岡山県労働組合会議

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日付 2011年12月5日

と き:2011年12月3日~4日

ところ:全労連会館

概 要:

  全労連・2012年国民春闘討論集会に引き続き、青年春闘をどう闘い抜くのかについての討論が全労連青年部でも行われました。全労連青年部は「つづけよう復興支援!なくそう原発!~青年の力で、笑顔で働き安心して暮らせる社会をつくる 2012青年春闘~」をスローガンにして青年として春闘に取り組み、また各地方の青年春闘を支援することを決意しました。

 開会に先駆け「青年層は労働組合をどうみているのか―労働組合の発展へむけて」と題し、労働総研・若者の仕事と暮らし研究会の村上英吾さん(日本大学)、中澤秀一さん(静岡県立大学)、小澤薫さん(新潟県立大学)ら3人の講師による学習講演が行われました。

 村上英吾さんは、「大学生が労働組合に対してどのような認識を持っているのかを明らかにするために、2009年よりアンケート調査を計5回にわたって実施しました。その結果、大学生は労働組合に対して悪いイメージを持っているわけでないことが判明しました。労働組合の認知度が高まれば、イメージのさらなる向上や加入者増につながる可能性があります」と話しました。中澤秀一さんと小澤薫さんは、若手組合員の組織化に向けて、加入前と加入後のイメージに焦点を当て調査を行った結果を報告しました。加入のきっかけについて中澤秀一さんは、「殆ど周りが入っているからかユニオンショップだからという回答だった。また、先輩組合員に粘り強く説得されたケースや少数ですが組合の必要性を強く意識してというケースもあった」と話しました。小澤薫さんは組合のイメージについて、「労働組合に対して、『職場をよくする集団』『色々な人や集団とつながれる』というイメージは就職して労働組合に加入する前と後では前者が58.7%→90.5%に増加し、後者も36.5%→90.5%に増加しています。反対に、『権利ばかり主張している』や『経営者に敵対的』というマイナスなイメージは減少しています」と調査結果を報告しました。「労働組合のイメージは悪くはないが、認知度が低いために加入者が増えないのではないか」という分析が2人からされました。3人の報告で共通していたのは、主体的に労働組合に関わろうとする人が少ないという点でした。

 代表委員会開催に当たり全労連青年部部長・松山友幸さんは、「今回の代表委員会では青年春闘をどう進めて行くのかが課題となっています。非正規労働者の待遇改善を図ることを青年部運動にどう結び付けるのか。賃金は生活給であると認識し、生活実態に基づく賃金闘争を行うこと。これら2点を強調します」と話しました。

続いて、全労連青年部書記長・五十嵐建一さんから2012年青年春闘方針が提案されました。「全労連・国民春闘討論集会ではディーセントワーク宣伝に取り組むことが提案されました。そこで、青年部としても宣伝・署名活動に取り組みます。『休みがほしい人は署名して』『正規職員になりたい人は集まれ』など単純な言葉で署名に協力してもらえるようなチラシをつくることに取り組みます」と話し働きがい、働くよろこびをとりもどし、働くルールの確立を求める取り組みを示し、「春闘期の各地の取り組みをホームページ、ブログ、ニュースなどで情報発信することを目指します。特に、青年部独自に春闘要求をまとめ、交渉している組織を全国に紹介し、サポートする」と青年の成長と組織強化の取り組みを提起しました。

 青年春闘方針提案後、4つのグループに分かれて討論を行いました。討論では春闘に青年としてどう取り組むのか。青年の組織化には何が必要化などを議論しました。特に、最低賃金引上げと社会保障充実を共通課題として取り組むことが大切だとの意見と、春闘での取り組みを組合員に知らせることが大切だとの認識でまとまりました。

2日目は前日に引き続き、全体討論が行われました。

各地での取り組みが報告される中、長野県労連で青年部を担当している八重田景子さんは、「要求はグチから始まると言いますが、夢から始まるのが本当の要求だと思います」と発言しました。群馬医労連の飯田孝さんは、「青年部で原発学習を企画し、上の人たちに協力を要請すると最終的に青年部の思いが反映されない企画になってしまった。本当に青年部を発展させようと思うなら、青年の思いを反映させるべきです」と春闘に青年の思いを取り入れることを強調しました。

討論終了後、五十嵐建一さんは、「皆さんが青年部で学んだことを地域に活かし、単産・単組に活かしてもらいたいです。そして、職場での要求をくみ上げ、仕事や生活の悩みを共有し合うことに努めてもらいたい」と総括答弁を行いました。

最後に国公労連・細川善広さんから、この春闘で、産別・地域を強く結び、すべての働く青年の生活と権利のために青年春闘を闘うことを決意する2010年青年春闘アピールが発表されました。

 私たち青年をとりまく環境は大きく変化しています。春闘に青年が積極的に関わり、青年部の存在感を明らかにすることこそ重要です。青年が積極的に春闘に関わり、目に見え音が聞こえる春闘をつくることが求められています。

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と き:2011年12月2日(金)11:00~

ところ:東京・全日通会館会議室

概 要:

 「ウォール街占拠」運動は、格差・貧困に苦しむ人々の心をとらえ、全世界に広がりを見せています。1%の富裕者による行き過ぎた投機活動への規制強化要求は世界の指導者からも支持されています。日本でも大企業や資産家に富が偏在し、賃金・雇用・社会保障が切り下げられ貧困と格差が拡大する社会となっています。こうした中、全労連・国民春闘共闘委員会から基本的な情勢性認識と闘いの構えが示されました。

 主催者を代表して国民春闘共闘代表幹事・大黒作治さん(全労連議長)は、「日本全体でみれば大企業が横暴を極めています。この1年間で内部留保は240兆円から257兆円に増え、手元資金は60兆円に達しています。大企業の横暴を断ち切って中小企業への還元。また、多少の賃上げ要求では追いつかない増税と社会保障の改悪攻撃があり、賃上げ要求をかかげ、みんなで確認し合う作業を進めることが大切だと思います」と参加者を激励しました。

続いて、国民春闘共闘事務局長・小田川義和さん(全労連事務局長)から2012年国民春闘方針が提案されました。野田内閣は財界主導のもと、TPP参加に向けて関係国との協議に入ることを表明し、税と社会保障の一体改革を進めるなど、財界要望の政策化を一気に進めています。さらに、労働者派遣法改正法案は民自公3党の改悪合意で登録型派遣や製造業は県の禁止が削除される事態が生じています。小田川義和さんはこのような特徴的な情勢を受け、「2008年度で、GDP(国内総生産)に占める輸出の割合は15%で、国内消費58%の4分の1程度しかありません。日本は内需中心の経済であることを強調し、企業の国際競争力強化より内需拡大が急務であることを強く主張し、財界・大企業の攻撃をはねかえす世論を高める闘いにつなげましょう」と話しました。これからのとりくみについて、「①ディーセントワーク署名、社会保障拡充署名にとりくみ、全労連未加盟組織へ賛同と協力要請を行う。②原発依存、エネルギー消費社会に決別を求める取組を全国で展開し、24時間型社会の規制を求めるキャンペーン運動を行う。③被災者を中心とした震災復興を位置づける。被災地域の組織再建、雇用確保、住み続けることのできる地位社会の復興をめざす」と話し「安心社会をめざす大運動」にこれら3つの課題で着手するとしました。また、「地域の中小企業の振興と労働条件改善署名を携え、中小零細企業・事業者・事業者団体への申し入れ行動を各組組織に目標をもってとりくんでもらいたい」ことも話しました。最後に、「職場と地域で『目に見え音が聞こえる春闘』をつくりだし、組織の強化・拡大につなげる春闘とする」と小田川義和さんは強調しました。

 全印総連書記長・大原つくるさん、東京春闘共闘事務局長・高畠素昭さんの2人から特別報告がありました。大原つくるさんは「生活実態を数字でリアルに見せ、共同を広げ、要求実現を阻害するものとたたかう2012春闘」と題し生計費実態調査を行い、過去5年間のデータを用いて必要生計費を算出したことが報告されました。「4人世帯では約455,000円/月、単身世帯では233,000円/月が必要という結果になりました。この結果に基づいて、春闘要求を徹底させることとしました」と話しました。

高畠素昭さんは「春闘とは何か」「労働組の原点は」と考えることが大切だとし、「統一行動といっても実際には10ヶ所程度の行動にしかなっていない。広い東京でも宣伝は非常に小規模に行われている。情勢は労働組合に対して不利になっています。私たちがバラバラに行動していては勝てるわけはありません」と新しい情勢に対して古い対応になっていることを指摘し、旺盛な宣伝活動を行うこと、各団体・自治体・官庁・主要企業への要請を行うことも必要だとしました。

 全体討論では、「労働者の生活の実態を掴んで要求を作り出すことが必要である」「パート労働者処遇改善要求を強化すること」「社会保障の拡充を求める断固とした闘いを現場の要求と一緒につくること」「男女賃金格差の改善を盛り込んでほしい」などの発言が相次ぎました。

 今回の国民春闘討論集会では活発な意見が多数ありました。今回の討論集会の結果を地方での春闘にも反映させ、財界・大企業の攻撃に負けず大胆に要求を掲げましょう。

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