連想分類語 福祉
と き:2015年11月3日(火)~4日(水)
ところ:東京・日比谷野外音楽堂
概 要
2015年4月から新制度が始まりました。しかし、新制度は非常に複雑で、様々な問題が指摘されています。新制度の狙いは保育の市場化です。これでは子どもたちに平等な保育を実施することはおろか、安心して保育園に子どもを委ねることができなくなります。国・自治体の責任で保育の充実を求めて全国から3,500人が集まりました。
オープニングとして、二本松はじめさんによる歌とつながり遊びのコンサートが行われました。全国の保育士さんと子どもたちが元気いっぱいに踊りました。
その後、主催者を代表して高柳京子さん(自治労連・副中央執行委員長)があいさつを行い、「安倍首相は失敗が明らかになった成長戦略と同じことを繰り返している。新三本の矢のひとつが子育て支援とされている。子育てをしやすい社会をつくり、女性が輝く日本をつくると言っているが現実はどうか。全国で2万8千人もの待機児童がおり、保育費が最高で3倍にまで値上がりした人もいる。そして、保育士不足も解消されない中での新制度の導入によって現場は混乱している。公的保育の充実を求めて声を上げていかないといけない」と訴えました。
その後、主催者による基調報告が行われました。報告では安倍政権は保育だけでなく福祉全般を変貌させようとしている点が上げられました。「厚生労働省のプロジェクトチームが提案した『新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン』は老人、障害者、子どもの福祉3分野に生産性の視点を持ち込み、福祉を営利化することを掲げている。これは国民一人ひとりの権利としての福祉を侵害することになる。いま一度福祉の理念に立ち返り、充実したよりよい保育、福祉を求めていこう」と会場に呼びかけました。
基調報告の後、全国の保育労働者・保護者が登壇し訴えを行いました。「保育士が少ない中、現場はもう限界だ。保育士を増やしてもらわなければゆきとどいた保育はできない」「保育士の給料は低すぎるため、引き上げてもらいたい。これではなり手がいない」という発言や、保護者からは、「保育園に預けていた子どもが突然死した。原因の究明はされていない。このような悲劇を繰り返さないためにも、危機管理・救命訓練などを徹底してもらいたい。自治体の責任で質の高い保育を実現してもらいたい」との発言が続きました。
最後に、集会アピールが読み上げられました。新婦人・西川香子さんで、「私たちは今日の集会で学んだ保育をめぐる情勢、全国の仲間たちの奮闘や活動の教訓を胸に、明日すべての国会議員を訪ねて保育の問題を訴え、署名の紹介議員になっていただくことを要請します。そして、保護者と保育者の手つなぎを軸に、全国各地で学習と対話を広げ、幅広い住民の共同と市町村への運動をつくっていくことを決意します」とアピールが発表され、会場の拍手で承認されました。
集会終了後は、有楽緒に向けてパレードが行われました。「保育園を作って」「保育士増やしてよ」「保育料下げろ」「待機児なくせ」とコールが響き渡りました。
翌日、政府・国会議員要請行動が行われました。事前の意思統一集会では藤井伸生さん(京都華頂大学)による学習が行われました。藤井さんは、「保育料値上げ問題は全国で起こっていることだ。自治体ごとに引き上げを求めて運動するよりは、国の制度として問題をとらえた方がいい。そして、改悪されているのは保育だけではない。福祉全般が改悪されている。福祉とは命を守り育てるものだ。戦争法はその対極にある。事実、軍事費の増大で社会保障費は削減されている。最近になって自民党はまずは家族での助け合いが重要であることを説き、自助・共助を強調している」とし、「現在、福祉には応益負担が導入されている。厚労省提案にもあるように、ゆくゆくは負担額の引き上げ、福祉の営利化が狙いだ。保育では新制度の導入で民間企業も保育に参入できるようになる。起業は利益を上げることが目的であるため、利用者のことは二の次にされてしまうだろう」と安倍政権の考える福祉破壊の危険性を述べました。最後に、「福祉の充実を求めると、財源が問題にされる。日本には資金がないわけではない。300兆円を越える内部留保が存在しているではないか。消費税で社会保障費をまかなうというのは真っ赤なウソであったことが明らかになった今こそお金の使い道を問うてこう」とまとめました。
その後、要請行動の注意点などの説明があった後、グループに分かれて議員訪問を行いました。岡山グループは四人で、大平義信衆議院議員、津村啓介衆議院議員、柚木道義衆議院議員、高井崇志衆議院議員を訪問。その内、大平議員と懇談ができました。岡山市の保育園の現状と保育士の労働実態を訴えていきました。
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と き:2011年12月17日(土)19:00~
ところ:広島県ホテルプロヴァンス
概 要:
広島県労連青年部主催のクリスマス・パーティー(クリパ)が開催されました。2回目の開催となる今回のクリパには43人の青年が参加しました。
自己紹介の後、青年は思い思いに交流を楽しみました。今回のクリパに参加した青年の多くは、8月に開催された原水爆禁止世界大会in広島でつながった青年が多くいました。広島県では平和をテーマにした運動が青年の間に広く浸透しているようで、実行委員会を形成し職場・職種、正規・非正規、組合の枠を越えて青年が結集しています。
クリパの翌日は、広島県の青年革新懇と学習協が主体となり医療保障を中心とした社会保障についての学習会が行われました。主催者の佐々木路生さんは、「前回は税制度について学習し、もっと学びたいという声があり今回の学習会を企画しました」と話しました。今回講師として紹介されたのは、山地恭子さん(広島共立病院・医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)で「医療って何?」と題して医療保障制度から医療の在り方までを講義しました。
山地恭子さんは、「社会保障は所得保障(社会保険・金銭給付)、医療保障(社会保険・医療給付)、公衆衛生及び医療(医療施設関係の整備)、社会福祉(児童、母子、老人、障害者福祉)の4つの分野があります」と社会保障制度の守備範囲の説明をしました。
「日本には国民皆保険制度があり制度上、無保険者はいないことになります。この制度は日本が世界に誇れる制度です。また、日本では医療へのフリーアクセスが保障されています。イギリスなどでは地域医という制度があり地域医の診断がなければ自由に病院を選ぶことができません」と説明し、アメリカでは医療保険に全体の68.6%が加入し、公的保険には26.6%が加入していることなどについて話しました。(※アメリカの公的保険制度は社会保障プランであり、高齢者、障害者と低所得者など最下層が対象)現在政府が税と社会保障の一体改革で自己負担率が上昇していることについて、「全労連が発行した春闘白書(P66)によると、国庫負担と企業負担が低く抑えられています。そのため、自己負担が上昇することになります」とし、税と社会保障の一体改革が行われることで医療制度の崩壊を招くことになると話しました。
続いて医療ソーシャルワーカーの仕事に触れ、「私たちの仕事は、患者や家族の方が安心して医療を受けることができるように社会福祉の立場から支援することです。具体的には、治療や療養の妨げになる生活上の不安を解決に向けて共に考えることで援助します」との説明がされました。実際に寄せられた相談を紹介しながら相談者の置かれている現実についても触れられ、相談内容で多かったのは50代男性というケースです。職を失いそのまま無保険状態に陥るというケースが多く見受けられました。また、正確なデータはありませんが、日本では医療ソーシャルワーカーが不足していると言われています。山地恭子さんは1人で40件くらいの件数を担当されているとのこと。
社会福祉を充実させることはディーセントワーク実現のためには不可欠です。しかし、社会福祉においては自治体により差があるため受けられるサービスに格差が生まれています。労働者が働くためには健康でなければいけません。まずは、失業しても充実した保障により人間らしい生活を送ることができるような体制を整えなければなりません。
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