9月4日(土)、県労会議は第33回定期大会を開催しました。今年の定期大会は緊急事態宣言中での開催となり、オンライン開催となりました。
新年度方針要旨
弓田事務局長は、「変化していく時代の中で、労働条件改善、大幅賃上げ、長時間労働短縮を実現するためには労働組合の活動が広く社会的なものにしていく必要がある。県労会議がこれまで培ってきた伝統と経験を踏まえ、新しい視点を取り入れながらさらなる発展を遂げる1年にしよう」と課題提起し、労働者の団結で国際的な人権感覚に基づいた豊かな社会を実現することをめざす方針が提案されました。
方針は満場一致で採択され、大幅賃上げの実現、最低生計費試算の結果に基づき、8時間働けば誰もがまともに生活できる労働条件の実現をめざして奮闘する決意を固めました。
◇新議長あいさつ
岡山県労働組合会議に結集されているみなさん、先に開催された第33回定期大会において、新しく議長に信任された西崎直人と申します。出身は、生協労組おかやまです。以後、よろしくお願いいたします。
菅首相が退陣を表明しました。憲法を無視した政権運営や度重なる閣僚の不祥事、そしてコロナの無為無策への国民の怒りと運動が菅政権を追い詰めたものです。しかし、国民の暮らしの困難の元凶は菅首相個人ではなく、自公政権そのものです。顔をすげ替えたところでその本質は変わりません。
岡山県の労働者の地位と権利を守り、その運動をけん引する役割を担う県労会議は、迫る総選挙においても、労働者や国民のための政治を実現するために全力を尽くす所存です。
さて、残念ながら県労会議は毎年組織人数を減少させています。自公政権による新自由主義政策によって拡大してきた貧困と格差や、自己責任論が闊歩しまじめに働くものほど報われない社会を変えるためにも組織拡大と強化は喫緊の課題です。弱点も多く抱えた新執行部ですが、皆さんの力を借りながら、労働運動発展のために全力を尽くす決意です。
議長 西崎直人
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と き:2021年8月12日(木)12:15~
ところ:岡山駅西口さんすて前
概 要
8月7日(土)、岡山年金裁判原告団会議が開催されました。岡山年金裁判は一審では敗訴となりましたが、控訴し二審での勝利に向けた決意を参加者は固め合いました。
原告団事務局長の近藤劭氏が今後の取り組みについて報告しました。高裁に向けての闘いは短期間であり集中的な取り組みが求められますが、近藤氏は裁判所の司法としての自覚を迫ることが大切であるとし以下の3点を提起しました。
① 要請署名を地裁以上に取り組み、高裁に対する要請行動を行う
② 私たちの主張を世論化すると同時に最低保障年金制度の第3次提言を広げる
③ 裁判を支える募金活動を強化する
〇弁護団の見解
原告団会議では、弁護団から判決の問題点が解説され、控訴理由書に沿って担当した弁護士5人からそれぞれ詳細な報告が行われました。
古謝弁護士は国民年金制度の憲法上の目的を法律に沿って説明しながら、「判決は基礎年金が減額され深刻な被害にあっている国民年金受給者の権利侵害に対して、司法の役割を事実上放棄している」としました。その上で、判決の誤りは、「マクロ経済スライド制の適用で、所得代替率が3割から約4割削減されることについての判断遺脱」だと断罪しました。この問題について原告は司法から何らかの判断が示されると考えていたが一切示されていないと違法性を指摘しました。
則武弁護士は「マクロ経済スライド規定がILO102号条約に違反したとして、判決には法解釈の誤りがある」とILO条約の趣旨に従って詳細を説明しました。則武氏は「判決では、国がILO条約の厚生年金制度を選択しているので国民年金制度を履行する義務を負わないとしている。しかし、これは日本府の報告書を根拠とするもので、実際には国民年金制度こそがナショナルミニマムであり、対象外にするのはおかしい。ILOが定める従前の所得は退職直前の平均賃金であり、それを加盟国が自由に定義することは、ILO条約が所得代替率を40%に定める意義を失わせることになる」と判決にあるILO解釈の誤りを詳細なILO研究から解説しました。
清水弁護士は女性の低年金問題に関する判決の誤りについて、「高齢女性の生活実態に関する原告の主張を無視している。これは平成24年の改定法制定にあたっても考慮されていない。判決では男女間の年金格差を考慮した是正措置もとられているとしているが、実際の減額処分は一律の減額であり、高齢女性の生活に与える影響をまったく考慮していない。さらに女性の低年金問題は構造的なものであり、是正措置は格差を縮めるには程遠く、違憲性とは言えない」という判決は審理不十分だとしました。
原弁護士は「年金財政の安定化を理由に年金受給者の生活を維持することよりも、巨額の年金積立金の保有を優先する積立金至上主義で逆立ちした判決だ」と批判しました。平成24年の法改正時に120兆円を超える積立金があった。これは年金給付額の3年分になる。欧州の積立金は数か月分で日本よりもはるかに低い。平成12年度から14年の物価スライド特例法は物価下落時に形式的に適用するのをやめて、年金受給者の生活と景気対策を優先した。この趣旨に沿えば、年金財源が不足する事態では年金積立金の一部取り崩しという措置もあって当然。そもそも積立金は余った資金だ。年金受給者に無理強いまでして、物価下落の時に特例措置分を解消する理由はない」と年金財源の安定化に正当性はないと主張しました。
吉村弁護士は地域経済に与える影響について「公的年金の減額は大都市圏と地方圏との間に、経済規模や所得の地域間格差の累積的な拡大をもたらす」と述べ、「これは①立法裁量を逸脱して違法、②地域間格差の拡大をもたらすとは、不利益、被害、損害を特徴づける。③地域に与える影響の立証は、個人に還元した緻密さは要求されず、概括的な影響が明らかになればよい」としました。さらに判決は「減額が地域経済に与える悪影響について検討・判断を全くしていない」として、「裁量権の逸脱・濫用が認められ憲法25条違反」と断じました。さらに憲法14条の平等原則にも違反すると説明しました。
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と き:2021年8月12日(木)12:15~
ところ:岡山駅西口さんすて前
概 要
8月12日(木)、御巣鷹山のジャンボジェット機から墜落事故から36年を迎えました。JAL争議を支援する岡山の会は、空の安全を願う追悼宣伝にとりくみました。
岡山の会代表・伊原潔氏は、「8月12日には毎年慰霊祭が行われ、関係者の間では空の安全が誓われる。ところが、日本航空は11年前の経営破綻以降、利潤第一主義の経営に転換し、安全第一主義が投げ出された。ベテラン職員を解雇しておきながら、経営破綻の責任を誰も取っていない」と日本航空の姿勢を批判しました。
国民世論に押された赤坂社長は、解雇問題を解決すると発言。労働組合との交渉で5人が職場復帰を果たしていますが、会社が誤りを認めたわけではなく本質的な解決には至っていません。
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と き:2021年8月9日(月)14:00~
ところ:おかやま西川原プラザ
概 要
8月9日(月)、ゆきとどいた教育を求める岡山県民の会は、県内署名のスタート集会を行いました。
スタート集会に先立って、岡山県民の会第33回総会が開催され、共同代表の弓田盛樹氏が議案を提案し、「昨年は16,183筆の署名を岡山県議会に提出した。しかし、署名内容がどれだけ県民の要望に合致した物であっても、提出団体が私たちであるという理由で不採択にされた。こうした不誠実な姿勢を改めさせるためにも圧倒的な県民世論を組織しよう」と述べました。
スタート集会では、高教組・執行委員長の村田秀石氏が記念講演を行いました。村田氏は、「小学校での35人学級が実現した。学級編成の基準が改訂されるのは41年ぶりだ。私たちがとりくむ署名は毎年不採択にされているが、情勢は私たちが求める方向に動いている」と前置きし、岡山県と岡山市が提出した政府・文部科学省への要請内容を分析しました。
岡山県と岡山市の要請内容を見ると、教員定数を増やすことや教職員の給与制度のあり方の見直し、専科加配の拡充などを教育署名と同じような求めをしていることがわかります。村田氏は、「確かに県と市の要望には同意できる部分もある。しかし、教育費・給食費の無償化についてはいっさい触れられていないことは大きな問題だ。ICT教育を進める岡山県では、高校生からIC端末を購入しなければならない。貧困家庭やひとり親世帯への配慮が全くない」と怒りを込めて訴えました。
給食費や教材費などを支払うことができない世帯が一定数存在します。教育現場では、事情を考慮しながら集金することが求められ、教員・事務員にとって精神的にも大きな負担になっています。保護者・生徒・教職員の負担を解消するためには完全無償化を実現するのが最も望ましいことです。
最後に村田氏は、「経済的な心配なく学ぶことのできる環境を作ることは、学力向上にも好影響を与える研究データもある。署名を成功させ教育条件を改善しよう」と呼びかけました。
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と き:2021年8月7日(土)
ところ:岡山民主会館
概 要
8月7日(土)、民主県政をつくるみんなの会は、環境文化保健福祉委員会および文教委員会に自民党岡山県議団が提出した「家庭教育応援条例(素案)」の問題点を検証するシンポジウムをWeb併用開催しました。
家庭教育応援条例は一見すると良いことを謳っているように思えますが、実態は自民党が制定を目指す「家庭教育支援法」の地方版であり、応援(支援)の名の下に封建的家父長制の価値観を押し付けるものです。
岡山県弁護士会会長・則武透氏が基調講演を行い、「家庭教育応援条例は、家族の人数や団らんの時間が減り、地域とのつながりが希薄化したことを解決することを目的としており、家父長制、家族主義を理想とする日本会議などが礼賛する教育勅語の精神と同じだ」と指摘しました。則武氏は、「似たような条例が9県・6市で制定されているが、家庭の教育力の低下、地域のつながりの希薄化などステレオタイプの現状認識しかされておらず、地域の実状にから導かれたものと言えず条例化する根拠がない。また、家庭教育の在り方や目的は各家庭によって様々であり、国や地方公共団体が定めるものではない。これは、憲法に照らして問題だ」と述べました。
基調報告後、3名が報告を行いました。日本共産党県議会議員・氏平美穂子氏は、「家庭教育の現状をどうとらえているのかが不明確であり、条例化する根拠に乏しいのになぜ今これなのかという疑問がある。そして、県内市町村に聞き取り調査をしたころ、9市町村から回答があり、賛同を示したのは1市町村のみで、親になることを推奨するのは避けるべきといった意見が多数だった」と話しました。
新婦人岡山県本部・赤坂てる子氏は、「選択的夫婦別姓に反対する意見書を多数の自民党議員の賛成で採択するなど岡山県議会はウルトラ右翼だ。今回の家庭教育応援条例も女性の多様な生き方を否定するものに他ならない。子育てに係る経済的負担の軽減、ワークライフバランスの実現など、子育て環境の充実が最も求められている」と発言しました。
高教組執行委員長・村田秀石氏は、「条例とは、地方議会が地方自治体の執行部に対し命令を下すものだ。住民は主権者であり命令を下す側なのに、親になることを定めるなど主客転倒している。これは自民党の考える改憲草案の先取りであり、個人の尊厳と両性の平等を規定した憲法24条を否定するものだ」と訴えました。
参加者からは、パブコメを出したが、県議会が出した意見概要を見ると、自分が一番言いたかった「家庭の教育力の低下とはどんな事実を指すのか」「立法事実がないなら制定はおかしい」などの意見が抜けているとの指摘がありました。
また、条例の制定を止めるためにはどんなことが必要かとの議論も交わされ、行政が家庭教育に介入することでどんなことが起きるのかを、先行している他県の状況を調べて知らせていくことや、「家庭の教育力の低下」など条例をつくる理由が事実でないことを数字も示して明らかにしていくことなどが出し合われました。
最後に、フェイスブックなどで「いらないよ!岡山県家庭教育応援条例」というキャンペーンを展開しているメンバーから、近日中に始める署名をネット上と紙とで広げることや、自民県議に県民の声を直接伝えることは大きな影響があるので、電話、FAX、手紙などで思いを伝えようなどの提起がありました。
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と き:2021年6月5日(土)~6日(日)
Web開催
6月5日(土)~6日(日)、第29回パート・派遣など非正規ではたらくなかまの全国交流集会in愛知が開催されました。緊急事態宣言下であり、Web開催となりました。第1日目は中京大学教養教育研究院教授・大内裕和氏による記念講演が行われ、第2日目は8つの分科会が開催されました。
第1日目
“労働者としての権利確立をめざして”というテーマで大内氏の記念講演は行われました。まず、「非正規労働者の増加に伴い、法改正が進んでいるにも関わらず非正規差別はなくならない。それは、非正規差別、女性差別はあって当たり前とする日本型雇用と生活保障システムが継続しているからだ。歴史的に日本の労働運動と社会運動はこの点を変えることができなかった」と問題提起しました。
そして解決策として、全国一律最低賃金1500 円の実現に合わせ、業種別・職種別賃金を確立することが示されました。それは、エッセンシャル・ワーカーなど一定の技能・専門性をもつ労働者の賃金が不当に低くされている現状の改善が急務だからです。
また、賃金だけでなく社会保障運動の強化が必要だとし、「非正規労働者の社会保険への加入促進、社会保障(教育・住宅・医療・介護・保育)の脱商品化を推進することを労働組合運動に位置づけることだ」と訴えました。
第2日目
2日目は8つの分科会が行われました。第1分科会「最低生計費調査から全国一律最賃制度の実現へ」では、静岡県立大学短期大学部社会福祉学科・中澤秀一准教授が講師を務め、全国どこで生活しても時間給1500円が必要なことを、グループワークを交えて学びました。
グループワークでは3人家族・18万円でひと月の生活をシミュレーションしました。参加者は、現行の最低賃金ではとても生活できないと意見を交わしました。中澤氏は、「最低賃金は全国一律で1500円にまで引き上げていかないといけない。しかし、時間給で訴えるよりも、月給・年収で考えないと貧困解決にはつながらない」と述べました。
また、SDGsに当てはめ、「低すぎる賃金が長時間労働・貧困・環境問題・人口減少など様々な問題の根源になっているといえる。しかし、全てを賃金で賄うのは不可能であり自己責任論に陥ってしまう。社会保障制度の改善と合わせて十分な賃金を求めないといけないのだ。そのためにも今の労働運動を大転換しないといけない」と訴えました。
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と き:2021年6月12日(土)13:30~
ところ:Zoom開催
6月12日(土)、第50回岡山県自治体問題研究所総会がWeb開催されました。総会には約20人が参加。総会終了後、岡山大学名誉教授の小松泰信氏による記念講演が行われました。
総会内容
岡山県自治体問題研究所の事務局長・花田雅行氏が議案の提案を行いました。1年の振り返りとして、「新型コロナウイルス感染拡大を受け、各団体で戦略的なPCR検査をすることなどの要請が県などに行われた。感染拡大をさせないように各種集会などの中止、延期、規模の縮小が余儀なくされ、一方でWebでの会議や集会が広がった。こうした中でも岡山県自治体問題研究所は、『2018年7月岡山県西日本豪雨災害の記録と考察』の発刊、市民公開講座のzoomを活用したweb開催、『住民と自治付録岡山版』の発行、市民公開講座の開催、真備町や総社下原の被災者訪問による調査と研究・学習を重ねてきた」と総括しました。
これからの活動方針について、「発行した『豪雨災害の記録と考察』に基づき課題をまとめ政策策定を進めていく。そして、岡山県内の市民運動や自治体の課題等を中心にその取り組みについて学び考える市民公開講座を今年度も開催していく」と述べました。すべての議案が満場の拍手で採択されました。
記念講演
総会終了後、「農業から政治を語る」とのテーマで記念講演が行われました。小松氏は、「農業問題が政治の場で争点になることはほとんどない。前安倍政権の下、『農業競争力強化プログラム』が決定された。このプログラムに沿う形で菅農政は進められている」とし、「農業競争力強化は第2次・第3次産業の論理を第1次産業に当てはめたものでしかない。しかし、農業は成長産業にはなれない。なぜなら、生産に必要な土地・労働力・資金は第1次産業に当てられていないためだ。本当に農業を成長産業にするつもりなら、土地・労働力・資金を農業に割り当てないといけない」と政府の農業政策を批判しました。
小松氏は、コロナ後にめざすべき社会は新自由主義からの脱却に尽きると断言しました。そのポイントとして、<SDGs><適疎社会><いのちと人間の尊厳を守ること>を指摘し、「食料主権を考えると、高額での提供はよくない。農業は、生態系保護、文化の伝承、海域環境保護など多面的な機能があることからも、農家への補償を強化し、食料自給率の向上を政治目標に据えていくべきである」と訴えました。
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5月29日(土)、全労連中国ブロック総会がオンライン開催され、各地から50人が参加しました。
議案提案を行った、中国ブロック事務局長の門田氏は、「全教が粘り強く闘ってきた少人数学級の運動は大きな成果を上げ、『#検察庁法改正に抗議します』のツイートは1千万件『#看護師の東京五輪派遣は困ります』は40万件のリツイートがあり社会的な世論を動かしている。声をあげれば変えられることを確信しこれからの闘いに臨んでいこう」と述べ、中国ブロックとしてもSNS活用の強化、コミュニティオーガナイジングに基づく「ユニキャン」のとりくみを進めることを提案。
総会終了後の研修会では、全労連・雇用労働法制局長の伊藤氏を招き、改正高年齢者雇用安定法について学習しました。
現在、高齢者でもフルタイム就労している人は多く、60代後半の男性で58.39%、女性で38.6%が就業しています。日本の高齢者の就業率は諸外国と比較しても非常に高く、社会保障制度が脆弱なため働かなければ生活できない実態があります。
伊藤氏は、「高年齢者雇用安定法は年金の支給開始年齢引き上げとリンクしたもので、手放しで歓迎していいものではない。同じ仕事内容なのに、定年後は賃金が大幅に下がるなど差別が発生している。均等待遇の実現によって格差解消を図ると共に、社会保障の拡充によって生活に安心を取り戻そう」と話しました。
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5月15日(土)、全労連青年部主催のユニオンユースアカデミーが開催され、全国から48人の青年が参加しました。
今回は、組織拡大のための手法を学ぶことをて-真西、コミュニティ・オーガナイジング(CO)の一部を体験できるワークショップが行われました。
開会あいさつを行った、全労連青年部の保科部長は、全労連青年部としてもCOのフルワークショップ開催を検討していることに言及し、「理論的に体系化されたCOの手法を全国の青年と一緒に学んで、行動するその第一歩にして欲しい」と語りました。
COとは何か
講師を務めたのは、コミュニティーオーガナイジングジャパンの安谷屋貴子氏で、COとは何であるのかを基本から話しました。
安谷屋氏は、「COにもいくつかの流れがあるが、私たちが学ぼうとしているのは〈仲間と一緒に変化を生み出していく〉こと。つまり、困っている人を単に被支援者として見るのではなく、課題解決のための主体者としていくことを重視している」と説明しました。
活動の大小に関わらず共通しているのは、一人のリーダーが自分の力ですべてを変えるのではなく、普通の人たちが共通の価値観、目的の元に集い大きな力を発揮していくことが大切な点となります。そのための手法を体系的にまとめたのがCOです。
COを活用する意義について、「今の日本では社会問題に対して声をあげると揶揄されたりと、声をあげることそのものが難しい。そうした現実の中で変化を生み出すには手法を使っていく必要がある」とも述べました。
事例報告
COを活用した事例として、さっぽろ青年ユニオンの更科氏から子育て緊急事態アクションが報告されました。
このキャンペーンの目的は、「小学校休業等対応助成金」の個人申請を実現することにありました。
署名運動をやっても思うような成果が得られない中、COを用いて当事者を組織し、「#子育て緊急事態宣言」のTwitterデモを実施。投稿数1.7万件を超えトレンド入りし、政府に対して、助成金の個人申請を認めさせました。
ワークショップの内容
安谷屋氏は、活動を成功させるためには価値観の共有が大切である言いました。そのためには、相手とお互いの興味・大切にしていることを共有することで関係構築していくことが大切になります。実際に対話の練習をすることで話のすすめ方のポイントを学びました。
現在、日本の労働運動は大きな困難に直面しています。COの活用は、は労働運動を前進させるひとつの方法になるはずです。
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5月15日(土)、子ども・子育て教育のつどいがオンライン併用で開催され、55人が参加しました。講師は、教育研究者であると同時に高知県土佐町議会議員でもある鈴木大裕氏。鈴木氏は、コロナ禍がうつしだした教育の闇と光というテーマで講演しました。
世界では学校・教育の新しいあり方が模索され始め、コロナ禍で新自由主義の限界が問題視され始めています。しかし、日本では市場原理主義による「学力テストによる序列化」「公立学校の再編統廃合」「教員不足」が進み、教育が危機に瀕しています。こうした現実にどう立ち向かっていくのかを学びました。
問うべきは今までの教育
鈴木氏は、「昨年、首相によるトップダウンで全国一斉休校となった。しかし、本来は文科省や地方の教育委員会が決定すべきことだ。それなのに、まともな議論もないまま休校となった。ここに日本の教育行政の弱体化が表れている」と指摘し、「コロナ禍によってこれからの教育・学びのあり方がしきりに議論されるようになった。しかし、問わないといけないのは、今までの教育はどうだったのかということだ」と問題提起しました。
学校・教員の役割
鈴木氏は、現在の子どもたちは英語教育、ICT教教育などで非常に忙しい状態にあるとし、背景に、いい企業に就職することが目的化していることを指摘しました。そして、「テストでいい点を取るだけなら学校よりも塾のカリスマ講師の講義を聞いた方がはるかに効率的であることは間違いない。アメリカでは教育の超合理化・商品化・民営化が進んでいる。しかし、学校・教員の役割はテストでいい点を取ることだけではない」とアメリカの事例を交えて教育の合理化を批判しました。
その上で、子どもたちの声として、みんなと一緒に遊びたい、修学旅行に行きたい、部活したいとの声が多いことを紹介し、「子どもたちは学校は授業の為だけにあるのではないことを分かっている。わたしたちが問わないといけないのは、生徒の学びに喜びはあるのかということだ」と訴えました。
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