全労連中国ブロック最賃キャラバン2018
0 Comments | Posted by sakaki in 賃金闘争 |
と き:2018年6月5日(火)~6日(水)
ところ:島根県・鳥取県・岡山県
概 要
6月5日から全労連中国ブロック最賃キャラバンが始まりました。今年で4回目のとりくみとなります。島根県から始め、鳥取県、岡山県、広島県、山口県の労働局と県庁を訪問し、最低賃金引き上げの必要性について懇談を行います。
6月5日(火)、全労連中国ブロック要請団は島根県、鳥取県を訪問。島根県では、主に最低値賃金の引き上げが地域活性化につながることを話しました。島根県庁との懇談では、最低賃金を引き上げることを県が労働局や審議会に意見書を上げることはできないとしながら、「県としても一番の課題は人口流出だ。中小企業が99%を占めているが、どこも人手不足。こうした実態から、若者の定着を目指して職場環境整備の支援を行っている」と話しがありました。
島根労働局でも、人口減少に対する問題意識があることが紹介され、「最賃審議会でも労使ともに人口流出に対する懸念が表明されている。島根県はこれまで全国最下位の最賃水準だったが、同じDランクの中でも上位に位置するように議論を重ねてきた」と議論の経過が説明されました。
要請団は、「最低賃金の地域別制度やランク分けには根拠がない。標準生計費や物価指数、県民所得率と比較しても整合性がない。統計からも賃金の低い地位から高い地域へと人口が流出していることは明らかだ」と最低賃金の引き上げの重要性を訴えました。
鳥取県では、企業の支払い能力論をどう乗り越えていくのかを中心に議論が進みました。鳥取県庁からは、「地域別制度には賛否あると思うが、法律で定められている以上、国による法改正が必要だ。そのため、全国一律制度は法の趣旨に反するのではないか」と回答がありました。
鳥取労働局では、「支払い能力を考慮すると今すぐ1000円は難しい。最低賃金の引き上げに伴う、支援施策は重要であり、様々な助成制度がある。最近では、働き方改革推進のためのキャリアアップ助成制度を開始しており、29年度の利用は287件ある。また、職場環境改善の指導も行っており、残業時間の平均が80時間以内であっても、県への懸念が考えられる事業所に対しては指導を行っている」と話がありました。
要請団は、全労連の生計費調査の結果を紹介し、全国どこであっても生活費に違いはないことを訴え、「企業の支払い能力があるのは世界で日本だけだ。また、問題なのは支払い能力が十分あるはずの大企業であっても非正規労働者の賃金は最賃に張り付いている。審議会の労働者側委員には基本的には大手・大企業と言われる企業からの選出になってはないだろうか」と審議会運営の姿勢を追求しました。
6月6日(水)、要請団は岡山県に入り、岡山労働局との懇談を行いました。主に、審議会の全面公開と委員の任命を用船しました。労働局からは、「審議会の委員の任命は、労働局長の判断で行われる。また、審議会の公開非公開については、審議会委員長、専門部会長の判断で決定されるが、非公開にする理由を聞いたことはない」と回答がりました。
要請団は、「審議会の委員として任命されたからには私人ではなく、位置づけは特別公務員だ。当然、税金から委員の方には手当てが払われている。そのため、審議を非公開とするのは本来間違っている。非公開とするなら明確な理由がないと誰も納得しない。傍聴をすると欠席も目立つ。委員一人ひとりの意識付けをしてほしい」と強く訴えました。