12.20障害者の人権を考える講座
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とき:2014年12月20日(土)13時∼
ところ:林病院ひまわりホール
2014年12月20日(土)障害者の人権を考える学習講座が開かれ70人が参加しました。講座では鈴木勉(佛教大学社会福祉学部)さんが講演を行いました。 鈴木さんのお話はとてもシンプルで衝撃的でした。つまり、平等とは何か?それは経済メカニズムとの関係で形は歴史的に違ってくるというものです。
裁判への支援を訴える浅田さん
フランス革命から平等の概念は、当時の人権宣言から現代のノーマライゼーションに至る過程の中で発展・推進されてきました。ノーマライゼーションとは「障害のある人に、障害のない人と同じ生活条件をつくりだす」という考え方です。鈴木さんは、それを理解するための2つの要素があり、その実現こそ必要だとしました。一つは障害者に障害をもたない市民と同様な生活条件を提供し、人間にふさわしいノーマルな暮らしを実現する実質平等の提起であり、もう一つは「障害者を排除しないノーマルな社会づくり」だと話しました。 フランス革命(人及び市民の諸権利宣言・1789年)の課題は「自由・平等・友愛」というスローガンでした。しかし、その平等論は「個人の評価はその能力にもとづくものであり、出身階級を評価の対象にすべきではない」という「能力にもとづく平等」であり、能力に制約を負った人々を雇用の場からの排除や低劣な処遇を合理化する役割を果たし、現代の資本主義経済では障害者の差別的処遇をいっそう強化する論理として機能している、と鈴木さんは説明。つまり、平等には限界があったのです。
現代のノーマライゼーションに至っても、その国の人々が受けている通常のサービスだけでは十分ではなく、特別な配慮が必要だとしました。障害者がその配慮を通して社会発展に貢献することは、「能力のちがい」を認め合える社会への変革という視点を含んでいるとして、こういうのを「インクルージョン」と言うそうです。 個別性の高い環境調整による平等の実現を合理的配慮というそうですが、その実現にユニバーサルデザインがあると話しました。鈴木さんは、これを法的権利にすることが重要だとも強調しました。また、欠格条件を支援すれば、全盲の弁護士や医師も誕生する。鈴木さんは満足度や量だけでは福祉の実現ではないとして、秀でる素質が全面発達しないといけない。そのために財の特性を生かすことが重要だと強調しました。 「反暴力としての平和」について、「軍拡のための福祉削減」「強い国家づくり」は膨大な戦費調達のために増税と福祉カットを必ず伴うと話を続けました。社会保障は大量失業と貧困に悩まされた1920年代後半の経験から、ファシズム防止装置として機能してきました。また福祉について、その実現は「伸びる素質の全面発達」だと指摘しました。何をもって福祉が実現したのかという議論に対して、インド出身のアマルティア・センという経済学者の言葉を引用して説明しながら、誰もが備わっている「伸びる素質」が全面的に発揮されることであり、すべての人に保障される状態だと話しました。
講座は哲学者や経済学者の名前もたくさん出てきましたが、私たちが障害者の支援とその発展を考える上で分かりやすく、気付かされることの多い内容でした。
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