連想分類語 いの健
と き:2015年7月4日(土)~5日(日)
ところ:島根県松江市・ホテル白鳥
概 要
命と健康を守る中四国セミナーは今回で7回目となります。今回のブロックセミナーは島根県で開催され、中四国から136人が参加しました。
非正規、低賃金、不安定雇用の急増。そして、長時間過密労働、成果主義賃金によって職場は荒廃しています。それらを背景にした、ハラスメント、過労自死など労働者の心と身体は脅かされています。このような状況で「過労死等防止対策推進法」が制定されました。しかし、安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国を目指す」とし、生涯派遣・正社員ゼロの労働法制大改悪を強行しています。
今回のブロックセミナーでは、「過労死等防止対策推進法」を実現させた今日的意義について学ぶとともに、労働者の置かれている現状の認識を新たにし、労働法制大改悪をストップさせ、命と健康を守る運動を如何に発展させるかを深めることを目的としています。
開会にあたり、山陰実行委員会の田中暁鳥取県労連議長は、「安倍政権は労働法制の改悪だけでなく、戦争法まで強行しようとする、戦後最悪の暴走政治です。労働者の生活を守るために、第一線で活躍される講師お二人に助言をいただき、共に学んでいこう」とあいさつを行いました。
記念講演には、寺西笑子さん(全国過労死を考える家族の会・代表)と高橋真一さん(過労死弁護団・弁護士)の二人が講師として登壇しました。
初めに登壇したのは寺西さんで、「当時は過労死の認定基準はなく、自殺での労災認定はわずか1件だった。諦めそうになったこともあるが、弁護士、支援者、家族の会などの支援により、京都で初めて労災認定を勝ちとった。過労死弁護団や家族の会で2008年に『過労死等防止基本法制定』決議をあげ、署名、意見書採択、議員立法などの運動、国連社会権規約委員会の勧告などにより法律を制定させることができた。しかし、収入要件に応じて残業代を支払わなくてもいいとする高度プロフェッショナル制度や生涯派遣法など逆流が激しい。残業代ゼロではなく過労死ゼロの日本を実現するために、運動を盛り上げていきたい」と話しました。
続いて、高橋さんが登壇し、過労死等防止法の内容について説明しました。高橋さんは、「制定された法律には、第7条で政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めなければならないとある。この点は大きな前進で、過労死等防止法には規定されなかった語句や関係法令について言及されている。また、高校生等が労働関係法令について知識を持つことの重要性が明記されていることがある。しかし、過労死等防止の鍵を握る対策が盛り込まれていない。労働時間の上限規制、不当な36協定をゼロにする、インターバル制度の数値目標、労働時間の客観的把握が抜け落ちている。この点は今後運動を強化していかないといけない」と問題提起を行いました。
講演終了後、宍道湖を見渡すビアガーデンで、参加者交流を行いました。2日目は、5つの分科会に分かれて、それぞれ議論を行い、問題意識を深めました。閉会の際には特別決議として「安倍晋三は『安全保障関連法案』を直ちに撤回せよ!」が採択されました。
0 Comments | Posted by sakaki in ニュース, 活動日誌, 社会保障, 賃金闘争