日付 2015年8月25日
と き:2015年8月25日(火)7:45~
ところ:岡山駅西口さんすて前
概 要
岡山高教組はゆきとどいた教育を求める中国ブロックキャラバンにとりくみ、そうちょう宣伝を行いました。国内の貧困・格差は深刻で、一生涯派遣労働を可能にする労働者派遣法の改悪など、低賃金労働の拡大が懸念されます。高校生や若者の就職難は深刻で、国や地域の未来が危ぶまれます。早朝の宣伝には12人が参加し、チラシ500枚を配布しました。
マイクを握ったのは三上委員長で、「さまざま課題を抱えた子どもたちが増えていく中、一人ひとりにゆきとどいた教育を保障するため、全国の多くの自治体が独自に少人数学級を実施してきた。岡山県は2012年4月からは35人学級が小学校2年生へ実現、また県独自で小学校3年生・4年生へも35人学級が拡大し、条件付きではありますが小学校5年生から中学校3年生まで35人学級が可能となっている。しかし、安倍政権に代わった2013年度以降、国は35人以下学級の前進を見送っている。教職員定数改善計画についても1959年に開始して以来初めて、自然減を上回る教職員定数の純減が2年連続で強行された。2月23日の衆議院予算委員会で、『さらに35人学級の実現に向けて鋭意努力をしていきたい』との安倍首相は答弁し、小・中・高校の35人以下学級の拡充を求める圧倒的多数の父母・教職員・地域住民の強い願いが反映されている。地方から『国の責任で35人学級の実現』を求める声を上げることが重要だ」と訴えました。
続いて、有馬書記長がマイクをとり、「高校では2014年4月の入学生から無償化に所得制限が導入された。OECD諸国の大半は高校無償化を実現しており、所得制限を導入している国はほかにない。また、公私間格差是正のために、私立高校生に対する就学支援金を国は加算したが、約4分の3の自治体が独自の授業料補助を削減し、保護者負担の軽減につながらないなどの状況もうまれている。今春の新規高卒者の就職内定率は改善が報じられているが、その詳細を見ると、介護や建設など特定の職種に求人が偏り、非正規も増えているのが実情だ。依然として厳しい地元就職など、地域社会の担い手となる青年の進路をめぐる環境は、改善というにはほど遠い状況にある。児童・生徒の就修学・進路保障に責任を持つ立場から、ともに知恵を出し合い、児童・生徒・青年と地域の未来のためにゆきとだいた教育を求めている」と述べました。
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と き:2015年8月22日(土)13:30~
ところ:岡山労働福祉事業会館
概 要
岡山県社会保障推進協議会(岡山県社保協)は第22回総会を開催しました。総会に先駆けて、都留民子さん(県立広島大学・教授)による記念講演が行われました。
都留さんは「貧困と社会保障―新自由主義・緊縮財政との闘い」というテーマでお話をされ、社会保障とは何かについて歴史的背景から説明しました。「近代的貧困とは単なる貧しさを指すのではない。生産性が非常に高い、豊かな国での経済的不平等を意味する。そして、近代において支配的なのは勤勉勤労奨励という労働礼賛イデオロギーだ。そこから、貧困は個人の怠慢、道徳的堕落という考えが発生し、生活保護の劣等処遇を容認させている」とし、「本来、社会保障制度は弱者救済ではなく、競争的市場からの保護機能だ。そして、過剰な賃金依存の生活から脱却させる機能がある。貧困克服のためにはり労働の権利を守ることが大切だ。最低賃金・労働時間の短縮は労働組合では要求として取り上げられることが少ないが、とても重要な課題だ。社会的富を平等に分配されるよう市場経済の構造を変えていこう」と激励しました。
また、貧困とファシズムの関係についても言及し、「1918年ドイツはワイマール憲法によって生存権が保障された。しかし、第1次大戦敗北による莫大な賠償に加え、大恐慌による緊縮財政策によって失業と貧困が放置された。そのことがナチスの台頭と独裁を許してしまう」と述べ、一方で、不況時に緊縮財政策をとらなかった国はファシズムに傾かなかったとし、「アメリカは、1929年バブルが崩壊し大恐慌が訪れる。失業率は25%、政府債務はGDP比300%に達する。ルーズベルトのニューディール政策が実行されることで、850万人雇用、食糧補助制度、社会保障法などが整備されていく。フランスでは、大恐慌により極右が台頭してくるが、人民戦線政府が週40時間労働制、週休2日制、2週間有給休暇の法制化、公共事業による公的雇用、失業基金・年金を拡大したことで、賃金は平均12%上昇する。イギリスは、1942年ドイツ軍の侵攻におびえる中、ベバリッジ・レポートが提出され、5つの巨悪に対するナショナルミニマムが実行され、正規雇用を基本とした雇用政策、全国一律最賃制度、社会保障の拡充が行われる。結果、どの国も債務は減少し景気回復を達成する。不況時には緊縮財政策を行うより、積極的に財政を拠出していくことが社会の公正さを守り、景気回復のためにも効果的だ」と力を込めて説明しました。
講演終了後、総会に移りました。川谷事務局長から議案の提案が行われました。討論では5名の方から発言がありました。生健会の大西さんは、「いま私たちは生活保護の引下げに抗議し、生活保護裁判を闘っている。私たちの講義に対して、国は引下げは妥当であるとの一点張りだ。裁判に勝ち、生活保護を充実させるためにはより多くの人に裁判の意義に気付いてもらうことが重要だ。運動を広げるために今後も奮闘していく」と発言しました。
障岡連の吉田さんは、「浅田裁判が3年目に突入した。裁判の中では総合支援法と介護支援の違いを強調している。裁判を通して岡山市に意見を求めているが返答がない。引き続き裁判闘争支援をお願いします」と訴えました。
赤坂さんは、「子どもの医療費が和気町で18歳まで無料化となった。その他、高梁・奈義・美咲・久米南・吉備中央で医療費無償化が進んでいる。総社、瀬戸内では署名運動がとりくまれ、大きな力を発揮している」と報告しました。
年金者組合の近藤さんは、「年金問題は高齢者だけの問題ではない。年金は今後30年間引下げられようとしている。支給開始年齢の引き上げなどこれ以上の改悪は許せない。最低保障年金がなければ安心した老後の生活は不可能だ。一緒に年金制度の充実を求めて奮闘していこう」と会場に訴えました。
討論終了後、議案の採択が行われ満場の拍手で採択されました。県労会議は、労働者一人ひとりの生活を守るためには社会保障の充実は不可欠との観点から、岡山県社保協の運動に連帯してきます。
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