岡山県労働組合会議

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10.20県社会保障推進協議会の県内キャラバン

とき:2015年10月20日(火)9時∼

ところ:倉敷市、浅口市、里庄町

岡山県社会保障推進協議会の県内キャラバンに同行しました。今年は倉敷市、浅口市、里庄町を回りました。自治労連の星原書記長をリーダーとして倉敷市では倉敷医労生協労組の福田元委員長、福田事務局次長や田辺市会議員も含めて7人が参加、他の自治体は4人で訪問しました。

県社保協は来年度の予算編成にあたって、社会保障費の伸びは自然増だけでも1兆円を超えるにも関わらず、毎年3000億円~5000円億円が化とされる方向で、「医療崩壊」「介護崩壊」と言われる状況が進行していることを懸念して、県内の自治体の状況を掴みながら国への要請を強めようと今年の県内キャラバンを組んでいます。

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私たちはこれ以上の社会保障の後退は許せない、という立場で自治体の方々と力を合わせたいと運動の強化を決意しているところです。社会保障運動の生みの親とされ、故朝日茂さんの後を継いで運動の先頭に立たれていた朝日健二さんが17日に亡くなられました。今年のキャラバンは社会保障制度の節目になると思われます。

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岡山県内の各市長村では国保財政は何処でも逼迫しています。平成25年度は27自治体の内17自治体が赤字になっています。国保基金の合計額は53億7500万円で前年比3億7千万円の減少となっています。基金が底をついている自治体も倉敷市や井原市、奈義町の3自治体となっています。各自治体は赤字補填のために一般会計から補てんを行っていますが、その総額は38億6600万円であり、これでも保区保の保険料は県全体で1人あたり82,684円/年です。最高は99,660円です。これでは払えない世帯があっても当然であり、滞納世帯は県全体で5300世帯にもなっています(国保世帯の19%)。高すぎる保険料を引き下げるためには、国からの補助金を増やす以外にありません。私たちは自治体へも下げる努力を求めると同時に、国に対して補助金の増額を求めるように要請しています。国は広域化を押し通すために、全国知事会の要請を受け、今年度総額で1700億円、来年度も同額を積み増しして合計3400億円を拠出するとしています。この支援金を活用した各自治体の保険料引き下げを求めて懇談をしています。各自治体の滞納者への差し押さえ、資格証の発行など、ペナルティーとしての対応は社会保障の理念にそぐわない事も毎年訴えています。

今回はそうした背景のもとに県南の3自治体を訪問してみました。

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倉敷市では平成26年、27年に11億円となる過去最高の政策的繰り入れをして保険料を据え置いている。また、保険料の軽減対象世帯は前年度の2.5倍になるなど大幅な増加が見られる、と報告しました。生活保護について、年1回の試算申告義務があることについてその必要性に見解を尋ねてみました。申告は受給者の適切な家計管理を促し、福祉事務所が資産の状況を適切に把握するために必要とされ、法で義務付けられたものです。

しかし、実際には指導員による訪問が定期的に行われ生活指導が行われていますので、必要性を感じているのかを聞くと、申告はなくても実態は掴んでいることが分かりました。申告は税の一般申告とは違い、保護費の貯め込みや所得隠しを暴いて受給費の停止を暗にほのめかす脅しとも取れる制度です。指導員と保護世帯の信頼関係を崩すことになりかねず、人権侵害にも繋がる行きすぎの制度ではないかと考えています。自治体の担当者が私たちに同意する事はないですが、実態は必要のない制度だと確信しました。浅口市や里庄町も財政的には同様で、健康保険や介護保険制度はすでに崩壊しているとの認識を示されました。それでも住民に寄り添った施策が実行されており、その苦労も察することができました。国の社会保障制度解体の政策は国民生活と医療介護制度を自治体の力では支えきれないところまで進んでいることが実感されるキャラバンでした。

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