10.26労働法制学習会
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と き:2017年10月26日(木)18時30分~
ところ:民主会館2階A・B会議室
10月26日(木)、県労会議と県医労連は共催で労働法制の学習会を開きました。講演は人権や労働争議で粘り強い弁護活動をしている則武透弁護士で、県医労連の組合員をはじめチラシを見て参加した一般の労働者など20人が参加しました。
則武先生は「アベノミクス働き方改革を問う」とテーマを5つに分け、その都度、自身の弁護活動や見解も踏まえて、安倍政権の大企業優先の経済政策、労働規制の存在意義、具体的な時間規制と過労死問題や法令違反事例、解雇規制と働き方改革の欺瞞性などについて具体的に話しました。
先生は、「働き方改革と言いながら7本の改悪案をまとめて臨時国会に提出する準備がされていた。岡大の法学部で教えているが、学生は何のために労働規制があるのか分かっていない。学生の内、3割は政府の考えている規制案が正しいと考え幻想を抱いている。特に、能力に応じて評価され、資本主義社会では勝ち残ったものが優遇される社会を当たり前だと思い込んでいる。自分が年を取り、社会的弱者になるとは想像できず騙されていることに気付いていない。まさしく資本主義の強いものが勝つ社会を象徴している」と話しました。
続けて、「労働者の立場は弱い、だから規制がある。日本は労働時間規制のILO1号条約を1919年以来30年間未批准で、47号条約が1935年に出されたときも批准しなかった。1947年に労働基準法ができ1週48時間(後に40時間)の労働制となった。一方で規制緩和も続けられフレックスタイム制や裁量労働、割増賃金の適応除外などがされてきた。規制緩和で年間の総労働時間が減ったと政府は言うが、非正規の労働者が増えたためで年間2000時間以上の労働を強いられている。そのために過労死が増え、年間で813件もの労災が認定されている」と政府の規制緩和を批判しました。さらに、「安倍政権になって、働き方改革という毒饅頭がつくられた。一つは残業代ゼロ制度、もう一つは裁量労働制の拡大だ」と強調しました。
現在、政府は何を考えているのか?と提起した則武先生は、「労使紛争の金銭解決が議論されているが、本来は裁判に持ち込み労働者が疲弊するのを待つなど、圧倒的な力を背景とした企業側の論理がまかり通っている」と労働者保護の視点が弱い司法の問題を指摘しました。最後に「今、何が求められているのか?」として、「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)であり、労使の対等な関係、ブラック企業の法順守、市民・労働者の労働法教育が求められている」と運動を促しました。
参加者から「1年間の労働契約が中途で切られるのは違法か?」「政府の言い方が正しいと思っている人にどう言えば分かってもらえるのか?」などの質問が出ていました。
司会は県医労連の森本書記長でした。