月別 2012年7月
と き:2012年6月29日(金)19:00~
ところ:岡山市・禁酒会館
概 要:
67年前の6月29日、米軍機B29により焼夷弾が投下され岡山市街は一瞬にして猛火に包まれ、市街地の中心部80%が焼き尽くされました。空襲により2000人の尊いいのちが奪われました。岡山ピースキャンドル実行委員会は、毎年6月29日に犠牲者への追悼の意を込めたピースキャンドルを開催しています。今年のピースキャンドルには35人が参加し、参加者一同67年前のできごとに思いを寄せました。
開催にあたり弓田盛樹さん(県労会議)が、「このピースキャンドルは若い世代をはじめ、岡山で空襲があったことを知らない世代にも67年前の岡山空襲を伝えていきたいとの思いから始まり、今年で7回目を迎えた。岡山でも空襲があったということをみんなで学び、考え、語り継いでいこう」と開催趣旨を説明しました。 その後、空襲紙芝居が行われました。紙芝居は実体験に基づいて作成されたもので、非常に完成度の高い内容になっていました。
紙芝居の後、丸山亀雄さん(岡山空襲平和資料館館長)により空襲体験を話してもらいました。丸山亀雄さんは、「岡山空襲で使用された爆弾は焼夷弾で、普通の爆弾とは違う。焼夷弾は中に油のようなものが入っており、爆発とともにどの油が拡散する仕組みになっている。非常に高温で、じわじわと燃えるという特徴がある。人体に付着したら苦しみもがきながら全身が真っ黒になる。非常に残虐なものだ」と話し、当時のことを思い出すのはこれ以上つらくてできないと体験談は終わりました。
その後、参加者全員でキャンドルに火を灯し、黙祷を捧げました。
そして、「灯したキャンドルは追悼の意味とこれから平和な未来をつくろうとの意味も込められています。もう一度、周りの明かりを見ながら、一人ひとりにできることを考えてみましょう。平和な世界をつくるために」と集会アピールが読み上げられました。
最後に、参加者全員で「戦争を知らない子供たち」を歌いながらピースキャンドルは幕を閉じました。
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と き:2012年6月30日(土)~7月1日(日)
ところ:倉敷市・岡山市
概 要:
10月6日(金)~8日(日)に行われる「全国学習交流集会in倉敷」のプレ企画が二日間にわたり倉敷市と岡山市で開催されました。プレ企画のテーマは「『働くこと・学ぶこと』ダレのため?ナンのため?」と題し、講師に中田進さん(関西勤労者教育協会副会長)を招きました。
講師の中田進さんヽ(^o^)丿
第1日目の倉敷集会は92名が参加、2日目の岡山集会には16人が参加しました。中田進さんは、「働くということは人間として生きる本質的なもの。社会が必要とする仕事で役立つ嬉しさ、仕事の中で知識・技術が身につき人間的にも成長する喜び、賃金を得て生活でき自分と家族を支えているという誇りが仕事にはある」としました。資本主義社会の中で働くということについて、「資本主義社会は利潤最優先の社会。搾取と労働者の状態が悪化する仕組みになっている。仕事は本来、愛する人のため、自分のために働くもの。そして、人間らしく生きる喜びのためにある。ところが、資本主義社会では資本家の利潤追求のためが最優先される」と説明しました。
倉敷会場の様子(^_^)/
岡山会場の様子(^_^;)
中田進さんは、「人間らしく働き生きたいという願いをサポートするために労働組合がある」とし、「人間らしく働き生きるための条件には、賃金をはじめとする経済的課題、社会保障の課題、市政などの政治的課題がある。自分を大切に、自分自身が元気でいてこそいい仕事ができる。学習と討論・交流で自覚を高め、仲間と心を通わせ、自発的に運動に関わることが大切だと」と話しました。
最後に中田進さんはこれらの日本をどうするのかという問題について、「東日本大震災以降、ルールなき資本主義、利潤最優先の財界・東電の姿が浮き彫りになった。大飯原発再稼働に対する若者の怒りと行動には確かな日本の展望がある。みなさんに期待している」とまとめました。
学習会終了後の感想交流では「今日の講演を聞いて何かしたいと思った。そのためにも学習を深めたい」「自分が何も知らないことに気付かされた。まずは新聞を読むなど世の中のことを知ることからはじめたい」という前向きな意見が多数寄せられました。
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とき:2012年7月1日(日)14時~
ところ:岡山県総合福祉センター1Fホール
概要:
2012年7月1日、平和団体リプル(さざ波)は、作家の落合恵子さんを招き「いま、いのちから2012」をテーマにした講演会を開き350人が参加しました。リプルは講演パンフレットの中で、「私達は、昨年の大震災と原発事故を受けて、平和とは一人ひとりの命が大切にされ、皆が普通に、そして笑顔で暮らしてゆけることではないかと改めて気づかされました」と書いています。
司会の佐藤さん
落合恵子さんは自身が今年で67歳になる高齢者の一人として、「今の年齢は自分が働いてようやく手に入れたものだから、若い人も壁に当たることがあってもあきらめないでほしい。疲れたら頑張りすぎないで休んでほしい」と言いながら、アメリカのメイ・サートンの言葉を引用して、「平和な時代は差別がなくならないとゆっくり生きられない。人種、年齢、性差別、健常者中心主義」だとその困難さを語りました。しばらく髪形について、「怒髪パーマだが、これは母の介護で時間のやりくりができずに生まれた」と気にする人がいるから説明しておくと、ユーモアたっぷりに話してくれました。さて、3.11の震災の時、落合さんは神戸にいたそうです。「東京に変えると、店には何も売ってなかった。買い占めを遠慮してほしい。その品物を本当に必要としている人がいることを考えて欲しいと願った」そこで立ち上げたのが「ハグ・アンド、リード」という支援団体。疲れた人のために本を、野菜を、衣服を送ろうと立ち上げた。今度頑張るのは私達だと話し、落合さんはさらに続けます。「間もなくオリンピックが始まる。忘れさせる装置にハマってしまうかも?原発に反対する人たちが6月29日、官邸前に15万人も集まって声をあげている。政府は何の保証もないストレステストでGOサイン。電気が足らなくなるという宣伝に怒りが込み上げてきた。原発のゴミを処理する技術も持たずに再稼働だけが決まり、子どもたちにこんなに危険なものを残していいのか?間もなく、7月16日が来る。10万人の集会を成功させたい。役員の人たちは、「現役なのだから、運動を続けると大変なことになる」と心配してくれた。事実、「爆弾で殺してやろうか」と電話も掛ってきた。しかし、スタッフもやろうと言ってくれた。携帯を傍に置いて講演を続ける日々が続く。どうか人の心を思いやる深い心を持ってほしい。マスコミにではなく、自分で考え決める人になってほしい。未来を決めるのは一人ひとりのあなただから。もう私達は忘れない、騙されない、抜く力を付けて年をとったから。知らなかった、知ろうとしなかった自分にもう言い訳はしたくない。だから頑張る。8月は自分を抱きしめたいと思った日にしたいから。と落合さんは締めくくりました。
落合恵子さん
人間への深い愛と信頼、権力への怒り、未来の子どもたちのために闘おうとしている落合さんに惜しみない拍手が送られ、参加者は落合さんと共に傍で声を上げ続けようと誓っているように見えました。
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とき:2012年6月30日(土)~7月1日(日)
ところ:京都市内
初日の概要
6月30日~7月1日の2日間、第8回地域人権問題全国交流集会が京都で開催されました。今年は全国水平社創立90周年の記念すべき年として創立大会が開かれた京都での開催となり、初日の会場となった京都テルサホールには1000人が記念講演や特別報告に聞き入りました。
オープニングの獅子舞
全国地域人権運動総連合丹波正史議長は、「水平社創立の今日的意義は、1世紀にも満たない間にもっとも深刻にして重大な社会問題としての部落問題を基本的に解決したことだ」と話しました。また、「歴史は単純な一直線ではなく、政治権力の側は同和対策事業に取り組み、その代償として部落解放運動の内部に部落民以外すべて差別者とする部落排外主義の勢力を台頭させた。これは部落解放運動にとって負の遺産となったが、40年の闘いの中で部落排外主義勢力はかつての勢いを失い、ようやく新しい時代が到来しつつある」としました。
主催者挨拶をする丹波正史議長
記念講演では、近・現代史研究者の鈴木良さんが「歴史研究と部落問題の解決」と題して、奥山峰夫さん(大阪経済法科大学教授)との対話形式で90分間にわたりユーモアたっぷりに話しました。鈴木さんは「現代独占資本主義の構造そのものが部落差別をつくりだすという独占資本敵論」には疑問があるとして、1979年に「地域支配と部落問題」という論文を発表し、封建遺制である部落差別が近代日本社会に残されていくからくりを明らかにしました。「天皇制権力が資本主義、軍国主義の強化のために、農民から高額な地租を取りあげた。そのため江戸時代以来のムラの秩序を残し、有力な町村の有力者(地主など)が支配する仕組みをつくった。これを近代日本の地域支配(市・町村制)と名づけ、天皇制が地域を再編成したことが、部落問題を残した理由だ」と説明しました。そして、「部落問題から歴史を考えるのではなく、歴史の全体的発展のなかに部落問題を位置付けることが大切だ」としました。また、「これから人権問題を考える上で世界的視野が必要であり、日本を人権大国にすることが新しい意味を持ち始めている。若者の半数に仕事がなく悩んでおり、憲法13条の幸福を追求する権利を実現する運動が必要だ」と強調しました。
ユーモアに富んだお話しで会場を沸かせる鈴木良先生
特別報告では、大阪市をよくする会事務局次長の成瀬明彦さんが、「橋下市長が行った思想調査と維新改革の周辺」と題して、職員に対する橋下市長の視点や思想調査の背景、顧問弁護士の野村修也氏の人物像や行動を克明に説明しました。また、橋下市長が、なぜ憲法の基本的人権を侵してまで思想調査を実施したのか、異常なまでに労働組合を敵視したのか、その狙いを考える必要があるとしました。橋下大阪市長は市民の不安や不満を「ガス抜き」しながら、「湾岸部や梅田北ヤードの再開発、地下鉄の民営化など大規模開発の推進している。住民サービス向けの予算削減であり、大阪式の独裁・強権政治を国政に広げ、民主主義の機能を日本からなくそうとしている」と断じました。
成瀬明彦さん(大阪市をよくする会事務局次長)
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