とき:2012年9月1日(土)
ところ:おかやま西川原プラザ(教育会館)
概要:
県労会議第24回定期大会開かれる。
岡山県労会議は9月1日、第24回定期大会を開きました。来賓には全労連をはじめ、共産党岡山県委員会、民主県政をつくるみんなの会、JAL解雇撤回裁判原告団(5名参加)が挨拶に駆けつけ、励ましの言葉や連帯した共同の闘いが語られました。また、提案されたすべての議案が代議員の満場一致で採択をされたのをはじめ、大会では14名が発言して議案を補強するなど、野田政権に対する闘いの強化と10月28日投票で闘われる県知事選挙での奮闘を確認しました。
花田議長挨拶
大会冒頭の挨拶では花田県労会議議長は、「1年間、宣伝戦をはじめ世論を喚起する運動で奮闘してきた。税と社会保障の改悪では民自公が密室でこれを通したが、政治の腐敗が背景にある。財界は経済戦略と称して、消費税の19%などさらなる国民負担と法人税率25%への引き下げを求めるなどやりたい放題。法律を実施させない闘いや国政選挙での労働者の闘いが必要だ」と訴えました。
全労連・渡辺事務局次長
全労連・渡辺事務局次長は、「6月の非正規集会ではのべ880名の参加で大成功した。岡山の皆さんに感謝。全労連の26回大会で安全・安心の社会をつくろうと呼びかけられたが、新自由主義路線のもとで国民生活は悪化している。10月解散、11月選挙が予想される情勢だ。労働者要求を前進させる選挙として闘う」と全労連方針を説明しました。
共産党・石村智子国民運動委員長
共産党・石村智子国民運動委員長は、「労働者派遣法の抜本改正に期待を裏切り、民主党は自民党政治を変えて欲しいという国民の願いを踏みにじった。大飯原発が再稼働されたが島根原発は3号機の稼働も準備されている。社長が原発の建設と再稼働に社運を掛けると表明している。国民の反原発の力を政治変革の力に変えることは可能だ」と話しました。
民主県政をつくるみんなの会・大西幸一さん
民主県政をつくるみんなの会から10月28日投票の県知事選挙に立候補する大西幸一さんは、「民主党政権の暴走を止めて、県民の暮らしを守りたい。税と社会保障の一体改悪は親族助け合いの制度に変質させた。財界のための県政を県民に取り戻そう」と決意を語りました。
JAL解雇撤回裁判原告団・西岡ひとみさん
JAL解雇撤回裁判原告団の西岡ひとみさんは、「7月の街頭宣伝や団体まわりや署名など協力に感謝。7月に控訴した。日本航空は儲けのための犠牲として原告団を解雇した。現に京セラ(稲盛会長)には2010年の年末に解雇されたとき、45億円が儲かる仕組みになっていた。日本航空は安全より儲け優先の経営方針で、7月に510名(CAだけ)が入社したが、どんどん退社している。共産党の穀田議員が国会で、解雇した職員を戻すのが道理ではないかと迫ると、大西社長は、今後の日本航空を背負う人を採用している、と嘯いていた」と支援を訴えました。
討論では
生協労組おかやまの村上代議員は「組織を拡大するうえで労働法の学習が必要。法律無視の経営者に対して、団体交渉の力になるのが労働法であり、法律を武器に反撃することが必要だ。また、拡大目標は具体的にすべきで、組織の増減の実態を正確に掴んで目標を提示すべきではないか」との指摘を受けました。また、年金者組合の近藤代議員は「議案の記述では最低年金となっているが正しくは最低保障年金だ。高齢者の年金は43%(全国)が満額で6万6千円、基礎年金は4万9千円であり、単身世帯の66%が月10万円以下、最低賃金以下の生活を強いられている」と説明しました。自治労連の鷲尾代議員は「知事選挙では、県民要求を実現する闘いとして位置づけ、岡山県政をどう見るのかをしっかりと宣伝する必要がある。自治労連は全国の仲間にも訴えて支援の和を広げて闘う。議案では県政への記述が弱いと考える」と指摘しました。まとめでは伊原事務局長は指摘を積極的に受け止めて、①組織拡大では4月からの組織調査に基づき、具体的な議論ができる委員会を組織すること、②最低年金という記述は最低保障年金に改めること、③今後の教育宣伝活動の中で県政の情報提供に努力する、などの答弁がなされました。
以下、各代議員の発言を記述します。
1.JMIU:大野代議員
若い組合員が増え経験不足が叫ばれている。JMIUはJMIU労組と改名した。次世代を担う活動家を養成するための学習に力を入れる。経験不足から支部の団交が攻勢的に展開できない。回答にこだわる闘、すべての組合員が結集する運動を組織したい。
2.国労:藤原代議員
30年前40万の組合員を組織していた国労の実態からすれば様々な会社の不当労働行為で、組合の減少傾向に歯止めがかからない。7年目の福知山線脱線事故の集会ではJALの方々を招き、解雇撤回闘争を国労として支援をした。JR内では直接雇用が減り非正規の社員が増えている。最近、退職前の職員が組合に入ってくれた。差別と選別でモノも言えない職場に嫌気がさした、話してくれた。何とかして、増勢に転じる闘いを組織したい。
3.生協労組:村上代議員
県労おかやまは岡山市の運動の中核として対市要求を出して、3万筆の署名を岡山市社保協として集め、5年間継続して国保の値上げを止めてきた。産廃問題では事務局団体として奮闘してきた。労働基準法を学ばずに社会に出てきた若者は会社言いなりの労働者になっている。交渉でも労働法に力にした団交が必要であり、県労としても重視する必要がある。また、組織拡大は目標を持って取り組むことが重要。
4.県国公:石倉代議員
国家公務員には労働3権が保障されてない。その代償措置として人事院勧告が出されているが、昨年は一方的に復興財源を捻出するとして7.8%、平均50万円の賃下げとなった。公務員の賃下げは全国600万人に影響するとされ、実際には2兆数億円も消費支出が下がる。2900億円の復興予算の確保とされるが、税収も4000億円下がる。我々は350人が原告となって賃下げ違憲訴訟を闘うと決めた。非正規労働者は15万人であり、時間給900円で年収は200万円以下だ。国が低賃金を許している。均等待遇を求める運動を前進させる必要がある。
5.賃下げ違憲訴訟原告団:萩野代議員
若い国家公務員の賃金は850円まで賃下げが進められている。若い人が暖かい家庭を築くためにも裁判へのご協力をお願いします。
6.県医労連:吉田
国家公務員の動きに連動して、独立行政法人の賃下げが画策されたが幹部職員以外の賃金カットは止めることができた。公務員であるハンセン病療養所の職員は賃下げとなった。
7.医労連:川之上代議員
支援に感謝している。介護員の人は28年間働いて、正社員の賃金は16万5千円だ。施設の不正を告発した結果、2度も降格された。県にも不正を申告したが相手にされなかった。それは理事長が県議会議員だったからだ。降格人事撤回裁判に勝ち、職場に帰ったその日に、障害事件をでっち上げられ懲戒解雇となった。仮処分を闘いに勝利して本裁判に入っている。勝利まで頑張る。
7.自治労連:小柴代議員
高梁市職労で書記長をしていた森宏之さんの公務災害が裁判で認められた。8年前に倒れ、一週間後に亡くなった。奥さんが公務災害として認めて欲しいと災害基金に申し入れたが、一遍の調査で棄却された。これを不服として裁判に訴え闘ってきた。大切なことは、専門職員として文化財の保護や研究活動・執筆活動が公務として認められたことだ。控訴をしないように求める要請書を基金と岡山県支部に出してほしい。
8.県労岡山:米田代議員
消費税増税は社会保障充実するための財源とされていた口実は法案が通った途端、大型の公共事業に消費税を使うと野田内閣は明言した。中身の基本的な考え方は自助・共助・公助という考え方であり、公的責任は影を潜めた。社会保障闘争は第2の賃金闘争とされるが、運動に対する働く者の結集が必要だ。新しい法案では、高い国保料も共済もすべてを一元化しようとしている。この制度は一般会計からの繰入ができないシステム。数倍の保険料となる。払える国保料にするために、全県を視野に入れた運動が必要になっている。県政を動かすために、県知事選挙でも大きな運動にしたい。
9.岡山県高教組:石原代議員
平和の問題について。県原水協の事務局次長をしているが、青年平和サークルPPOの活動について、今年の原水爆禁止世界大会へは40名がバスで参加した。10月7日にニューヨークで国連総会があり、石原が代表参加することになった。総会では岡山で取り組んだ被爆記録の活動を報告するなど平和の思いを届けたい。
10.年金者組合:近藤代議員
年金者組合は組織を増やして大会を迎えた。高齢者3000万人と言われるが、2011年からの6ヵ年計画をもとに現在、106,850人の組織となり、岡山県では823人と倍加した。年金者組合は高齢者の拠り所として飛躍している。県労会議の組合員も60歳になれば年金者組合に入って大きな役割を果たして欲しい。活動では第2の人生を楽しむための文化事業にも取り組んでいる。年金額は非常に低い水準に留まっており、最低保障年金制度の創設のために声をあげていく必要がある。
12.高教組:三上代議員
教育全国署名の時期となった。23年間の積み重ねで、2010年高校授業料無償化、2011年には小学校1年生の35人学級が実現した。岡山では2012年4月から小学校3年、4年生の35人学級が広がっている。教育署名は確実に力になっている。教育を充実するためには給費制の奨学金の充実や必要な人員を増やし、教育費の無償化をすることだ。
13.岩本:岡山県医労連
県労会議の街頭宣伝に結集する。社会保障の改悪、消費税の増税法などを許すわけには行かない。県知事選挙では8年ぶりに知事候補を擁立した。勝利のために奮闘したい。社会保障の改悪、TPP、原発、基地問題などを考えると地域に出て宣伝することの大切さを感じる。
14.自治労連県本部:鷲尾代議員
県民の暮らしと県民サービス、市町村の地方自治を切り捨てる県政、財界の要求を代弁し県民には冷たい県政だ。県職員や教職員の人員削減や非正規への置き換え、賃金7%のカットによるモチベーションの低下は県民や教育サービスに否定的影響を与えている第3次夢づくりプランは県内外の経済界で構成された発展成長戦略であり、TPPや医療ツーリズムの推進、教育への競争を持ち込むもので危険だ。プランの実行は経済界の要求を実現するもの。石井知事は今期で引退を表明しているが、それで県政が自動的に良くなるわけではない。今こそ、自民党をはじめ共産党を除くオール与党が支えた石井県政の継続ではなく県政の民主化が求められている。自治労連県本部は大西候補者擁立発表のあった8月10日に県本部の推進決定を行い、中央本部にも推薦決定を申し入れ全国の仲間にも支援を訴えた。住んでよかったと思える岡山県を一緒につくりたい。