岡山県労働組合会議

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カテゴリ   憲法集会

とき:2017年5月7日(日)13時~

ところ:山陽新聞社さん太ホール

5月7日(日)、ゴールデンウィークの最終日でした。岡山弁護士会による2017憲法記念県民集会が開かれた。集会は盛況で、会場のさん太ホールには400人以上が詰めかけ、会場外のロビーに設置されたテレビを見ての参加者も出たほどだった。会場では写真撮影が禁止でしたので、様子をお伝えできません。

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講師には木村草太さん(首都大学東京教授・社会科学研究科法学系)、対談に熊谷晋一朗さん(東京大学先端医学技術研究センター准教授)と綾屋紗月さん(東京大学先端医学技術研究センター特任研究員)、パネルディスカッションでは3人に加えて青木志帆さん(明石市福祉局福祉政策室・弁護士)の「明石市障害者配慮条例」の紹介と意見交換でした。

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木村さんのお話は「憲法的視点から見たマイノリティー問題」がテーマでした。木村さんは憲法とは何か?と問いかけ、施行70年になる憲法は立憲主義に基づいたものであり、過去の権力者の失敗をリスト化したものだとして、世界の3大失敗に人権弾圧、無謀な戦争、独裁をあげました。そのために憲法は自由、平等、社会保障を定めていると話しました。中でも人権は人間が人間であるために保障されるもので、国家以前にあるもの、あらゆる人に保障されるものだとしました。そこでマイノリティーと憲法を説明するために、アメリカの平等権と差別されない権利について、南北戦争と奴隷解放からくる財産権の侵害論、不合理な人種分離法が正しい目的のための区別になっているのか?差別や意図的な動機がないのかどうかを考える必要があり、差別を助長されている現実から「差別されない権利」の主張が有効だと解説しました。そこで、自由・平等の観点から「差別されない権利」のアプローチが有効だとする判例を紹介しました。非摘出子の法定相続区別(摘出子の2分の1)、日本で少数のイスラム教徒データーベース化=9.11以降の生活の監視化、同姓婚(法律婚できない)、君が代訴訟(斉唱命令違反)などをあげました。

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こうした少数者の差別は警察の差別感情を助長している。君が代斉唱問題は「思想信条の自由」だけでは勝てない。業務としては歌わなければ成立しないが、だからと言って歌わなくても差別されないと主張することが大切だとしました。差別と平等という立場から合理的かどうかが問われるとしました。最後に、組体操や沖縄の問題を例にあげ、人権問題として人間の類型(小学生・中学生)に向けられた蔑視感情を生み、沖縄県民は人間の枠から排除された状態にされていると話しました。そのために命の危険を放置していると指摘しました。木村さんは、一人ひとりの人間の状況に、いかに想像力を働かせるかであり、知ってもらう権利が必要だとしました。

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対談では、マイノリティーは見えにくいとか、自由度は大きすぎても小さすぎても自由ではなくなるというお話でした、シンポで紹介された明石市の条例は少数者の合理的配慮を行政がどう援助するのか?の提起であり、困っていることを、人を客観的に認識する社会の仕組みが必要だと知らされました。

ところで、マイノリティーとは社会的少数者のことであり、逆に多数者はマジョリティーです。熊谷さんと綾屋さんの対談にはこの言葉がよく出てきました。

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とき:2017年4月28日(金)18時~

ところ:岡山国際交流センター2階

岡山県平和センター主催の憲法施行70周年記念岡山県集会が4月28日、国際交流センターで開かれました。「格差・貧困」と子供の人権をテーマに桜井智恵子さん(関西学院大学教授)が講演を行い、約80人が参加しました。

冒頭、主催者を代表して県教組の梶原委員長が、「憲法が危機的状態を迎えている。歴史を振り返れば、市民は権力の暴走を跳ね返してきた。国会では組織的犯罪処罰法(共謀罪)の議論が始まっているが無関心層も多い。教育内容にまで権力は入り込んでいる。教育を守ることは憲法を守ることにつながる」と挨拶しました。

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桜井さんは「教育と憲法は密接に絡み合っている」としながら、自身の研究から出版した「戦争への終止符」という本の内容に触れて、「憲法9条は押し付けと言われるが、誰が9条を最初に発言したのか」を戦後にボツダム宣言を受け入れるまでの政府側の動きを紹介しました。

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終戦当時はアメリカの支配の下で、9条を言わない限り独立できなかった。幣原内閣とマッカーサーは密会して、政府として天皇制を守りたかったことは事実だが、1項で戦争放棄と2項で武力の放棄を申し出た。彼は日本の安全のためには武力・軍備の放棄が必要と語っていると話しました。国民は戦争はコリゴリでもろ手を挙げて賛成したが、一番の関心事は「国民主権」だった。憲法前文に書かれている平和を愛する諸国民との信義とは「世界の人々を信頼し、対話により国際社会を平和に向かわす思想であり、思想は制度をつくり、制度は思想に支えられて機能する」と9条のイメージを解説しました。

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次に桜井先生は現代の学校現場に話を戻し、教師たちは毎日、「きちんとしなさい。もっと頑張ろう」と言っているが、こうした結果は例えば、給食を乗せたお盆を持った子が突然つまずいて倒れてあたりには給食がこぼれても、子どもたちがフリーズして何もせず空気を読んでいると話しました。これを、同調圧力といい、無力感だとして。掃除の時も無言。こうして大人になった子供たちは「意見を言わない」子どもたちになる。無言競争は集中力を高めることだとされ、教師は一時に沢山のことを教え、休憩も取れずに働いている。同調圧力はいじめを増幅させ、子どもは周りの空気を見て動くようになった。「言ってもダメ」と大人になっても周りの状況を見ながら動いている。口に出す言葉は「しょうがない」。競争して勝った方がより多くを得るという思想が植え付けられている。学力テストというまがい物の秤によって格差が容認される社会になっている。「完璧でないことが望ましい」社会に戻さなければ大変なことになる。学級の雰囲気も諸外国の平均的な規律雰囲気を比べると日本の学級は異常におとなしい。国連の子どもの権利委員会は「高度に競争的な学校環境が、子どもたちに、いじめ、精神障害、不登校、中途退学、自殺を助長している」と懸念している。「同級生がいじめと闘う努力を強化する視点を教育に反映させるように」勧告していることを紹介しました。

現実社会の中で、無批判に政権の政策を受け入れる雰囲気がある。嫌なことを口に出さず、置かれているひどい状況に追いつめられるとその緊張が暴力を高めると話しました。

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