岡山県労働組合会議

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連想分類語  年金裁判

と き:2020年8月4日(火)

ところ:岡山地方裁判所

概 要

岡山県年金裁判第1次訴訟の第16回口頭弁論、第2次訴訟第13回口頭弁論が行われました。今回の口頭弁論では原告団事務局長の近藤劭さんが意見陳述しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため傍聴人数が制限されましたが報告集会と合わせ合計78人が参加しました。

近藤さんは意見陳述の中で年金生活とはいかなるものであるかを強調して訴えました。年金生活のリアルについて、ボーナス・残業手当もないため現役時代の1/2~1/3程度に収入が減少。食事の回数を1日2回に減らす、値引き商品に頼る、入浴回数を減らすことになった。趣味などの文化活動は中止せざるを得ず、医療費削減のため虫歯治療ができない。慶弔費の支出に躊躇し、人づきあいがなくなるなど深刻な事態を話しました。

近藤さんは、「特に女性の低年金問題は深刻だ。年金では生活が成り立たないため生活保護を受給せざるを得なくなった原告もいる。貧困世帯に対しても年金削減やマクロ経済スライドは適用され、さらなる貧困を招いている。年金引き下げの必要性・合理性はあったのかどうかマクロ経済スライドを行い続ける必要があるのかどうか吟味してもらいたい」と述べました。

また、今回の裁判で現役世代の承認1名、原告6人の尋問を申請。裁判所は、裁判の重要性を考慮し全員の意見陳述を許可しました。則武透弁護士は、「すでに判決が出ている地域もあるが、その内容は世代間の公平、年金制度の持続性維持など国の主張をそのまま引き写している。この裁判の突破口は、年金減額によってどれだけの被害があるのか裁判官に理解してもらうことにある」と話しました。

次回裁判は11月24日(月)に行われます。

と き:2018年10月2日(火)15:00~

ところ:岡山地方裁判所

概 要

 

10月2日(火)、年金裁判第一次訴訟の第10回口頭弁論と第二次訴訟の第7回口頭弁論が行われ、約100人が傍聴に参加しました。

今回の裁判では、生活保護と年金制度との関係、マクロ経済スライドの違憲性をまもとめた第14準備書面と特例水準解消を定めた平成24年改正法制定に際し、考慮すべきでないことを考慮し、他方で考慮すべきことを一切考慮していないことについて、制定過程からまとめた書面を提出しました。

報告集会で古謝弁護士は、「里見賢治・大阪府立大学名誉教授は意見書の中で、マクロ経済スライドが年金制度を破壊するとし、所得代替率が29.3%減少することについて、お小遣い程度の年金になりかねないと批判している。それを踏まえ第14準備書面では、公的年金制度は生活保護制度に優先する最低生活保障性であることを訴えている。今回の裁判での争点は、日常生活の基盤である年金を切り下げることは、老齢によって稼働機会と能力が低下している高齢者の生活を危機に陥れるという点にある。積立金の活用、標準報酬月額の引き上げなどとるべき方法は他にもある」と解説しました。

原弁護士は、「第15準備書面では、特例水準の3年間での段階的解消という結論だけが独り歩きし、国会審議でも、年金問題を専門とする学者や受給者、関係団体を参考人として意見を聴くこともせず審議に十分な時間を割ていない点を指摘した。憲法25条、29条、13条や社会権規約、年金法との関係について慎重な議論がされるべきだ。高齢者の基礎的生活保障に対する配慮に欠けている社会保障・税一体化改革性案は違憲である」と述べました。

政府は年金の支給額引き下げに加え、支給開始年齢を70歳に引き上げようとしています。年金制度は高齢者の暮らしに大きな影響を与えますが、将来の受給者となる現役世代にも影響します。東原告団長は、「若い人がもっと意見を表明しないといけない」と参加者に訴えました。

と き:2016年7月4日(月)14:00~

ところ:岡山地方裁判所

概 要

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年金裁判は、2013年10月分から2014年3月分までの年金額が1%減額されたことの取り消しを求めて、2015年5月29日に岡山地裁に提訴しました。その後、被告国が「広島地裁へ移送すべき」との移送申立を行い、岡山地裁で裁判を行うことが困難になっていました。広島高裁岡山支部に抗議を行い、「取消訴訟」から「給付訴訟」に訴えを変更して再度提訴することで岡山地裁での裁判となりました。 第1回目の口頭弁論まで1年近くかかりましたが、傍聴には120人が参加し、原告を激励しました。

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裁判で意見陳述を行ったのは原告の東都支男さんで、「日本の年金制度は高齢期の所得保障の役割を果たせていない。社会保障改革推進法によれば、主要な財源は消費税とされ、年金・医療・介護は保険制度とされる。さらに、自助・共助が控除を補完するとされている。社会保障が所得の再配分の仕組みであるなら、応能負担が原則なはずだ。自助・共助の優先は国の責任逃れに他ならない。私たちは、高齢期にも人間の尊厳が保たれる日本社会を切望して訴えを起こした。生きているうちに三権分立が機能し後世に範となる判決を望む」と訴えました。

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口頭弁論終了後、弁護士会館で報告会が行われました。古謝弁護士が裁判の解説を行いました。①国がいったん法律で決まっていた年金支給額を減額するには、厳格で合理的理由が必要とされます。国は「物価の下落」を理由としていますが、パソコンや家電などの消費財の価格低下が大きな要因であり、日常生活に不可欠な食品などの価格は下がっていません。国民健康保険、介護保険、医療費は増加しており、物価の下落の恩恵などありません。②年金支給額の引き下げは内閣及び厚生労働大臣の裁量権を逸脱しています。内閣が年金減額を決定した時期は消費税増税が決まっていた時期と重なります。アベノミクスという意図的な株高円安政策で石油・天然ガス・、食糧などの輸入価格が高まり、生活必需品や公共料金の価格が高騰していました。そのような状況下で年金減額を行うのは間違った判断であり、年金受給者の生活に配慮する必要があります。

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参加者から原告に対して激励の言葉や支援の決意表明が行われ、報告集会は終了しました。次回口頭弁論は9月20日に行われます。

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