日付 2011年11月14日
と き:2011年11月12日~13日
ところ:山口県上関市
概 要:
祝島の全体像
東日本大震災による原発事故は日本だけでなく世界を震撼させました。ドイツでは国内にある原発17基の全廃を柱とする原子力法改正案を閣議決定されました。また、イタリアでは原発からの撤退が国民投票により決定されました。しかし、日本政府は未だに原発に固執し続けています。岡山県人権連は現在原発の建設を巡り、反対運動が盛んに行われている祝島を視察し、現地の状況を知るための企画を開催しました。今回の企画には7人が参加し、なぜ日本は原発に固執するのかを学びました。
真剣な面持ちで講義をされる田中照久さん
上関町にある漁村・四代からフェリーで祝島まで移動しました。途中、四代で風景を撮影していると、「勝手に写真を撮るな!お前らは勝手なことしか書かない。とっとと帰れ」と地元漁師の方に罵られました。後にわかったことですが、四代は上関原発建設を巡り賛成派と反対派が大きく対立していることから住民はかなり敏感になっているそうです。
祝島到着後、講師に田中照久さんを迎え学習を開始しました。田中照久さんは、「私はこれまで、原発推進派の人たちと意見交換をしました。そこからわかったのは原発を推進するのは単純にお金のためだということです」と力を込めて話し、「原発工事に着工すれば1機ごとに85億円の誘致交付金が国から支払われます。上関町では年間約2億円の税収があり、今年の予算は40億円が計上されました。上関町の税収状況ではありえないことです。これは建設工事に着工する前から交付金が支払われるシステムを政府が作っているためです」とひとたび原発を誘致すると決めると、抜け出せなくする政府の思惑について説明しました。
上関原発建設予定地
原発推進派の人たちの実情について、「上関は小さな町です。地域のリーダーが原発推進派だとその地域に所属している人は嫌でも反対できない風潮があります。また、ある推進派の人は原発がこんなに恐ろしいものだとは思わなかったと本音を聞かせてくれたこともあります」と話しました。「上関は昔から海運業で栄えてきました。現在も75%が自然海岸で自然環境が優れていることから、海外からは生物多様性ホットスポットとして保護することが求められていること。中国電力は島根原発の点検漏れの多さから最低ランクの安全性と言われているに反省の姿勢が全くないこと。何より、原発の技術は未完成で、津波・地震に対する対策が十分でない」と原発をつくってはいけない理由を話しました。
野田首相は福島原発事故がどれだけ深刻な事態を招いているかを知っているはずなのに、原発推進を改めません。普通なら原発がどれほど危険であるかを考え、建設に反対するはずです。原発からの利益を優先する財界・大企業のしわ寄せが、弱い立場の地方に押し付けら、さらに弱い立場の住民が巻き込まれるという資本主義社会の矛盾を肌で感じるひと時でした。
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と き:2011年11月11日(金)19:30~
ところ:県労会議会議室
概 要:
第6回県労会議青年部準備会が11月11日(金)に開催されました。各組合から6人の青年が集まりました。
いま、青年たちは県労会議青年部正規発足に向けて本格的に学習しています。今回は全労連が作成した「組合員教科書」を利用して学習をしました。学習の前の経過報告では、10月23日に開催された全国青年大集会や秋闘についての報告がされました。垣内啓くん(JMIU)は、「全国青年大集会に初めて参加することができてよかった。集会での発言は知らないことだらけで、本当に勉強になりました」と話し、来年の集会にも期待感を膨らませていました。橋本隆司くん(JMIU)は、「秋闘が終わりました。要求通りとはいかないまでも、まずまずの結果を得ることができたのでよかった」と話しました。
岡崎加奈子さん(自治労連)は、「自治労連青年部の総会が開催されました。今年は青年の参加者が多く活気に溢れました。倉敷市職労の方から全国青年大集会についての発言がありました。青年大集会に参加して勉強になった。これから組合運動をがんばりたいという前向きな発言がとてもうれしかった」と話しました。
中務愛子さん(医労連)は、「全国青年大集会には前日の交流企画から参加しました。中国地方全体での連帯感を感じました。集会では被災地からの発言がとても印象的でした」としました。
坪井晶子さん(岡山医療生協労組)は、「全国青年大集会の発言がとても勉強になりました。とくに、日航の人たちの発言が印象的でした。後の人たちのことを考えると行動に出るしかないと思ったという発言に感動。自分たちのしていることは社会をよくする運動なのだと確信して闘っているのだと考えさせられました」と話しました。
経過報告終了後、「組合員教科書」の読み合わせに移りました。今回は第1章「人間らしく生き働くことと労働組合」を題材に選びました。労働組合は初めからあったのではなく、長い歴史のなかで誕生したこと。どんなに弾圧されても、生活と権利を守るためには労働組合とストライキを中心とした団体行動しかないことを学びました。組合員教科書から弓田盛樹くん(県労会議)は、「現代社会は資本主義社会です。人間らしい労働と生活を守るためには、一人ひとりがバラバラでいるのはよくありません。労働組合の役割は労働者同士の競争から、労働者が団結できるように環境をつくることです」と話しました。
参加者からは、「労働組は今では当たり前の風潮だが、権利として確立されるまでの歴史を知って驚いた」「現在の日本と昔のヨーロッパを重ねると現代日本がより深刻に思える」との発言がありました。
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とき:2011年11月12日(土)13時30分~15時30分
ところ:勤労者福祉センター4階第2階会議室
主催:2011日本平和大会岡山県実行委員会
概要:
2011日本平和大会in沖縄岡山県実行委員会は11月12日(土)、日本共産党奈義町町議会議員の森藤政憲さんを招いて、事前学習会を開きました。学習会には13人が参加をし、奈義町の米軍施設(自衛隊駐屯基地)の施設使用の実態や課題についてお聞きしました。
司会の伊原事務局長
森藤さんは日本共産党の議員として、議会では一貫して軍事演習に反対し、住民の安全を守れと主張しています。森藤さんは奈義町と演習場との関係を町長の言葉を借りて、「自衛隊との共存共栄の町」という町民の意識があると話しました。その背景には森藤さんが実施した基地アンケートの中で、日米共同訓練をやむを得ないとする答えが52%、反対は42%だった事を紹介しました。ただ、やむを得ないとする人の中にも、少しずつ考え方に変化が現れ、「なぜ日本原に米軍が来るのかが分からない」とする意見もあるとお話いただきました。奈義町は自衛隊の町を宣伝するために、庁舎のホールに、震災で救援に出かけた自衛隊の写真が掛けられ自衛隊に感謝する言葉が掛けられている、と紹介されました。自衛隊員は福島県直方市の新地町に310人が派遣されており、癌にならないか心配する自衛隊員や家族の声もあるとしました。
議員ならではの議会や住民の意識についても話されました。
11月はじめに「小さくとも輝く町」として奈義町で自治体フォーラムが開催されましたが、奈義町には自衛隊の中部方面隊第13旅団の特科隊が常駐しています。740名の隊員が駐屯し、その内400名~500名が隊員。奈義町の人口は6500人くらいなので、その1割近い住民が自隊員であり、輝く町として紹介するには少々無理があるという顔をされていました。演習場は1900ヘクタールで、甲子園球場が15個、ディズニーランドとディズニーシーが19個入る計算になること。最近は訓練回数が増え年間で300日以上となり、実弾演習は年間130~140回(最近のデータでは178回)になること。また、地域住民の演習場への出入りも厳しくなり、周辺はカギの掛った柵で囲まれていること。最年、演習場に出入りする自衛隊員も増えて123,220人(年間)となり、14万人の時もあるなど、銃火器の種類も増え、確実に日本原での演習強化が図られていると紹介されました。
豊富な資料や写真を使って説明する森藤さん
問題となっている日米共同訓練は2006年2月、2007年11月、2010年2月の3回行われていることや、日本原が自衛隊の施設だと知っている人はいても米軍の施設でもあることを知っている人は少ないと思うと話しました。日本平和大会では岡山にも米軍施設があることをアピールしてほしいと強調されました。共同訓練の狙いは「米軍と自衛隊がそれぞれをよく理解し、ともに闘えるようにする」というもので、アフガニスタンの気候を想定した寒冷地や山岳地帯での訓練が想定されているとして、日米共同作戦上の日本原の位置づけが紹介されました。さて、奈義町が自衛隊との共存共栄とする根拠は、地元にお金が落ちることで町の繁栄をはかることですが、住民の不安な面持ちに変わりはないとしました。演習を拒否できない町として住民の気持ちは複雑であるが、町財政42億円の8~9%が自衛隊関連の財源になり、原発交付金と同じ構図があると話されました。事業交付金の6000万円、固定資産税5000万円は規模として大きなものではなくなってきていること。最近は背後地料といって地元の9地区が持っている土地の迷惑料(総額2800万円)の引き上げ要求が出ていること。このお金は災害時の見舞金としても使われ、地域住民の共有資金として、役立っている面もあると話しました。森藤議員には地元の議員でないと聞けない豊富な知識と活動をもとに、日本原基地の様子を詳しく話していただきました。
日本平和大会の異議や目的を話す中尾実行委員長
最後に、平和大会実行委員長の中尾さんは、今回の沖縄で開かれる平和大会の意義や日米共同訓練の最重要拠点である沖縄の実態をつかみ、今後の運動に活かしてほしいと話し、豊富な資料を提供しながら、手短に状況を報告し参加者を激励しました。
森藤さんの学習会メモはココ2011.11.12日本平和大会事前学習会・森藤講師のメモ
中尾代表の資料はココ2011.11.12中尾さんの資料
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