種子法廃止の狙いと暮らしへの影響
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と き:2018年8月2日(木)18:00~
ところ:岡山市勤労者福祉センター
概 要
「種子と食、農を守る岡山県協議会」は種子法廃止によってどのような影響があるのかを考える学習会を開催しました。農業者をはじめ15人が参加しました。講師には舘野豊さん(全国食健連・事務局)を招き、農政を転換し、食・農・地域を守るにために必要なことは何かを学びました。
舘野さんは、「安倍政権の狙いは規制改革推進会議などの意向を前面に押し出し、戦後つくられた家族的農業を破壊し、企業的農業つまり農業の産業化へと変質させることだ。背景には、グローバル大企業による食料支配がある。モンサントなど少数の多国籍企業によって遺伝子組み換え種子が推進され、各地の気候や風土など環境に適した種子の多様性を減少させ、正解中で食料支配を強めている。その集大成がTPP11。食料だけでなく、健康、環境、労働、金融などまでも多国籍企業の利益のために明け渡そうとしている」と農政の状況を語りました。
そして、種子法の廃止について、「政府は、国の管理するしくみが民間の品種開発意欲を阻害しているから廃止するとはっきりと明言している。しかし、種子法があるからと言って民間が全く参入できなかったわけではない。それなのになぜ廃止したのかというと、外国企業の参入を促進するために他ならない」と解説し、「国の責任を放棄し財源支出の根拠をなくすということは、種子生産と安定供給のコストは農家と消費者にしわ寄せがくる。資本力の大きい一部企業に作物を牛耳られることになりかねない」と危機感を促しました。
舘野さんは、「食べ物はわたしたちの命の源。食べ物がなければ人間は生きていくことはできない。この食べ物が一部の大資本に奪われてしまう。そして、地域に生き、暮らしていくことを一層困難にしていくのが、安倍農業改革だ。お互いの力に依拠して闘っていこう」と訴えました。
参加者からは、「なぜここまでされても、JAや農家の大半は自民党支持なのか」「企業による農地買収は何のためか」などの質問が出されました。舘野さんは、「日本の企業は農業で儲かるとは思っていないはずだ。農地を購入しているのは投機が目的ではないだろうか。また、農家の自民党支持者が多いのは事実だが、理由はわからない。それでも、野党共闘の前進が力となり立ち上がる人たちも出てきた」と回答しました。
国連では、2019年~2028年を家族農業の10年にすることを全会一致で決議しました。
国連は、農業の近代化、大規模化による緑の革命を進めれば、飢餓や貧困がなくなり豊かになると政策を位置づけてきました。しかし、農薬や化学肥料の大量投入による環境汚染、化石燃料への依存強化がつよまり、反作用的に穀物価格の高騰、食糧危機が強まってしまいました。
その反省に立脚したのが「家族農業の10年」です。安倍農政改革はこうした世界の流れに反するものであり、日本の国土を破壊するものです。