6.9岡山労働学校第5講義
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と き:2011年6月9日(木)
ところ:岡山市勤労者福祉センター
概 要:
第5講義の今回は11人が参加し、「資本主義を生み出す力となった思想・世界観①」と題し、人間観に転換をもたらしたルネサンス期を学習しました。弱者の救済を説いたキリスト教がローマで国教として認められた結果、すべての学問は神学のもとに置かれるようになりました。哲学に関しては、教会付属のスコラ哲学の枠内に限るとされました。講師の長久啓太さんは、「なぜと問い、疑うという哲学的思索の範囲が狭められ、支配階級の意に反する思想は弾圧されました」と説明しました。
講師:長久啓太さん
教会が説く禁欲主義が蔓延する中に芽生えたのが「人間って素晴らしい」という人間の幸福の手段を宗教以外の別の方法で追及し表現するルネサンスです。長久啓太さんはルネサンス期の代表者としてコペルニクスを挙げました。「コペルニクスは主著〝天体の回転について″で地球は動いているという地動説を紹介しました。しかし、コペルニクスの地動説は当時の支配勢力であるキリスト教会から攻撃され禁書とされてしましました」と話し、「自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に、自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることが出来ないでいてしまう」と吉野源三郎の言葉を引用し封建制度がどういうものであるかを説明しました。
講義終了後の意見交流でより考えを深めることができます
時の支配勢力から、迫害や弾圧を受けることもある中で、常識を疑い、問いかけることはとても勇気のいることです。権威に盲目的に従うことは楽なことです。しかし、そこからは新しい誕生がありません。コペルニクスの場合、自分たちが生きている地球を客観的に捉える姿勢が地球という惑星の発見につながりました。彼の姿勢は、天文学や科学の分野に限ったことではありません。人類の歴史、社会の発展においても重要な姿勢です。
次回第6講義(2011年6月16日18:30~)は唯物論的要素を推進めた、自然哲学者たちの登場から、資本主義の誕生について学習します。