岡山県労働組合会議

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7.30障害者の権利学習講座

とき:2017年7月30日(日)13時30分~

ところ:高島公民館

7月30日(日)、久々に苦手とする障害者の人権に関わる学習会に参加しました。今日のテーマは「合理的配慮はなぜ必要なのか?高等教育における障害者差別解消と紛争概念」という難しそうな内容です。講師は川島聡さん(岡山理科大学経営学部経営学科准教授)です。講演に入る前に3人の方から話題提供がされました。

浅田達雄さんは自身の裁判から「介護保険を申請しなかった理由で障害者自立支援法を止められた。合理的配慮が必要では?」と問いかけました。

小椋千寿子さんは「発達障害の合理的配慮が学校ではどうか?2016年6月のみんなの願い6月号(ニュースナビ)から教育における合理的配慮について考えてみた」として、2つの問題を提起しました。1つは学校が合理的配慮について改めて整理し、一人一人の教育的ニーズの対応に転換するとしているが予算は伴わず、現場に負担を強いるものになっていないか?2つは国の責任逃れになっていないか?と提起しました。県はやって来たことに変わりはないとしている。現場は詰め込みで基準さえ下回っていると話しました。

田辺昭夫さんは「倉敷市で起きている一般社団法人あじさいの輪は運営する事業所解雇問題に関して、障害者の就労継続支援A型事業所5か所が一斉に閉鎖され、従業員220人の障害者が解雇(8月1日)されようとしている。補助金行政と障害者を食い物にする悪徳業者が全国に蔓延っている。元々コンサルタント会社だったが、ウナギの養殖に失敗すると事業所も閉鎖する無責任経営で責任者は出てこない。絶対に許されず、本来、A型就労できない人まで雇用しており、自治体やハローワークも書類だけで許可していることは明らが責任は重い」と話しました。

講演では高等教育(大学)における合理的配慮の例を出しながら、川島さんは障害者と大学側の要求と配慮の過程を紛争と捉えて問題を提起しました。

障害者権利条約を締結するため国は2013年に障害者差別解消法を成立、2016年に施行。この中で解消法が禁止する2つの差別について、①不当な差別的取り扱い、②合理的配慮の不提供は、どんな場合が許容されるのか?と提起しました。差別的な取り扱いには合理的理由があること、合理的配慮の不提供には過重な負担がある場合だとしました。さらに差別には直接的なものと間接的なものがあり、意図的な差別的取り扱いには直接差別になるとしました。合理的配慮には7つの要素があり、①個々のニーズ、②社会的障壁の除去、③非過重負担、④意向尊重、⑤本来業務不随、⑥機会平等、⑦本質変更不可について説明しました。③の非過重負担とは事業への影響や費用負担を伴うものであり、⑤の本来業務不随は要求が本来業務に伴う責任があるのかどうか、⑦の本質変更不可は学生の要望が他の学生との機会均等を損なうのかどうかが問題と事例を通して解説しました。相談者と大学側との間には、意思の表明、対話、配慮の(不)提供という関係が成立する。そこに建設的対話が求められ、これが解決されないと紛争となる。そこで、川島先生は「話し合いは合意に至るプロセス。代替え案が出て解決するが、そこには建設的対話と紛争が混在する」と話し、現実には解決している事例は少ないと話しました。

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