月別 2017年5月
と き:2017年5月9日(火)18:30~
ところ:岡山市勤労者福祉センター
概 要
5月9日(火)、岡山県労働組合会議/パート・臨時労組連絡会は最賃体験スタート集会を開催し、15人が参加。講師には長久啓太さん(岡山県労働者学習協会)を招き、最賃の基本を学びました。
最賃体験とは、岡山県の最低賃金757円を月収換算した13万3232円で30日間生活してみるというものです。家賃、水道光熱費、食費、交友費などを考えるととても生活できる水準ではありません。最賃では生活できないということを実証するのが目的です。
講師の長久さんは、「最賃体験はするだけでなく、誰かに伝えることが大切。声を発することのできない人はたくさんいる。そういう人たちにこそ伝えていかないといけない」と冒頭で述べ、「赤字か黒字かが問題なのではない。最賃で生活することが及ぼす消費行動や人間関係への影響、心と体にどれだけのストレスを与えるかを知ることだ。節約すれば、最賃でもやっていけるとよく言われるが、人間は劣悪な環境でも慣れる・順応することができる。人間らしさのハードルは気を付けないといとも簡単に下がってしまうものだ。美容院、服、外食、映画、交際、旅行などこれらは贅沢なのだろうか」と人権感覚をさび付かせないことの大切さを話しました。
最低賃金の最低とは、「最低でもこれだけはなければ困る」という意味での最低です。しかし、今の最低賃金は低すぎるために、その本来の目的を果たせていません。私たちは、全国一律で1000円以上に引き上げることを要求しています。一人ひとりの、暮らしに基づいた最賃を設定るすることで、地域経済の活性化を促すこともできます。
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とき:2017年5月7日(日)13時~
ところ:山陽新聞社さん太ホール
5月7日(日)、ゴールデンウィークの最終日でした。岡山弁護士会による2017憲法記念県民集会が開かれた。集会は盛況で、会場のさん太ホールには400人以上が詰めかけ、会場外のロビーに設置されたテレビを見ての参加者も出たほどだった。会場では写真撮影が禁止でしたので、様子をお伝えできません。
講師には木村草太さん(首都大学東京教授・社会科学研究科法学系)、対談に熊谷晋一朗さん(東京大学先端医学技術研究センター准教授)と綾屋紗月さん(東京大学先端医学技術研究センター特任研究員)、パネルディスカッションでは3人に加えて青木志帆さん(明石市福祉局福祉政策室・弁護士)の「明石市障害者配慮条例」の紹介と意見交換でした。
木村さんのお話は「憲法的視点から見たマイノリティー問題」がテーマでした。木村さんは憲法とは何か?と問いかけ、施行70年になる憲法は立憲主義に基づいたものであり、過去の権力者の失敗をリスト化したものだとして、世界の3大失敗に人権弾圧、無謀な戦争、独裁をあげました。そのために憲法は自由、平等、社会保障を定めていると話しました。中でも人権は人間が人間であるために保障されるもので、国家以前にあるもの、あらゆる人に保障されるものだとしました。そこでマイノリティーと憲法を説明するために、アメリカの平等権と差別されない権利について、南北戦争と奴隷解放からくる財産権の侵害論、不合理な人種分離法が正しい目的のための区別になっているのか?差別や意図的な動機がないのかどうかを考える必要があり、差別を助長されている現実から「差別されない権利」の主張が有効だと解説しました。そこで、自由・平等の観点から「差別されない権利」のアプローチが有効だとする判例を紹介しました。非摘出子の法定相続区別(摘出子の2分の1)、日本で少数のイスラム教徒データーベース化=9.11以降の生活の監視化、同姓婚(法律婚できない)、君が代訴訟(斉唱命令違反)などをあげました。
こうした少数者の差別は警察の差別感情を助長している。君が代斉唱問題は「思想信条の自由」だけでは勝てない。業務としては歌わなければ成立しないが、だからと言って歌わなくても差別されないと主張することが大切だとしました。差別と平等という立場から合理的かどうかが問われるとしました。最後に、組体操や沖縄の問題を例にあげ、人権問題として人間の類型(小学生・中学生)に向けられた蔑視感情を生み、沖縄県民は人間の枠から排除された状態にされていると話しました。そのために命の危険を放置していると指摘しました。木村さんは、一人ひとりの人間の状況に、いかに想像力を働かせるかであり、知ってもらう権利が必要だとしました。
対談では、マイノリティーは見えにくいとか、自由度は大きすぎても小さすぎても自由ではなくなるというお話でした、シンポで紹介された明石市の条例は少数者の合理的配慮を行政がどう援助するのか?の提起であり、困っていることを、人を客観的に認識する社会の仕組みが必要だと知らされました。
ところで、マイノリティーとは社会的少数者のことであり、逆に多数者はマジョリティーです。熊谷さんと綾屋さんの対談にはこの言葉がよく出てきました。
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とき:2017年5月3日(水)13時30分~
ところ:岡山市市民文化センター
5月3日(水)、日本国憲法 5.3憲法集会 岡山県民のつどいが開かれました。
構成は例年通り、俳句とお話、合唱、講演、ライブと盛りだくさんです。今年の集会には400人が集い、4年ぶりに松本ヒロさんを迎えて憲法ライブを楽しみました。
俳句とお話では三上史郎さんの俳句が大森恒夫さんの解説で「昭和よりずっと薬罐(ケトル)がなっている」など6句が歌われました。
合唱団は「泥舟」「命の別名」など2曲を合唱しました。
講演は中島茂樹さん(立命館大学名誉教授)が「対米従属的軍事大国化から対米追随的共同覇権型戦争国家へ」、副題を「軍事大国化への途とアベ「改憲戦略」の視点からとして12ページに及ぶレジメと3つの資料をもとに、軍事国家として歩もうとする安倍政権の正体を様々な角度から切り開き、民主的立憲国家形成に向けての展望を語りました。
お話は、「今年の流行語大賞は忖度だろう」と切り出し、会場を沸かせました。忖度する官僚社会とマスメディアをつくりだした背景、憲法改悪へとすすむアベ首相の悲願達成の道程とその危険性、改憲を支える日本会議と安倍政権との関係、北朝鮮の脅威を煽りながら強い国家へと国民を導こうとする政治手法など、自らを「立法府の長」と言って憚らないアベ首相のしたたかで憲法破壊・軍事的ナショナリズムの本質を暴きました。その中で、森友学園問題や加計学園問題など、政権を揺るがしかねない問題が岡山県にも関わって浮上していることを例に挙げ、「籠池氏が時間を置いて出してくる資料が楽しみだ」と皮肉たっぷりのジョークに会場は再び笑いに包まれました。
忖度する社会について中島氏は権威的集権システムの形成を挙げ、詳しく述べました。それは第2次安倍政権かでの「官邸主導」の強化・拡大・進化だとして、内閣官房は安全保障政策に関して外務・防衛の両省から方針を策定する国家安全保障会議と各省の幹部人事に介入する内閣人事局を設置したことで人事権を握った政権が官僚を支配しているとしました。また、NHKへの人事介入、日銀の独立性の否定、内閣法制局の専門性の破壊、最高裁への人事介入、メディアコントロールなどで治安立法群(破壊防止、組織犯罪、通信傍受、国民監視法など)で国民運動や民主主義を抑圧していると話しました。
また、安倍政権は日本会議との関係について、これまでその親密性が話題になっていたが、安倍首相は取り巻きの記者を呼んで「日本会議には困ったものだ、どこかでハレーションを起こす」と話していることを紹介して、切り捨てるのではないか?とする安倍首相の狡猾さを紹介しました。
最後に、中島さんは民主的立憲国家の再構築として、改憲阻止勢力の主体をどうやって形成するかについて言及しました。野党共闘は一定の成果を生んだが、民進党は分裂・崩壊の可能性が高い。今度の衆議員選挙では大坂でほぼ全議席を失い、東京都議会議員選挙でも崩壊状態だ。だからと言って共産党の支持率は3~5%で野党共闘では勝てない。そこで、改革派市民による新しい市民運動を中核として、統一協定の下に候補者を擁立することだと話しました。
松本ヒロさんのライブは主催者の意向にそって紹介しません。
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とき:2017年5月1日(月)10時~
ところ:旭川河川敷相生橋東詰三光荘前
5月1日(月)、第88回岡山県中央メーデーが開かれ、花と緑あふれる5月の街並みにデモ隊のコールが響き渡りました。
職場からの参加が年々厳しくなっているメーデーですが、今年は37団体400人が参加しました。澤田県労おかやま議長が開会宣言を行い、三上実行委員長が開会のあいさつを行いました。「安倍首相は働きすぎの社会から長時間労働を解消すると言っていたが、出された法案は過労死ラインの80時間労働を容認するものだった。先日も教職員は過労死ラインで働いていると報道された。山陽新聞でも岡山県の労働者は働き過ぎとしている。長時間労働の規制と大幅賃上げこそが経済と長時間労働解消の道だ。森友学園問題は教育勅語を教えている。おかしい教育がまかり通っている。共謀罪は内心の自由を侵害する法案だ。絶対に許せない」と挨拶しました。
来賓の垣内京美さんは「アベ暴走政治に未来はない。暮らしや命まで危険にさらされている。北朝鮮のミサイル問題で日本の対応はアメリカに同調して軍事的解決に手を貸そうとしている。北朝鮮に核開発をさせてはならない。共謀罪はキノコ狩りをすれば犯罪と捜査機関に判断される。働き方改革は過労死を認める法案は許されない。3月に国連で核兵器廃絶の議論がされたが日本も参加しなかった。被爆者の失望は大きい。野党共闘でアベ政権を退陣に追い込もう」と訴えました。
岡山市の堤修二治さん(岡山市産業観光局産業政策担当局長)は経済と産業雇用政策を基調とした大森市長のメッセージを代読しました。
おかやまいっぽんの榊原精さんは「私たちは誕生して1年。昨年は安保法制を廃案するために政治団体を立ち上げ、安倍政権を退陣させるために全国で野党共闘をすすめている。三銀選挙では136%の力を発揮した。衆議院選挙でもさらに発展させたい」と活動を紹介しました。
各団体からの訴えでは、県商連、高教組、自治労連、県医労連は工夫を凝らした寸劇やパフォーマンスを披露しました。
倉敷民商の禰屋町子さんは地裁では敗訴となったが、裁判所の判断は公安の言い分を丸呑みして、国民の申告権を認めない判決なった。私はあきらめない。ご支援を」と訴え大きな拍手に包まれました。
集会では「野党共闘を力にして、戦争のない平和な日本にするために一緒に頑張ろう」とするメーデー宣言を採択して、デモ行進に移りました。
今年の成果は昨年に続いて、シュプレヒコールを宣伝カー任せではなく参加者が考え訴えるコールができたこと、月曜日という日程にもかかわらず400人が結集したこと、プラカード展も減少傾向にあるが37点が出展されたことは大きな励みです。会場設営費も前年と比べて安くなりました。関係の皆様にお礼申し上げます。
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