日付 2011年3月24日
とき:2011年3月22日(水)18時~
ところ:勤労者福祉センター4階第1会議室
概要:
岡山県労働組合会議は3月23日、TPP学習会を開催しました。JA中央会より山本隆志さんを講師として招き、50名が参加しました。山本さんは話に入る前に、「消費者という立場からTPPについて真剣に考えてもらいたい」と参加者に訴えました。その意味は、安全な食物、安定的な供給という観点からで、安ければいいものではないという観点からの話でした。
JA職員の立場からTPPの危険性を話す山本さん(JA岡山中央会)
菅首相は今年の年頭記者会見で6月をめどにTPP参加の是非を判断すると発言していますが、山本隆志さんは「国から国民に対してTPPに関する詳細な情報提供がないのに、国民同意が得られるのか」と国の姿勢を疑問視しました。TPPに参加した場合、日本への影響として「食料自給率が40%から13%へ低下する。農業関係者だけでなく、食品業界者を含め約350万人の雇用が失われる」と説明しました。岡山県については米の生産量が90%減少、麦・乳製品は100%減少して地域経済が成り立たなくなると強調しました。
熱心に意見交換や質問が出されました
TPPに参加してアメリカの要望通り規制緩和を続ければ、「営利目的の病院制度が導入され、金持ちしか高額医療を受けることができなくなる可能性がある」また、「安い労働力として外国人医師・看護師が増加するなど、医療の質が心配になる」と日本の医療制度のあり方についても言及しました。輸出が拡大し、経済が成長するとの風潮があるが、「2002年以降、輸出が拡大し輸出企業の利益は上がっている。しかし、労働者の給与は下がっているとして、資料のグラフを示し、「輸出企業の利益が上がっても儲けの労働分配は行われなければ大企業の内部留保が増すだけ」と説明しました。
話が終わって、「消費者の中には、TPPに参加すれば食料が安く手に入り、いいではないかと考えている人がいる」との質問に、「今世界人口は増加し続けている。各国が自国の食料をどのように確保するかを模索している中、いつまでも安定供給される保証はない」と話しました。「東日本大震災により、東北地方の農業は壊滅状態です。食料確保のために、TPPに参加しようという理論が働くことは十分考えられる」として、国の責任として食料自給率を高めることを消費者と農家が連帯して求めることが必要だとしました。
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