岡山県労働組合会議

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月別 2019年6月

6月22日(土)、岡山県自治体問題研究所総会が開催され、新年度方針、役員体制を確立しました。

議案提案の中で花田事務局は、「後の日本国憲法では中央集権体制への反省から、中央権力の暴走を抑止し平和と人権を守るために地方自治が定められた。しまし、いま改憲に固執する安倍政権によって、地方自治が壊されようとしている。平和と福祉の砦としての地方自治を守ろう」と呼びかけました。

記念講演では、平岡和久さん(立命館大学・教授)を講師に自治体戦略2040構想と地方自治の関係について学びました。平岡さんは、なぜ今の時点で2040年なのかについて、地方創生政策の行き詰まりがあると解説。現時点での実態を分析すると、最大の目標である人口減少に歯止めがかかっておらず、国内企業の多くは国際協に負けています。「公共部門や地域構造を合理化し、民間部門に労働力や資源を振り向け、経済成長を図ることが大きな目標だ。そして、情報システムを共通化することで行政を標準化する圏域マネジメントが必要という言い方で、個々の自治体から自治を取り上げようとしている」と危険性を指摘。

対抗策として平岡さんは、「維持可能な社会をめざす視点からはある程度の人口減少は望ましい。その上で、自治体戦略の背景にある経済主義を克服し、非経済的価値を含む人間中心社会を構築することだ」と述べました。

 

と き:2019年6月24日(月)12:30~

ところ:岡山市表町商店街

概 要

 

6月24日(月)、10月消費税10%ストップ!ネットワーク岡山は表町商店街アリスの広場前で街頭宣伝を行いました。行動には14人が参加し署名41筆を集めました。

県労会議の平林事務局長、弓田事務局次長、岡山県人権連の中島さんが訴えを行いました。中島さんは、「消費税は低所得層ほど負担が重くなる逆進性が強い。また、消費税を上げることで購買力は減退し経済の悪化をもたらす。上げるべきは消費税ではない。法人税や富裕層に対する増税こそまずはすべき」と訴えました。

平林さんは、「消費税を10%に引き上げることで社会保障財源を確保すると言われているが、今まで消費税が引き上げられても社会保障はよくなっていない。年金は増税されたにもかかわらず下がり続けているではないか。大企業・富裕層に対して適切な課税をするように税制を正すべきだ」と述べました。

弓田さんは、「働く者の実質賃金は5年連続で下がり続けている。相次ぐ物価の上昇、社会保障費負担の上昇で暮らしは危機的状況だ。労働者の4割近くが非正規雇用で全世帯の内3割は貯蓄ゼロ世帯だ。今すべきは消費税を引き上げることではなく、最低賃金の大幅引き上げを行い、武器の大量購入を止めることだ」と話しました。

署名に協力してくれた人の中には、「10%になったら生活ができない」「国民の生活のことを考えていない」とコメントをしてくれる人がいました。

と き:2019年6月19日(水)18:00~19:00

ところ:マツモトキヨシ前

概 要

総がかり行動実行委員会は定例の19日行動にとりくみました。市民35人が参加し、3000万人署名を21筆集約しました。安倍政権による改憲策動、武器の大量購入、年金問題など参議院選挙を目前に、参加者は怒りの声を上げました。

岡山県新婦人の赤坂照子さんは、「老後資金として2000万円必要とする金融庁の報告書に多くの国民が怒りの声を上げている。少子高齢化で公的年金給付は減少が続くとし、老後への備えを口実に若年期からの金融商品への投資を奨励するなど自己責任を強調している。1機116億円もする戦闘機を105機購入するよりも国民の生活不安を解消するために財源を使うべきだ」と訴えました。

安倍政権の下で軍事拡大は急速に進み、軍事費が5兆2742億円にまで膨れ上がるなど、5年連続で最高額を更新しています。署名に協力してくれた人は、「軍事費に税金を使い、社会保障や教育への予算を削る政治を変えたい」とコメントしてくれました。7月の参議院選挙は私たちの意思を表明する絶好の機会です。

と き:2019年6月16日(日)10:00~

ところ:岡山市勤労者福祉センター

概 要

 

6月16日(日)、岡山県労働組合会議/パート・臨時労組連絡会は非正規ではたらく仲間の交流集会を開催し、25人が参加しました。今年は均等待遇を具体化することを目的にワークルールを学び、交流企画としてヨガ体験を行いました。

学習会の講師は則武透さん(弁護士・岡山合同法律事務所)で、「今こそ学ぼう!ワークルール」というテーマでワークショップを行いました。

則武さんは、「ワークルールとは何だろうか。働く際に意識されることはないが、労働契約に基づいて労働者は働いている。契約を交わすことで労働する義務と賃金を支払う義務が労使に発生する。そして、法律上は労働者と使用者は対等とされているが、実際には労働者は圧倒的に弱い立場にある。労働者を救済するためにあるのが労働法。つまりワークルールだ」と話し、事例に基づいて参加者でディスカッションしました。

パートや契約社員などの非正規労働者にも昇給やボーナスはあるか?とのテーマでは、「契約の段階から納得して働いているのだから無理ではないか」「労働組合で闘い勝ち取る」「パートであっても長期間働いているのであり、昇給やボーナスがないのは公序良俗に反する」「非正規であっても経験年数や習熟度に応じて昇給されるべき」という意見がありました。

則武さんは、「ILO条約175条には時間以外の点で賃金は正規を下回ってはいけないと定めている。しかし、日本はこの条約を批准していない。最低賃金は地域ごとに異なっており、最賃からして同一労働・同一賃金になっていない。ここを正すためには政治を変えるしかない。このように、ワークルールを学ぶことでおかしいことがわかり、抗議することができる。学ぶことが労働者を守ることになる」と述べました。

学習会終了後のヨガ体験では、日ごろ動かすことのない筋肉を使い体の歪みを正していきました。リラックスしながら日常の疲れも癒すことができました。

と き:2019年6月8日(土)~9日(日)

ところ:山口県

概 要


6月8日(土)~9日(日)、非正規ではたらくなかまの全国交流集会が山口県で開催され、全国から400人を超える参加者がありました。

全体会では韓国最賃1万ウォン実現の市民運動について呉学殊さん(日本労働研究機構)が記念講演を行いました。呉さんは、「韓国のキャンドル革命の発端は、2016年朴大統領の弾劾運動にある。毎週土曜日に蝋燭を持ち各地で集会が開かれ、文大統領への政権交代を実現した。運動の特徴は、普通市民主導、文化的祝祭、非暴力、SNSの活用にある。それは、金大中大統領の行動する良心、盧武鉉大統領の覚醒している組織された市民の力の実践。これらが、国民が自発的に運動に参加する気持ちにつながったのだ」と話しました。

文政権の労働政策について、「キーワードは労働尊重、所得主導成長。国政課題として差別のない働きやすい職場づくりを掲げているが、法改正が間に合わず実現できていないものも多い。しかし、最低賃金の引き上げは法改正を伴わないため政府主導で実現できた。支援策も導入されており、支援を受けるためには雇用保険の加入が義務付けられている」と解説。日本への示唆として、「韓国の最賃額は労働者・市民の力で民主化の進展を勝ち取った成果だ。日本でも非正規労働者の雇用安定、処遇改善を実現するには、革命に向けての意識化、政権交代に向けた戦略的な連帯が必要だ。韓国憲法には第1条2項にすべての権力は国民から出てくるとある。多くの人が社会の主体者としての意識を持った時に革命は起きる」と述べました。

その後、仲野智さん(非正規センター事務局長)が基調報告を行い、「厚生労働省の調査によると、パートタイム労働者の組合員数は、129万6千人、昨年比で約9万人増えている。全組合員数に占める割合は13%だ。社会全体での非正規労働者数から見ると私たちの拡大数は追い付いていない。改めて、非正規労働者の組織化に向けて踏み出そう」と話し、夏からの非正規差別NGキャンペーンを提起しました。

トークセッションでは、岡崎徹さん(郵政産業ユニオン)、関根恵美子さん(北海道勤医労)、山田憲吾さん(山口県教組)、池田勝久さん(鹿児島県労連・パ臨連)が登壇し均等待遇実、全国一律最賃の実現をめざす運動の教訓を学びました。

翌日は、9つの分科会に分かれてテーマごとに議論を深めました。第9分科会では、働き方の問題について青年労働者と学生で考えました。

横沼玲子さん(民青同盟山口県委員会)がアルバイト実態アンケートの報告を行い、過半数を超える人が「人手が足りない」と感じていることが話されました。井川志郎さん(山口大学経済学部)が基調報告を行い、「正規・非正規関係なく労働基準法は適用される。しかし、それがわからない学生や経営者が多い。しっかりと学ばないと自分の権利は守れない。しかし、学んだとしても一人で行動するのは難しい。そこで労働組合の出番だ。一人では弱い労働者も結集することで強くなれる」と訴えました。また、弓田盛樹さん(岡山県労働組合会議青年部)は、青年労働者の間で多忙化解消、人手不足解消が要求のトップになりつつあることを報告しました。

参加者からは、「青年労働者や学生を行動に巻き込みたいがどうしたらいいのかわからない」という悩み、沖縄からの参加者から、「青年が中心になって基地反対の運動を行っている。共通の目的があるからだと思う」という指摘があり、「青年や学生を組織したいならそれに沿ったスタイルがある。活動に仕方は使い分けないといけない」など様々な意見が出ました。

と き:2019年6月1日(土)~2日(日)

ところ:岡山県

概 要

6月1日(土)~2日(日)、全労連青年部主催のユニオンユース・アカデミーが岡山県で開催され、全国から42人の青年が参加

第1日目は、立ハンセン病療養所・邑久光明園でフィールドワークを行いました。

難波幸矢さんの案内で、ハンセン病の歴史を振り返り、施設見学を通して差別の実相に迫りました。

ハンセン病患者当事者として入園者の浜本しのぶさんが話をしてくれました。

浜本さんは父親がハンセン病を患い、8歳のときに姉とともに愛生園の未感染児童の寮に入り、11歳のときに自身もハンセン病を発症。力強い関西弁が特徴的で、そこに浜本さんの故郷や家族に対する思いを感じさせます。

浜本さんは、「ハンセン病を発症し、施設に入れられてからはもう一生をここで過ごすことになるのかととても悔しかった。家族には縁を切られたも同然で、幼いころに両親とは生き別れになった。それでも家族のことを考えずにはいられない」と語りました。

フィールドワーク終了後は、岡山市内に戻り真備豪雨災害の実態と災対連の活動教訓を学びました。報告したのは、伊原潔さんで、「災害はまさに人権問題を浮き彫りにする。被災地にはそこら中に土砂や瓦礫なごみであふれている。それなのにゴミ袋の有料化を進めようとする行政。支援物資の受け取りも一人10点までとし、帰り際に持ち物検査が行われ、仮設住宅では画鋲でカレンダーを付けることもさせないなど。些細なことかもしれないが、人権侵害だと気づかれないまま、まかり通っている」と被災地の実態を報告しました。

2日目は、鈴木靜さん(愛媛大学教授)の講演が行われました。テーマは、朝日訴訟から考える人権で、人権とは何かの基本を学びました。

鈴木さんは、「朝日茂さんは、生活保護は生存権に基づいた権利だと声を上げ、社会の認識を大きく変えた人だ。その時問われたのが、医療従事者、労働組合の姿勢だ。朝日さんは病床から一人ではどうにもならないと訴えていた」と話し、「人権は自然発生的にできたものではなく、人の心の中にあるようなものでもない。人権は、憲法の中、世界人権宣言にある。それは、歴史的に権利を侵害されてきた人々が闘い撮ってきたもの。人権侵害は心がけるだけでは解決しない。運動して闘って勝ち取るものだ」と強調しました。

 

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