9.17憲法学習会(岡山弁護士会)
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とき:2016年9月17日(土)14時30分~
ところ:岡山市スクウェァービル
9月17日(土)、憲法に緊急事態条項は必要かというテーマで永井幸寿氏(日弁連災害復興支援委員会元委員長)のお話を聞きました。主催は岡山弁護士会です。
参加者は約100人くらいでしょうか?年配者が多いという印象です。政府は、と言うより安倍政権は執拗に国家緊急権の導入を狙っていました。当初は憲法9条を変えようとしましたができませんでした。次に96条を変えようとしましたこれも失敗。今やろうとしているのは解釈改憲とそれに続く明文改憲、そして9条の改悪です。そこで登場してきたのが緊急事態条項の創設です。口実はテロや災害対応で、国家緊急権の発動とか熊本地震での対策に託けて菅官房長官も発言しています。いったい国家緊急権とは何か?自民党は何を狙っているのか?というのが今回のお話の核心でした。
永井氏は国家緊急権の定義を、「戦争・内乱・恐慌ないし大規模な自然災害など、平時の統治機構をもってしては対処できない非常事態において、国家権力が国家の存立を維持するために、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限」と説明しました。この権限の特徴は国民のための制度ではなく、国家のための制度であり、人権保障や権力分立を停止するものだとその本質を語りました。
近代憲法は基本的人権を保障するために権力分立と立憲主義の立場をとっているが、国家緊急権は国家のための権利であり、濫用されればナチスドイツのような権力の暴走を招くとして、ナチスや大日本帝国憲法が犯した「反対する政治勢力の弾圧、緊急措置が固定化され、すべての人権が過度に制約された歴史」を繰り返してはならないと強調しました。
災害に対する権力の集中を考えても、備えのない権限は意味がないとしました。「災害時の権限集中や強制権は法律で詳細に決められている。権限を集中しなければならない理由はない。必要なら法律で決めれば済むことだ」と重ねて説明しました。
東日本大震災でも死亡者が出ているのは、法律や制度の適正な運用による事前の準備が全くなされなかったことが原因であり、災害が起こった後に憲法を停止しても対処できないと国家緊急権の問題点を指摘しました。実際に被災県のアンケートでも憲法は障害にならなかったとする回答がほぼ100%だと話しました。
また、テロは法律で対処できること、それは国家緊急権の「非常事態」ではないとして、テロがあっても平常時の統治機構は機能しているため、法律で対処できるとしました。
質問の中でも、自民党は災害時での国家緊急権の必要性を具体的に説明できないでいる。映画「シンゴジラ」でも必要なかったと、もっともらしく言っても国家緊急権に根拠はないと強調しました。永井氏は「災害をダシにして憲法を改正してはならない」と被災者の言葉を借りて話を締めくくりました。
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