岡山県労働組合会議

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日付 2017年11月25日

とき:2017年11月25日(土)10時~写真展、13時30分~講演会

ところ:勤労者福祉センター5階体育集会室

11月25日(土)イレブンアクション250回記念企画として、「木村紀夫さん講演会福島から考える未来、6年半の捜索活動が問いかけるもの」を開催しました。

チラシを見て参加した方、新聞を見た人など117名にご参加いただきました。文字通り、福島の震災と原発事故から6年8ヵ月が経過しました。若い人の中には「原発事故って何?」って、事故のことさえ知らない人がいる中、今尚、震災で苦しみ、原発事故から逃れ他県に移住されている方も沢山いらっしゃいます。私たちも運動が250回を数えたことや、震災から6年半が経過したことから原点に返って、運動を振り返ろうと、今回の企画を準備してきました。会場ではカンパを60,170円いただきました。ご質問もいっぱい戴きました。

熱心に聞いた下さった皆さんに感謝申し上げます。

尾崎孝史さんの写真展、NHKの番組でしたがクローズアップ現代で紹介されたときのDVD上映、木村さんの講演などを組み込んでご参加いただいた皆さんに、改めて「震災とは何か、何を教訓とすべきか?原発事故が教えてくれたことは何か?」など考えてみました。何よりも、今尚、子どもさん(汐凪ちゃん)の遺骨を探し続けている現実に、津波と原発事故は被害だけではなく、私たちに大切なもの、人間として考えなきゃいけない生き方や、家族との絆を教えてくれた気がしてなりません。

木村さんはまさに、その渦中の人でした。汐凪ちゃんを探し求める家族や人間としての生き方、口惜しさ、「なぜ?とどうして?」が渦巻く後悔の念、木村さんのお話にこそ真実があると思い、今日の講演に至りました。

木村さんは思った通りの人でした。純朴で、娘さんを探し求め、捜索活動さえ遮った東電への怒りは当然でした。ですが、それだけではなかったのです。

木村さんは講演のなかで「電気を使う生活が娘の捜索を困難にした」と考えるようになり、電気を使わない生活を求めて長野県・白馬でペンション暮らしを始めました。ストーブをつくり、巻きを貰い、お風呂をつくり原点に帰るような生活の中から、仲間になってくれた人たちと自分の土地で菜の花を咲かす活動を再開しました。そこで取れた油を使って、それを燃料にした灯りで生活し始めました。汐凪ちゃんが生きたその場所で、土地を耕して生きる生活に新しい可能性を生み出したようです。中間貯蔵施設の候補地になっているその場所で、東電や政府の「やり方」に抗して生きようとする木村さんの姿に共感する参加者の皆さんの息遣いが聞こえてきました。

命を大切にする生き方は白馬での鹿の解体ワークショップなどの企画からも伺えます。鹿の駆除をするために年間3万5千頭が法の縛りもあって、ゴミとして処理されるそうです。命がぞんざいに扱われていいはずはありません。自ら解体して、生きるために食することを考えていく機会になったと話されました。

10月1日に東電と話す機会があったそうです。その時に「企業として人として今の福島の現状や亡くなった人がいること、無くした家族の遺骨さえ探せない無念さをどう思うのか」と問いただしました。その時は興奮して東電の返事を覚えてなかったようですが、後から関係者に聞いたそうです。社長は、電気をつくることは命を守ることだと返事したことを後に知りました。その時の木村さんは「電気を使う側はバカにされている」と思ったそうです。同時に「私たちは必要のない分まで使ってないか」と思ったと話しました。

汐凪ちゃんを失った悲しみは木村さんに多くのことを教えてくれました。一緒の活動する仲間も増えました。震災や東電の事故は確かに悲惨で悲しいですが、それだけでなく、生きる勇気と何が大切なのかを考える機会を与えてくれました。私たちもそのことに共感しました。既成の考えではなく、自分で生き方を模索することも学んだ講演会でした。改めて木村さんと尾崎さんに感謝します。

 

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