日付 2011年11月4日
とき:2011年11月3日(木・祝)13時30分~
ところ:岡山県総合福祉会館1階ホール
概要:11月3日、「憲法公布記念のつどい」が県総合福祉センターで開かれ130人が参加しました。つどいでは主催者を代表して、山口和秀さんがあいさつ。岡山大学職員合唱団による合唱に続いて、コメディー小説「ズッコケ3人組」で知られる児童文学作家・那須正幹(なすまさとも)さんが講演を行いました。
主催者挨拶をする山口和秀さん
山口さんは、「民主党政権のもとで、憲法審査会が始動され憲法改悪の動きが慌ただしくなっている。自衛隊がPKOと称して南スーダンに派遣されようとしている。国民は民主党政権に対して警戒心を持ち始めている」と話しました。合唱では、「小さい秋みつけた」「千の風になって」「見上げてごらん夜の星を」など5曲が歌われ、3.11で被災した3県に思いを寄せた静かな歌声が会場に響きました。
岡山大学職員合唱団の皆さん
講演では、那須さんがズッコケ3人組誕生の裏話をされ、もともとの題名は「ずっこけ三銃士」だったが、単行本になる過程で編集者が勝手に変えたそうです。結果的にそれがよかったようで、子どもたちの間で爆発的に広がったと言います。シリーズの中で、那須さんはファンレターで、「3人組がうらやましい」とか、「3人組のような友達が欲しい」「もうちゃんはほっとする」などの声が聞かれはじめ、読者が変わってきたと感じるようになったと話しました。今では小学校には3人組はいなくなり、2人で信頼できるトモダチだけの子どもが増えたと学校の先生も言います。喧嘩をしても仲裁をしない子や自分の意見を言わない子が増え、おせっかいな子もいない。静観している子が増えるなど、人間関係が希薄になっている。社会が変質してきたという話には、共感する参加者の相槌が感じられました。
ユーモアたっぷりに話す那須正幹(なすまさもと)さん
那須さんは、3人組が平和で民主的な社会から生まれて時代の申し子だとしながら、実は戦争の作品は書いているとして、自身が3歳で原爆に被災したことや中学の検診で血液異常が見つかってから、命と原爆に関心を持つようになったと話しました。作家を志してからは、友達の勧めもあって「原爆の子の像」をテーマにした、「折り鶴の子どもたち」という本を書いた時のエピソードを紹介してくれました。当時の同級生に集まってもらって取材をして描いたそうですが、貞子と折り鶴の話は実話ではなく、美談にすり替えられた本当の貞子像ではないと、原爆のことに無知だったことや被爆者や原爆症という言葉もいつから使われ出したかなど知らないことが多いことに気がついたと話しました。また、修学旅行で広島に修学旅行で来た子どもたちが被ばく体験を聞いて、「平和でよかった」と言いながら、原爆の被害を天災であるかのように考えていると聞いて、どうやって原爆の被害を伝えるのか考え、「広島の原爆」という絵本を出した。「広島お好み焼き物語」を書いた時は、戦後の広島で被爆しながらもしたたかに生きる女性を3部作で描いたと話し、広島や平和への思いを語ってくれました。
広島の原爆(絵本)を開きながら、原爆は天災ではないと
那須さんは続けて、震災の時に日本はナショナリズム一色だった。「日本人は誇りを持とう」とか、「自衛隊さんありがとう」「日本は一つ」など、まるで戦時中のようだったと言います。「生半可な知識で放射能汚染を怖がって、東京の人が沖縄まで避難する人がいる。逃げる前に、もっと怖い原発や核兵器に反対運動をすることの方が大切だ」と話しました。
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