のブロック塀も完全になぎ倒されている感じです。

活動は9時30分から1時30分で終了。道具の泥を洗ってセンターに向かいました。出迎えた要員の皆さんが「お疲れ様」と声を掛け、かき氷に冷たい飲み物、手の消毒にウガイ、冷たいおしぼりを受け取りパンまでいただきました。

ボランティア活動は着実に進化しています。「至れる尽くせり」と言う感じです。「ここまでしていただかなくとも」という気持ちと同時に、洗練された活動スタイルに「ボランティアだけなら災対連はいらないのではないか?」という気持ちにもなりました。それだけに、困っている人たちに支援だけではなく、権利や要求運動、不安と希望にどれだけ寄り添えるのかを考えました。ボランティアセンターが何時までもあるわけではありません。この地域で生活を再建する人たちに災対連は何ができるのか?住民運動として要求実現のをお手伝いできる思考力と行動が求められると思いました。

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と き:2018年8月4日~6日

ところ:広島県・広島アリーナと市内会場

2018年原水爆禁止世界大会が8月4日から3日間開かれ、初日は5000人が参加、5日は17の分科会に分かれて討論が行われました。

平和記念式典と重なる6日は閉会総会となり6000人が核兵器禁止条約を批准できる政府の実現に向けて、粘り強い運動を決意し合いました。

西日本豪雨災害で広島県は甚大な被害を受けました。死者74名、家屋の被害は17000棟以上という1県の被害としては最大規模です。まさに、被災者の冥福を祈り、避難者のお見舞いを口にしながらの大会でした。

大会は核兵器禁止条約採択1年という中で60ゕ国が署名、14か国が批准するという世界の動きと併せて、被爆国でありながらこの条約に背を向ける日本政府と安倍政権への強い怒りが渦巻く中で開かれました。

マスコミは核兵器批准国が14ゕ国に留まっていると盛んに報道していますが、そうした否定的な言い方をするのが正しい報道の仕方でしょうか?批准国が増えるのはこれからです。最近になって批准国に名乗りを上げてくる国が増えてきました。大切な事ですからしっかりと議論した上での結論だったと思います。それは各国代表のあいさつにも慎重な議論の様子が見えました。各国代表の挨拶は結構、「へえ~、そう考えるか?」と感心する内容がいくつかあり、日本の運動として考えさせられました。例えば、「禁止条約はNPT条約を損なうものではない。禁止条約は倫理的で道徳的。禁止条約はNPTの履行を可能にする」と言ったアイルランドの外務貿易省軍縮不拡散局ジェイミー・ウォルシュ副局長さん。一見、NPTでは核兵器をなくすことはできず、世界は禁止に向かったと考える傾向がありましたが、アイルランドは両方が有効だと考えています。ベネズエラのセイコー・イシカワ駐日大使は「非同盟運動は核軍縮と核不拡散に広がりは平和と安全強化に必要不可欠。禁止条約は核兵器の使用と威嚇を防ぐ」と話し、禁止条約の持っている力を正確に説明しました。最初に禁止条約を批准したキューバのクラウディオ・モンソン駐日2等書記官は「批准していない国には働きかけている。核抑止力は核兵器の永久保有を促進する」ときっぱり。こうした国々は核兵器に対する確固とした考え方をもって行動していました。素晴らしい発言でした。キチンと議論がされていることも分かります。その点、日本のマスコミの論調は何が報道したいのかさっぱり分かりません。世界では禁止条約に署名をした国は60ヵ国です。本来、署名をした国々が批准をすれば50ゕ国以上となり禁止条約は発効するのですが、アメリカの圧力で順調には進んでいないことは事実です。

しかし、自国の安全保障を核兵器に頼らないと決断する国は増え続け、禁止条約は必ず発効すると強調したオーストラリアのトーマス・ハノッチさん(欧州統合外務省軍縮軍備管理不拡散局長)、メキシコ駐日大使のカルロス・アルマーダさんは「核開発は世界のリスク」だとして、禁止条約が核軍備・撤廃をすすめる努力のカギとなるとも話しました。

国際会議宣言起草委員会の冨田さんは「核兵兵器廃絶の流れは世界の本流だ」と報告しました。事実、核兵器禁止条約批准の運動は各国の反核運動を励まし、安倍首相のような核兵器にしがみ付く勢力の姿勢を浮き彫りにし、孤立させています。

国連事務総長は中満泉軍縮担当上級代表にメッセージを託し、「世界の指導者は対話と外交の重要性を再認識して、共通の道を歩まなければならない」と対話による解決を平和記念式典で呼びかけました。

こうした世界大会の流れを見るならば、批准国が14ゕ国に止まっていることを、さも条約が歓迎されていないかのように描く日本のマスコミの報道姿勢には疑問があります。

報道の視点が見えません。だから、安倍政権の立場を擁護するような報道になっています。平和式典での安倍首相の言葉は嘘ばかりです。「被爆者認定を急ぐ?被爆国として核保有国とそうでない国との橋渡し役を果たす?核兵器廃絶への努力?禁止条約に一言も触れないのは何故?」このおかしな発言をどうしてマスコミは放置するのでしょうか?

ところで、初めて大会に参加された総がかり行動実行委員会の福山真劫さんは、もう分裂している時代ではない。それでは安倍政権に勝てない。「共闘の時代へ」と訴えられました。頼もしい発言です。この言葉を平和行進60周年にふさわしい励ましの言葉となりました。

今年の県労会議の報告は「核兵器と原発」の分科会で、この一見、理論的に統一されていそうで運動論的には統一されにくいテーマに運動論として、到達点を見出した報告でした。平和の式典後、多くの参拝者が慰霊碑に手を合わせました。

安倍首相に満腔の怒りを込めた被爆者の姿がネットで紹介されていました。沖縄の慰霊祭と同じ構図が見えます。国民の願い、被爆者の願いは国連を動かしました。今度は私たちが政府を動かす時です。

 

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と き:2018年8月2日(木)18:00~

ところ:岡山市勤労者福祉センター

概 要

「種子と食、農を守る岡山県協議会」は種子法廃止によってどのような影響があるのかを考える学習会を開催しました。農業者をはじめ15人が参加しました。講師には舘野豊さん(全国食健連・事務局)を招き、農政を転換し、食・農・地域を守るにために必要なことは何かを学びました。

舘野さんは、「安倍政権の狙いは規制改革推進会議などの意向を前面に押し出し、戦後つくられた家族的農業を破壊し、企業的農業つまり農業の産業化へと変質させることだ。背景には、グローバル大企業による食料支配がある。モンサントなど少数の多国籍企業によって遺伝子組み換え種子が推進され、各地の気候や風土など環境に適した種子の多様性を減少させ、正解中で食料支配を強めている。その集大成がTPP11。食料だけでなく、健康、環境、労働、金融などまでも多国籍企業の利益のために明け渡そうとしている」と農政の状況を語りました。

そして、種子法の廃止について、「政府は、国の管理するしくみが民間の品種開発意欲を阻害しているから廃止するとはっきりと明言している。しかし、種子法があるからと言って民間が全く参入できなかったわけではない。それなのになぜ廃止したのかというと、外国企業の参入を促進するために他ならない」と解説し、「国の責任を放棄し財源支出の根拠をなくすということは、種子生産と安定供給のコストは農家と消費者にしわ寄せがくる。資本力の大きい一部企業に作物を牛耳られることになりかねない」と危機感を促しました。

舘野さんは、「食べ物はわたしたちの命の源。食べ物がなければ人間は生きていくことはできない。この食べ物が一部の大資本に奪われてしまう。そして、地域に生き、暮らしていくことを一層困難にしていくのが、安倍農業改革だ。お互いの力に依拠して闘っていこう」と訴えました。

参加者からは、「なぜここまでされても、JAや農家の大半は自民党支持なのか」「企業による農地買収は何のためか」などの質問が出されました。舘野さんは、「日本の企業は農業で儲かるとは思っていないはずだ。農地を購入しているのは投機が目的ではないだろうか。また、農家の自民党支持者が多いのは事実だが、理由はわからない。それでも、野党共闘の前進が力となり立ち上がる人たちも出てきた」と回答しました。

国連では、2019年~2028年を家族農業の10年にすることを全会一致で決議しました。

国連は、農業の近代化、大規模化による緑の革命を進めれば、飢餓や貧困がなくなり豊かになると政策を位置づけてきました。しかし、農薬や化学肥料の大量投入による環境汚染、化石燃料への依存強化がつよまり、反作用的に穀物価格の高騰、食糧危機が強まってしまいました。

その反省に立脚したのが「家族農業の10年」です。安倍農政改革はこうした世界の流れに反するものであり、日本の国土を破壊するものです。

とき:2018年8月2日(木)18時~

ところ:勤労者福祉センター4階

8月2日、種子法の学習会です。全国食県連から事務局長の舘野豊さんが講師として来てくれました。お話では広島の原水爆禁止世界大会の途中に寄っていただいたとのことです。

毎日が平和運動、災害対策、TPP問題と目まぐるしく変わりますが、これも労働組合ならではの多様性です。舘野さんはとてもやさしく、ゆっくりとお話する方でとても聞きやすく、胸に落ちる内容でした。

舘野さんは昨年5月に食健連の事務局長に就任されたそうで、それでも東京は5年目になるそうです。全国農協労連・岩手の出身であり、「東日本大震災でお世話になった。今度は西日本豪雨災害ではお返しをしたい」と岡山の被災に対して心を寄せました。

グローバル企業は食料ビジネスで「どう儲けようか」と考えている。食料を支配して農業の産業化をすすめている。そうすれば人を支配できると考えているようだ。国内でもホンダ、ワタミ、日産化学、住友化学、キリンビールが代表例だ。世界的にはモンサントが遺伝子組み換え種子で、気候や風土に適した種子の多様性を破壊している。

安倍首相は戦後レジームからの脱却を掲げているが、農業の家族経営を多国籍業のために壊そうとしている。家族経営は企業が参入しにくい仕組みであり、規制改革推進会議を利用しながら企業的農業への転換をはかろうとしている。

政府は食料政策からどんどん手を引き、コメの直接支払い交付金と生産調整制度を廃止してしまった。一方で市民には安全な食料が必要ならお金を出せと言わんばかりに、食の安心と安全、安定供給を放棄して自己責任とした。企業に対して主要農作物種子法、卸売市場法、水道法などで国民の命と、安定した食料供給の仕組みを廃止してしまった。農業協同組合に対しても「農家所得が上がらないのは農協組織があるからだ」と言わんばかりの異常な「値段を下げろ、株式会社にしろ」などのバッシングをしている。普通、生産物の値段を、車も同じだが政府が「値を下げろ」などとは言わない。

私たちは種子法の廃止について注意深く考える必要がある。種子法は「コメ・大豆・麦の優良な種子を安定的に生産し、普及するために国の果たすべき役割」を定めている法律であり、都道府県が良質な品種の選定や、原々種および原種、一般種子の生産と安定供給に責任を持たせるための法律だった。これを国は「国の管理をする仕組みが民間の品質開発意欲を阻害している」として法律を廃止した。つまり企業が儲からないと露骨に言っている。それは単に民間企業と言うよりはTPP11をはじめとした自由貿易を主張するグローバル企業のためだった。簡単に言えば外国企業の参入促進のためだ。

それでは私たちの食料や食卓はどうなるのか?安定供給のコストはすべて生産者と消費者に上乗せされる。資本力の大きな企業に種子を握られ、種子の価格が自由に値上がりするという異常な社会を迎えることになる。

卸売市場法の改悪も同じで、本来、市場に持ち込まれる生鮮食料品は「卸業者」を経て「仲卸業者」に販売される仕組みだ。さらに目利きとするブランド力で、食料全体の価格の安定を下支えてきた。ところが「卸業者」が直接スーパーなど商社に販売できるようにした。大量仕入れで、優位な価格で取引される結果、価格も自由となり安定供給という仕組みは崩壊する。そうなれば漁業者も不当な買いたたきで収入源となる。メジャーが市場を独占して食料支配が強まる。商店街は食料品が回らなくなって廃業に追い込まれる。

こうして種子法の廃止や卸売市場法の改悪は、その地域に生き・暮らすことを困難にする仕組みだ。さらにTPP11は国民の未来を奪う重大で危険な協定であり、何故、日本政府は国内農業を大切にしないのか?と疑問に思うだろうが、元は国連が大規模農業をすすめ、日本はアメリカに逆らえない仕組みから脱却できていない。食料を守ろうとする運動は全国に広がり、野党も復活のための共同提案をしている。そうした運動が政府と国民の矛盾をいっそう深めているとしました。

世界は家族農業に戻ろうとしている。国連は2014年を国際家族農業年とした。改めて家族農業が見直されている。

 

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とき:2018年8月1日(水)18時~

ところ:岡山市勤労者福祉センター4階

 

8月1日、県災対連は、広島県災対連から川后和幸さんを招き学習会を開きました。この学習会は岡山県災対連の結成が7月14日でしたが、その後は平和行進などもあって十分な活動ができていませんでした。参加団体の中にはすでにボランティア活動を始めている人もいます。今日も10回以上ボランティア活動をされている人も今日参加されました。

災対連の活動を長期の運動としてとらえ、ボランティア活動だけでなく、被災者とともに災害救助法の支援拡充や市民・県民の命を守る対策を広くとらえて活動しようとするものであり、広島に教訓に学ぼうとするものです。学習会には23人が参加、講演後も8人が発言。質問と熱心な討論が行われました。

冒頭、災害対策で岡山入りしていた大平喜信前衆議院議員が挨拶をされました。大平さんは「心配された台風が去り、豪雨災害から1カ月を迎えた。再び岡山で活動している。被災者の方々は夜も眠れない避難生活をされている。マンパワー総動員で家屋に溜まった泥や被災した家財を出す活動が続いている。河川に設置された土嚢から決壊した河川の傷跡が分かる。連日地方議員と走りながら行政に対策を求めているが、倉敷市の伊藤市長も最初は消極的だった木造仮設住宅に前向きになっていることに要請の成果も見える。暮らし、農業、生業をどう立て直すのか?支援活動は1カ月では終わらず、継続した活動が求められる」と自らの経験を振り返りながら災対連の結成を激励しました。

講演に立った川后さんは、2014年に広島県で土砂災害があった時に災対連を立ち上げボランティア活動をはじめたとして、「見通しをもって始めたわけではないが、災対連があることで住民の要求運動ができる。住民の納得と実態に見合った支援こそ求められる。支援金、仮設の入居条件、全壊半壊で大きく違う支援金、被災者を主人公としてどう運動を広げるかが課題」としました。「広島の災害は土砂災害であり、残酷な被害を残した。川を、道を一本隔てて災害地域とそうでない地域が分かれた。生活の再建はどうやればできるのか?災害救助法で受けられる支援は何か?を知っておく必要がある」として、そのためにも災対連の活動は、「被災者の支援活動と被災者を真ん中に据えた生活再建、復旧・復興に向けた政策・制度要求運動がある」と活動の基本を説明しました。「社会福祉協議会と災対連の活動で決定的に違うのは、社協の場合は支援要請が直接被災者から要請されるが、災対連は自分で仕事を見つけなければいけない。しかし、社協にできるのは個人宅の支援であり、神社・仏閣・お墓・倉庫は対象になっていない。墓の掘り起こしでは大きな役割を発揮した」と災対連ボランティアの特徴を話しました。

「支援の聞き取りで難しいのは被災宅には人がいないことであり、何でも相談室などを開設、医療生協の組合員が被災地域にいたことがボランティア活動につながった。この運動を通じて、多くの組合員や仲間を守ろうと2カ月で3000人が結集した」として活動の難しさや工夫、運動の成果について説明しました。災対連の活動を記録し、広げることも重要であり、科学者会とも連携して作成された記録集や手引きをいただきました。感謝です。

参加者からは「どうやって住民運動にするのか?救助法の支援の格差をどう埋めるのか?センターの運営はどうやったのか?」などの質問が出ました。また、「生業や融資制度の拡充が必要。救助法を実態に応じて変えさせることが大事」などの意見も出ましたが、運動として被災者を前面に押し出した要請ができるのかがポイントだと分かりました。

小田川の氾濫について山陽新聞の記事が紹介され、記事は河川の雑木林が災害の原因になっていることを意図的に隠していないか?」などの意見も出ました。

ボランティア活動をしている方は「災害地域でボランティアの格差がある。どうすればいいのか」などの悩みも出されました。

今後、事務局で具体的な活動を工夫したいと考えます。お盆を過ぎれば倉敷真備町に支援センターを置くことができそうです。

それまではボランティアの組織や支援課題の把握、住民との繋がり、政治や人権、雇用、経済、河川の在り方、ダムの問題などの観点からこの問題を掘り下げる準備をしたいと締めくくりました。

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