日付 2013年5月20日
子育て・教育につどい2013「子どもの貧困分科会」
とき:2013年5月19日(日)13時30分~16時30分
ところ:おかやま西川原プラザ別館2階第5会議室
子育て・教育のつどいでは午後から分科会が開かれ、「子どもの貧困を考える」分科会では47名が参加をして、山野良一さん(千葉県明徳短期大学教員)の「日本の子どもの貧困を考える」と題した講演を聞いた後、平松康子さん(公立保育園保育士)が「保育の現場から見られる子どもの貧困」をテーマに保育の現場から報告を行いました。関藤香代子さん(生活と健康を守る会)は「岡山市の生活保護から見た貧困の実態」を話しました。
山野さんは、詳細な貧困の実態を示すデータを示しながら「子どもの貧困率が15.7%となり、子どもの6.4人に一人、人口規模で323万人になっている」と、衝撃な数字を示しながら、「貧困は虐待を生む」と、神奈川県の児童相談所に勤務していた時の経験を紹介しました。「親が近隣から孤立している場合や、夫婦の不仲や育児疲れが虐待を生む」と貧困との関連を説明し、経済的困難、孤立、ひとり親家庭が虐待につながると話しました。
「貧困には相対的貧困と絶対的貧困があるが、絶対的貧困では、例えば同じ貧困でもカンボジアの子どもたちは学校で明るく遊んでいる。相対的貧困では1人だけ貧困状態となり、社会から乖離してしまう。働いても楽にならない日本の貧困層の親たちは、子どもと接する時間も少ない。日本では所得の再分配機能が働かず、諸外国と比べて同じ再配分率でも日本は貧困率が高い。それは再配分が子どもに回ってないことを意味する」と日本の社会保障制度に言及しました。
諸外国では「子どもの比率は人口比で少なくともやがて100%になる。従って、子どもへの保障費は高くなっている。教育費では日本は一番低く、昨年の秋にようやく国際人権規約A規定13条(高等教育の無償化)を批准した。日本の教育費は高くて私立の大学があるのはアメリカ、オーストラリア、日本くらい。ヨーロッパに私立大学はない。日本の大学の授業料は高く、奨学金制度もあるが利息は高く、国が利益を得ており、日弁連が問題視している。日本はすべてが自己責任であり、いつまでも親に依存しなければ生きられない仕組みがある。依存できなければ貧困となる」と日本の社会保障制度の問題点を指摘しながら、「私たちには子供は親の生活力に依存する考え方がないだろうか?なければ我慢が当たり前になっていないか」と問題提起をしました。
子どもの貧困を解決するためには、「子どもの貧困を親の貧困と切り離すこと、貧困の実態を広く知らせること、貧困は社会の問題であり政治的に解決されるべき課題だ」と話しました。
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とき:2013年5月19日(日)10時~16時30分
ところ:おかやま西川プラザ
5月19日(日)子育て・教育のつどい実行委員会は、おかやま西川原プラザで2013年のつどいを開催し、130人が参加して熱心な討論を行いました。難波一夫会長が「歴史を逆行させる動きがある。侵略戦争の時代に戻してはならない。子ども達から今の情勢をどう学ぶかが問われている」とあいさつし、田中博事務局長が基調報告を行いました。
難波一夫会長
田中事務局長
午前中は小野田正利さん(大阪大学大学院教授)が「イチャモンを超えて」と題して講演しました。唐草模様の背広姿に軽妙な話しぶり、大きな声。大きなプレート文字で判り易く話のテーマを見せながらの話は、参加者を笑いと納得の世界に引き込みました。
唐草模様の背広が似合う小野田先生
先生は学校現場では「うつ、飲む、買う」の教師が増え、苦情を言ってくる親御さんをモンスター扱いして向き合わなくなっているとして、先生の「イチャモン研究」から問題解決の方向性を示しました。そして、「うつとは鬱病、飲むとはビタミン剤や薬のこと、買うとは学校をやめるために生活の保障として宝くじを買うことだ」と説明しました。
講演のレジメはないが書いたものを読んで欲しいと話す先生
近年の研究から「満足基準と期待水準が急上昇している」として、ここにイラつきや不満が募る原因があると強調し、その具体例として、列車の定刻発着やコンビニのレジ対応を例に話しました。例えば、岡山と熊本にはレジスターが4台もあるコンビニがあり、お客さんを待たせないシステムがあるがこれは過剰防衛であり、そこまでやる必要はない。少しくらい並んでもらうことがあってよい」と話しました。「過剰防衛は相手にモノを言わせない手法であり、モンスター扱いをすると、予防線を張ることになり、問題解決ができないだけでない。相手の誤解を解けないだけでなく、悩みや苦しみからも解消されない」と説明しました。予防線を張る具体例として、宣伝広告に小さく書かれている「イメージです。個人の意見です。感想です」などがあるが、こうゆう世界が教育界にも広がっているとしました。
背中には「ちょっと疲れています」と書いてありました。
次に、イチャモン研究の立場から、「このままでは目の前にチラつくものを叩く活力のない社会となり、社会全体が押しつぶされ、ものが自由に言えなくなるのでは?」と疑問を投げかけました。「寛容性や許容範囲が狭くなっている。子どもには生きづらい社会だ」と話し、少子化を例に取り上げました。「少子化は平均値であり、子どもの居ない家庭を含めると家庭の子ども数が極端に少なくなる。それは子どもに接する機会が少ない人がいることを表していて、子どもの行為に対する寛容性が低い。極端な例だが東京では、ここで子供は遊ぶな、と書いてある公園がある。子どもはどこで遊べばいいのか?大学生にも公道に大学生の通行禁止、と書かれている張り紙がある。つまり、子どもの行動や学生のおしゃべりが我慢できない人がいるということであり、経験不足や人との関係が希薄になっていることを示している。子どもが身近になっていない。教育会では子どもへの非難は親への非難と受け止められ、自己中心ではなく、自子中心主義だ」と説明しました。現代の社会では、「お金を払った以上、見返りを求める現象が広がっている」として、子どもの自立や成長を助けることがおろそかになっていると話しました。大学では、卒業式などで親が大挙して押しかける現象が止まらず、学年別に卒業式をするとか大きな体育館を借りるなどの対応が求められている。子どもの自立や自信をどう付けるか、子どもを伸ばすという発想がない。深刻なのは「子どもと席を同じにしてくれ」という要求さえ出ていると話しました。そうした親に対応するため、「大学はIT産業化して、至れり尽くせり(IT)の世界に変貌している」と話しました。
こうした学校や社会の寛容性が問題となる現象を解決するためには、「おせっかいが自然体でできる社会に変える必要がある」としました。また、「子どものすることにはワケがあり、違った結論がある」として、学校に一方的な要求を突きつける親に対しては子どもの情報(学校現場で頑張っている様子)を知らせることで問題解決につながるケースがあると説明しました。「おせっかい」は一見、無関係な中でもどうゆう行為が求められるかであり、バスや電車で子供連れの親子が居れば、赤ちゃんに「いない、いないばぁー」と話しかける「おせっかいさ」がいいのではないかと勧めました。子供にとって程よいアタッチメントや外界からの刺激が必要であり、成長に欠かせないと話しました。子どもが無関係の他人から褒められる関係があるのかどうかがポイントだとしました。
無関係の同席者に声を掛けることも安心感が生まれる関係として必要だと話しました。小野田先生は新幹線の中でも同席した人に「何処に行きますか?みかん食べますか?」などと「おせっかいな」な声かけをしていると話しました。
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と き:2013年5月18日(土)~19日(日)
ところ:全労連会館
概 要:
全労連青年部主催のユニオンユースアカデミーが東京・全労連会館で開催され、全国から34名の青年が集いました。
現在、9条を中心に改憲日の必要性が叫ばれています。自民党は「天皇元首制」「国防軍保持」などを明記した改憲草案を発表し、維新・みんなの党など同調する政党が多数出ています。こうした情勢を踏まえ今回のユニオンユースアカデミーは「憲法」をテーマに開催されました。
会開催にあたり、中津川恵子さん(大阪労連)があいさつを行い、「大阪・橋下市長の『慰安婦は必要だった』という発言に対して国内外から非難が集中している。この問題は女性蔑視だけでなく、人権そのものを根底から否定する発言だ。私たち一人ひとりには憲法で人権が保障されている。本来なら憲法を守り実行しなければならない人が身勝手な発言を繰り返し、その発言に流されてしまう国民もいる。おかしいことにはおかしいと言えるように、しっかりと憲法を学ぼう」と述べました。
講師には小沢隆一さん(東京慈恵会歯科大学)を招き、「いまこそ、日本国憲法を学び、活かし、守ろう」と題した講演を行ってもらいました。小沢隆一さんは、「憲法は難しいと思いますか」と参加者に問い、大半の青年が難しいと答えていました。小沢隆一さんは、「憲法を難しいと感じるのはみなさんが憲法を学ぼう、活かそうという意欲を持っているからだ。自分には関係ないと思っている人は全く何も感じない」と青年を励ましました。
自民党が憲法を変える第一歩として、96条にある改正手続きの緩和しようとしていることについて、「9条を変えて集団的自衛権を行使できるようにすべきだという憲法学者たちでさえも96条を変えることは許せないと言っている。本来憲法は権力のある人たちを規制するものだ。自民党は治者と被治者の区別ができていない。自民党は国民の意思を反映しやすくするために96条を変えると言っているが筋違いだ。たとえて言えば、賃上げ交渉時に経営者側が『私たちの給料が上がらなければ、社員の給料は上げられない』と言っているのと同じで、そんな理屈は通らない」と厳しく指摘。「私たちがとりくむべきは96条改正反対という圧倒的多数の世論を形成し、国民一人ひとりが憲法について考えるようにすることだ」と話しました。
まとめとして、「改憲に反対するなら私たちは真剣勝負をしないといけない。そのためには学ばないといけない。私たちが学ぶのは使うために学ぶのであって、学んだだけで終わっては意味が無い。憲法を行使しなければ、安倍や橋下のような人たちに押し込められてしまう。みんなで議論し、暮らしの中に憲法を活かしてもらいたい」と訴えました。
講演終了後、4つのグループに分かれて分散会が行われました。9条グループは靖国神社を見学。参加者からは、「境内には日本の侵略戦争を美化するレリーフが埋め込められており、徴兵保険でもうけた保険会社が寄贈した神門など多数あった。特定の偏った考えを持った人も見受けられた」との声がありました。
11~13条グループは、条文を身近に感じるために「私たちが日ごろ幸せを感じること」を出し合いました。「美味しいものを食べる」「旅行に行く」「スポーツをする」「ゆっくり寝る」「本を読む」などたくさんの意見があり、実現するためには何が必要かを討論しました。
25条グループは「25条がなくなると?」「自民党案が採用されるとどうなる?」ということを中心に話し合い、途中「人間裁判」もDVDを視聴しました。「生きているだけでは、文化的な生活をしているとは言えない」との意見に参加者全員が共感しました。「最近は運動が衰退しているように感じる。団結しても無駄だという諦めか」という意見がでるなど活発な議論が行われました。
28条グループは「28条が無かったら」というテーマで討論をしました。討論前の自己紹介でお互いの仕事・職場について話し、「会社経営が厳しく交渉しても賃上げにつながらない」「交渉しても看護師を増やしてもらえない。経営側は現場がわかっていない」など様々な意見がありました。そして、憲法で労働三権が保障されているのにこんな状況なら、この条文が無かったら本当に恐ろしい状態になっているに違いないという思いを共有しました。
2日間を通して、今後の運動をどう進めていくのかのヒントを得ることができたのではないでしょうか。青年同士のつながりも深まりました。憲法に描かれた日本を実現していくのは未来の担い手である青年です。
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と き:2013年5月20日(月)12:00~
ところ:ビックカメラ前
概 要
県労会議は岡山県公務共闘会議と連帯し、夏のような日差しの下で公務員の賃下げに反対する宣伝を行いました。15人が参加しチラシ500枚を配布しました。
マイクを握った田中純子さん(自治労連岡山県本部書記長)は、「経済が回復していると言うが、大企業、大株主、投資家などの一部富裕層だけが恩恵を受けており、私たち国民は賃下げ、消費税増税で生活は厳しくなるばかりだ。公務員の賃金引下げを行えば、内需経済がさらなる打撃を受け、経済回復に逆行することは明白だ」と訴えました。
花田雅行さん(県労会議議長)は、「大企業のため込んでいる内部留保は260兆円を越えている。このわずか5%を使うだけですべての労働者の賃金を1万円引き上げることが可能。賃金を上げてこそ、購買力が向上し、地域経済の活性化にもつながる。大企業は内部留保を還元して社会的責任を果たすべきだ」と話しました。
鷲尾裕さん(岡山市職労委員長)は、「公務員の賃下げを行ったとしても財政赤字の解決にはならない。今必要なのは無駄な公共事業を削減してこそ財政赤字は解決できる。公務員賃金が引き下げられれば、民間労働者にも波及し賃下げのスパイラルをもたらすことになる。また、被災地で復興作業にあたる公務員の生活が脅かされることになる。国民生活を守ることや、被災地の復興・復旧に全力を注ぐことが国・政府の社会的役割だ」と賃下げでは何の解決にもならないことを強調しました。
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