日付 2014年6月16日
とき:2014年6月15日(日)10時~16時
ところ:倉敷健康福祉プラザ
倉敷市職員労働組合をはじめ街づくり研究会、倉敷医療生協など19団体でつくる倉敷市地方自治研集会実行委員会は6月15日、「私たちのまち倉敷を考える市民のつどい2014」を開催しました。当日はワールドカップ日本対コートジボワール戦と重なり、参加者は110人と少なめでしたが、安倍政権の戦争する国づくりに反対する市民運動の大切さを確認し、倉敷の財政、福祉制度、環境、農業、まちづくりを考える上でも貴重な時間となりました。
中谷雄二弁護士(秘密保全に反対する愛知の会)
記念講演では中谷雄二弁護士(秘密保全に反対する愛知の会共同代表)が、「秘密保護法は国民に何をもたらすのか」をテーマに、地域での運動強化を訴えました。中谷さんはまず、秘密保護法とは何かを説明し、秘密保護などという法律を新たにつくるまでもなく、すでに秘密は存在しているとして、情報公開制度に基づく請求によって得られた「秘密保全法の議事録」が真っ黒に塗りつぶされている回答書を示しました。「安倍内閣はアメリカと一体の集団的自衛権行使=戦争のできる国づくりは既成事実化しつつある」として、専守防衛から積極的平和主義、武器輸出3原則の規制を緩めて輸出管理原則・死の商人の国家づくり、愛国心の強要などを国家安全保障戦略の一環として、軍拡体制つくりを進めていると話しました。
防衛計画大綱が見直され、陸上自衛隊に殴り込み部隊として名高い海兵隊機能の増強と敵基地攻撃能力の保有、自衛隊隊員5千人増、護衛艦6隻と航空機20機増、戦闘機は20機増でイージス艦も2隻増など中期防衛協力整備計画で(~2018年)24兆6700億円の大軍拡計画を進められています。
中谷さんは、「秘密保護法では公務員や秘密を取り扱う民間人も適正評価でプライバシーを侵害される。すべての国民が処罰の対象であり、10年以下、1千万円の罰金となる。その狙いは秘密を知ろうとする国民の動きを止めることにある。今でも国民は監視され、デモ行進などをビデオカメラにとって、反政府的団体として監視の対象としていること明らかです」と話しました。
中谷さんはナショナリズムの台頭や小選挙区制による国会内多数派の形成、労働法制の改悪などの安倍内閣の暴走を上げて、何故こんな状態になっているのかと問いかけ、「要因は大きく2つある。1つは資本主義に対抗する運動圏の影響力低下によって、総資本が譲歩を迫られない事。知識人が展望を語れなくなっていること。2つ目は労働組合の影響力の低下が上げられ、バラバラにされた個人が強引な権力行使の前に無力感を感じているからだ」と説明しました。
中谷さんは最後に愛知の会の経験から、「学習会を広げる事、定期的な街頭宣伝で地域から世論を変えていこう」と呼びかけました。
食と農の分科会
午後からは7つの分科会に分かれて討論が行われました。
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とき:2014年6月14日(土)15時~16時30分
ところ:勤労者福祉センター4階第2会議室
6月14日(土)、岡山県自治体問題研究所は総会後に記念講演会を開き、広島大学名誉教授の田村和之さんが「新保育制度で保育の利用はどうなるのかー問題と課題」をテーマに話しました。会場には保育士や自治体労働者など約40名が参加しました。
田村和之先生(広島大学名誉教授)
田村さんは、「来年4月から実施される新保育制度はややこしい、というのが皆さんの印象だと思う。私も説明が難しいと感じている。それに情報が少ない、というのも事実。今回の保育制度は一言でいうと、経費の一部分を補填する金銭給付制度だ。行政も市民に説明しにくい制度になっている」と困ったように話し始めました。
時折、説明に窮する場面も。それほど新制度は複雑
「言われているのは幼保一体型、幼保一体型子ども園、認定保育園制度などだが、問題なのは保育施設でありながら学校の性格、児童福祉施設でもあるという複雑さ。そして、内閣府、厚生労働省、文科省と管轄が混在していることだ」と説明し、「はっきりしているのは公的保育の切り捨てであり、静岡市では既に公立の保育園、幼稚園の全廃条例は出されている。さらに見かけ上はこれまでの制度と変わりないが、保育園と父母との直接契約という点で保育の主体者は自治体ではなく、保育園となる。自治体向けのQ&Aでは、こうした制度を施設型給付費として、入所主体の事業所、保育園、幼稚園、認定保育園に適応するとする一方で、政府は学校教育法に基づく幼稚園の存続は想定していないとするなど、法律が存在するにもかかわらず無責任は姿勢を示している」と話しました。
いつもの例会とは違い、会場は参加者で溢れました。
ただし、いい面もあり、これまで「保育に欠けることが入所の基準」でしたが、今回の制度では、「家に於いて必要な保育を受けることが困難である」ことが明記され、「家庭の事情や子どもの実態に合わせて保育が実施される要素を含んでいる」としました。
しかし、「こうしたことが公的保育の解体が具体化される中で、どれだけ保障されるかは明確でない」と補足しました。このような法律となった背景には民主党政権時代の法律を自民党政権が都合よくいじった結果ですが、結論ありきの法律をより複雑にしただけです。利用者と施設側に混乱を招いただけの制度として施行されようとしていることは明白です。
熱心に聞き入る参加者
公立保育園が縮小され、私立保育園は直接保育料を徴収することになり、直接契約による弊害が見え始めた制度です。東京ではすでに、「子どもが母親の胎内にいる時から保育園への入所予約が殺到しており、入所前から保育料を払い続けるという異常な事態が進行している」という話には驚かされるばかりです。
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