岡山県労働組合会議

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3.24県社保協介護シンポジウム&学習会

とき:2018年3月24日(土)14時~

ところ:岡山市シンフォニーホール地下1階イベンントホール

3月24日(土)、県社会保障推進協議会の介護学習・シンポジウムに参加、全体で63名でした。今回の集会テーマは「介護保険を強制退学させられる高齢者」です。林康則さん(全日本民医連事務局次長)が基調報告としてのお話をされました。水島居宅介護支援事業所の森脇海如さんと水島高齢者支援センターの秋山みゆきさんによる「必要な時に必要なサービスがりようできなかったAさん」という共同の事例発表、岡山中央福祉会の国塩聖和さんの「介護保険改定による特養入居者への影響」の事例紹介、岡山医療生協介護事業部コープケアプランの中山泰子さんによる「徳陽から自宅退去となった高齢者とその家族」という発表が続きました。時間の関係で意見交換がなされず不消化状態で街頭宣伝に移行しましたが、参加者は激減。15人で30分間宣伝・署名を行い23筆を集約しました。

さて、林さんのお話ですが、テーマは「介護保険制度改悪について、これまでとこれから」として、4つのポイントで話されました。1つは社会保障制度改革の全体像と介護保険制度改革の経過、2つ目は介護保険「2017年改革」-7つの特徴と重要ポイント、3つ目は介護保険制度改革の方向、4つ目は今後の課題です。

話の量が膨大で70分ではとても理解は困難で3時間は欲しいところです。時間がないということで早口で進み、聞きなれない言葉が出てきて、資料を見ていても何処を話されているのかも分からなくなって、パワーポイントの画像と合わせてみていると目がくらみそうでした。それでも話の大筋は以下のような内容でした。まず、介護保険制度は発足から20年が経過(法案成立は1997年12月)しようとしていますが、当初から目的は①高齢者医療の削減、②高齢者福祉費用の削減、③企業ビジネスチャンスの創出であり、準備不足のまますすめられ、小泉政権時の構造改革によって介護保険制度の兵糧攻めが始まりました。改革・改革と言って削減がつづき最近では自然増分もカットされるようになった。改革の土台は「社会保障制度改革推進法」(2012年8月)だが、これは社会保障を変質させて「国の責任による生活・生存の保障」を「国民相互の助け合い」として、理念を転換させ、事実上25条の解釈改憲が行われたということです。常に適正化、効率化、重点化が図られ、国民の負担増大を抑制するとしながら、実は負担の増大が止まらず、サービスは低下し続けました。2017年には新たな負担が強いられ、自立支援私信、介護と医療の一体化、住民同士の助け合いを基礎とする共生型サービスは始まりました。その一つに地域包括ケア強化法があります。その改革は7つの特徴がポイントとされ、①費用負担の新たな拡大、②介護と医療の一体的改革、③自立支援・重度化予防で成果を上げた市町村への財政的支援、④介護と福祉の一体的改革、⑤介護報酬による誘導でサービス改悪、⑥安上がりな担い手づくり、⑦次期改革の課題を明記検討する工程表の作成となり、国の財政を減らすことだけが追及される制度として変質させ、個人の負担増とは裏腹に制度は後退していくという無残な制度になってきたということです。

廃業する事業所画一的な回数制限、介護職員加算の停止で、介護保険制度はあっても実態としての介護はない制度に変貌しています。政府は「我が事・丸ごと地域共生社会」といいますが、林さんはこれを「我が事丸投げ地域強制社会」だとその変質ぶりを紹介しました。

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