日付 2011年10月26日
ところ:東京・明治公園
概 要:
「『震災だから』じゃすまされない!まともな仕事と人間らしい生活を」とスローガンに全国青年大集会2011が開催されました。今年の青年大集会には全国から4,800人の青年が集結しました。岡山県からは16人の青年が参加しました。当初は雨模様だった天候も青年の溢れる熱気で、快晴へと変わりを天候にも恵まれました。
集会開催前に12種類の分科会が開催され、全労連青年部は「最低賃金」ブースを担当しました。パネリストの伊藤圭一さん(全労連・調査局長)は、「私たち全労連は最賃を上げることが全体の暮らしと経済の底上げになると考えています。今年の上げ幅は地方により1~18円。中央最低賃金審議会の改定目安を乗越えた地方は7割にのぼりました。これはみんなでがんばった成果です」と最賃引上げを勝ち取っていることに確信を持つことが大切だとしました。青年の間に貧困が拡大していることについて、「貧困には一度はまると抜け出すことが困難な貧困トラップがあります。低賃金だから深夜もいとわず長時間働く。貯蓄がなく、アパートを借りることができない。住み込み仕事を希望する。これらが劣悪雇用につながり、最終的には不安定雇用に行きつきます」と話し、貧困を自己責任にせず、法制度による保護・救済の土台づくりと労働組合の力が必要であると訴えました。
分科会の様子
各地の青年から発言もありました
松山友幸さん(全労連青年部部長)の開会宣言、「ニュヨークに始まった格差と貧困をなくす運動は世界全体に広がっています。声を上げれば変えられる。まともな仕事と人間らしい生活を取り戻すことができると確信して本日の集会を成功させましょう」によって本大会が始まりました。
初めに全国で闘っている青年から実態の告発と報告がありました。ソニー仙台テクノロジーセンターで震災を口実にした雇い止めと闘っている青年たちは、「東日本大震災以降、私たち期間社員には自宅待機が命じられました。会社に呼び出された時にはたった5分の面接で雇い止めを言い渡されました。必要な時には正社員をエサにいいように利用し、必要がなくなると震災を口実にゴミのように扱われました。正社員と同じように働いていたのに、こんな残酷なことが許されていいのでしょうか」と会場に訴えました。
岩手県大船渡市から参加した、岩手県自治労連・青年部からは、「緊急時にこそ住民のみなさんに安心してもらうことのできる行き届いた公務が必要です。にもかかわらず、公務員数は削減され続け、9月の人事院勧告で公務員賃金の引き下げが発表されました。これからも皆さんとともに頑張っていきます」との発言がありました。
その他、日本航空キャビンクルーユニオンからの発言。福井県のパナソニック若狭工場で派遣切りになり、直接雇用を求めて裁判を闘っている河本猛さんからの発言。学費無償化を求めて活動を展開している高校生・大学生からの発言。また、不払残業代と慰謝料を勝ち取ったSHOP99元店長清水文美さんらが次々と発言しました。
湯浅誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)は、「みなさんが各地で小さな集まりを積み重ねることで培った経験とノウハウを次世代の育成に行かしてください」と話しました。同じく反貧困ネットワークを代表して、宇都宮健治弁護士があいさつをし、「私たちは日本の仲間と連帯し、同時に全世界で貧困と格差と闘っている仲間とつながることが大切です。そうすることで、まともな仕事と、人間らしい生活が勝ち取れるのです」と集会参加者を激励しました。
韓国青年ユニオン代表のハン・チヘさんは、「いま、1%の人たちが社会を乱しています。私たちの権利を踏みにじる1%の人たちに対して全世界の若者が立ち上がっています。一緒に手を握り、若者の権利のために闘いましょう」と連帯の意を表明しました。
アメリカから参加したUE(アメリカ電気・無線・機械労働組合)のオータム・マルチネスさんとマイケル・フェリットさんは、「仲間を誘って組合をつくり私たちの身近で起こっている活動や世界の活動に参加しましょう。働くものの権利のためにともに闘い続けましょう」と力強くアピールしました。
全労連・大黒作治議長は、「野田内閣は財界と一体となり、労働時間の延長、派遣法のさらなる規制緩和を行おうとしています最賃の引上げ、労働時間の短縮、ルールある経済社会の確立、ディーセントワークの実現が全世界で求められています。みなさんのこれからの奮闘に期待します」と青年への思いを訴えました。
日本共産党・志位和夫委員長は、「全国のみなさんが連帯して新しい日本をつくることを求めます。一つひとつの闘いには困難があります。しかし、屈することなく闘い続けることで労働者の権利が守られ、人間らしく働くルールの確立ができると思います」と青年たちに力強いエールを送りました。
各県の青年組織から発言が行われました。民青同盟鳥取県委員会は、「全国では街頭でアンケートや署名活動を行うことで青年の声を集めています。青年の声を聞いて、青年の悩みや・苦しみに思いを寄せることこそ民青の本来の役割だと思います」と仲間に寄り添うことこそ大切だとしました。
広島青年ユニオンは、「いま私たちの隣には全国の仲間がたくさんいます。きっと力になってくれるに違いありません。大人たちよ青年の声をもっと聞け!今こそ私たち青年が声を上げるときです」と力強い発言がありました。その他、神奈川・大阪・京都から発言がありました。
「1%の金持ちが支配する社会を変えよう」と集会アピールが発表され、拍手を持って採択されました。
田中悠さん(民青同盟中央委員長)が閉会あいさつを行い、「貧困格差に対する大きな運動は世界中に広がっています。安定した仕事に就きたい、給料を上げてほしい、人間らしく働きたいと自信を持って声を上げていきましょう」と呼びかけました。
その後、青年によるパレードが行われ都内はにぎわいました。
全国青年大集会は回を重ねるごとに迫力ある集会へと成長しています。それは同時に、集会に参加している青年も成長していることを示しています。今こそ、私たち青年が声を上げるときです。
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