日付 2013年9月11日
と き:2013年9月7日(土)10:00~
ところ:勤労者福祉センター4F
概 要
県労会議は第25回定期大会を開催し、代議員の総意ですべての議案を採択し、確信をもって2013年度の運動をたたかっていくことを確認し合いました。
開会にあたり花田議長は、「労働者・地域のみなさんの要求実現のために奮闘することが組織拡大につながる。しかし、地域運動の要となる地域組織は現在停滞している。県全体に全労連・県労会議の運動を広めるためには地域組織の活性化が必要だ。岡山県の最賃は12円引上げで703円とする答申が出た。決して十分であるとは言えないが、今回初めて意見陳述が認められるなど、我々の運動は前進している。確信をもって運動をしていこう」と述べました。
来賓あいさつとして、全労連の大黒作治議長は、「安倍内閣は世界一企業が活動しやすい国を目指すとし労働法制改悪を成長戦略の柱とている。雇用の流動化を推進するために、限定社員制度や労働者派遣法の改悪など解雇自由の社会をつくるために着々と準備をしている。労働者の権利を抑制する大企業いいなりの政策が実施されようとしており、いま全労連運動への期待と注目は高まっている。国民的共同を大きくして、安倍政権による暴走政治をストップさせよう」と述べました。
続いて、森脇久紀県会議員は、「今ブラック企業が話題になっており、厚労省も調査に乗り出している。きっかけとなったのはブラック企業大賞で、賞を受賞した8社の内2社は岡山県の企業だった。安心して働き続けることができるように、岡山からも声を上げないといけない。また、各電力会社は原発再稼働に本気になっている。原発は少しの不安でもあるなら動かすべきではない。しかし、政府はリスクがあるのは当たり前だと言い安全神話を再び振り撒いている。より運動を強め、このような酷い政治を許さないためにがんばりましょう」と話しました。
次に登壇したのは氏平長親岡山市長候補で、「東京都議会議員選挙での日本共産党の躍進をみて、日本の政治の変化の兆しを感じた。どの政治家と政党に自分たちの願いを託せるのかを多くの人が考えた結果の現れだ。消費税増税、原発、社会保障の問題などで自分たちの想いを表すことができるのが選挙。岡山市長選挙には政治を何とかしてもらいたいという市民の思いが溢れている。岡山でも新しい政治の流れをつくろう」と激励を送ってくれました。
最後にあいさつをしたのは国公労連・全厚生闘争団で社会保険庁による不当解雇撤回を求めてたたかっている北久保一夫さんで、「社会保険庁による職員の解雇は整理解雇の4要件に照らしても不当なものであると言わざるを得ない。不当解雇からすでに3年が経過したが、政府による解雇自由化の流れをストップさせ、職場に戻るためのたたかいは最終局面となっている。私たちは勝利するまでたたかい続け、たたかえば勝利できるということを証明したい」と力のこもったメッセージでした。
その後、伊原事務局長が議案提案を行い、質疑・討論になりました。討論には14人が参加し、議案を補強するものとなりました。
村上修一さん(生協労組おかやま)は、「ブラック企業大賞を受賞した企業の内2社が岡山県に本社がある。ブラック企業問題に対する運動を構築していく必要がある。また、組織強化拡大については学習が不可欠で、知識がなければ戦えない。憲法と労働法の学習。そして、組織論・運動論についての学習を進めてもらいたい」と学習強化の必要性を訴えました。
河合弘志さん(通信労組)は、「賃金を30歳から60歳まで減額し、60歳を超えてからも勤続可能な人の賃金にまわすという制度が作られようとしている。また、500円の日帰り日当制度が東日本では廃止され、企業内年金も改悪されている。NTTはブラック企業ではないのかという状況で労働者は働かされている」と職場の実態を訴えました。
和田茂さん(高教組)は、「日本政府は昨年、高校・大学の授業料を段階的に無償化していく国連の国際人権規約を批准し、世界中にこれを進めて行く約束をした。それにもかかわらず、年収910万円以上の世帯を対象外としていることは約束違反だ。これによって、同じクラスで学費を払う生徒と払わない生徒が生まれることになる。学校現場に分断を持ち込むことで許すことはできない」と教育分野での運動の方向性を述べました。
岡本芳行さん(岡山市職労)は、「賃金削減については全国2/3の自治体で実施されている。これまで私たちは市の人事院に対して毎月のように撤回を求めて要請してきた。高谷市長は職員採用を抑制するとして賃金削減を行わないとしていたが、賃下げを実施し、職員の期待を裏切っている。職員が働きがいを感じることのできる市役所をつくることが、住民サービスの向上にもなるのではないでしょうか」と公務員賃金引下げ反対の運動強化を訴えました。
藤原義久さん(国労)は、「全職員29,000名の内約1割は非正規雇用となっている。駅の窓口で働いている若い職員はほとんどが非正規雇用だ。派遣法の改正によって5年越えたら無期雇用にすることとなった。しかし、JRとの交渉の回答が、雇用契約はあくまでも5年間で、無期雇用になるのは障害者と医療関係の労働者のみというもので唖然としたこともある。30%を超える非正規労働者が存在する今、無期雇用を勝ち取るたたかいは、格差社会をなくすためにも重要だ。こういう状況だからこそ、国労の出番だと思う」とたたかいへの意気込みを語りました。
平田吉則さん(郵政産業ユニオン)は、「ストライキ支援など県労会議に皆さんにはたくさんの支援してもらっている。昨年、岡山中央郵便局の契約社員が交通事故を起こした。雇い止めになる危険性があるということで、地域労組を通じて団体交渉を行った。引き続き全力で闘っていくのでよろしくお願いします」と連帯の発言でした。
岩本陽輔さん(医労連)は、「社会保障を180度変える改悪が安倍政権によって狙われている。社会保障を自助・自立・公助の名の下で自己責任に転嫁するのもで、決して許してはいけない。改悪メニューが具体化していく中、県医労連は権利としての社会保障制度を守る運動を進めることを大会で決議した。ぜひご協力していただきたい。また、県労会議の毎月10回以上ある宣伝行動に結集していく決意も表明します」と力強く訴えました。
小柴健男さん(高梁市職労)は、「高梁市の職員で文化財保護の職務に従事していた森宏之さんが2004年に過労で亡くなった。しかし、地方公務員災害補償基金はまともな調査もせずに死亡原因を公務外として、公務災害認定をしなかった。この裁判は4年以上続いたが、原告の森貴美さんが勝利した。我々の運動の大きな成果だ。過労死と言う大きな悲劇を生みださないためにも労働安全衛生活動の強化を図っていく」運動の報告とともに、今後の方針を話しました。
川之上隆さん(天神会労組)は、「これまで何度もくじけそうになったが、みなさんの支援のおかげでここまで闘ってくれている。裁判の時現場職員が、『川之上さんはそんなことをする人ではない』と証言してくれたことは本当にうれしかった。やりがいのある介護職場を実現するためにも、これからもよろしくお願いします」と最後まで闘っていく決意を表明しました。
近藤劭さん(年金者)は、「年金改悪によって最も影響を受けるのは若い人たちです。いま65歳の無年金者は80万人以上おり、実に1300万人もの人が10万円以下の年金で生活している。こうした状況で、年金支給額を引下げることは生存権の否定だ。高齢者の収入は減る一方なのに、年金課税は増えている。これでは高齢者は安心して生活ができない。年金者組合は政府決定に対して不服審査請求を提出するなど運動を進めている」と話しました。
谷本守さん(地域労組)は、「地域労組で新しく過半数組合を結成することができた。団体交渉では、年間休日削減を阻止した。これからは賃上げを要求していく。これまでの交渉で、企業が行っている障害保険金積立で1億円以上蓄えていることが判明した。また、定期昇給も何年間も実施されていないことから、遡っての昇給も要求していくつもりだ」と述べました。
萩野敦士さん(県国公)は、「賃金引下げ裁判が3月末には判決が出る予定で進んでいる。ぜひ、みなさんのご支援をお願いします」と訴えました。
討論終了後、議案は満場一致で採択されました。その後、名村常任幹事が大会宣言を読み上げ、拍手で大会宣言は承認されました。
岩佐副議長は閉会あいさつで、「教育問題では今後様々な問題が起こってくるはずだ。例えば学力テスト。ほとんど誤差の範囲であるにもかかわらず、わずかな点数の差が順位に大きな影響を及ぼし、教員はそのたびに翻弄される。教科書採択の問題も今後さらに深刻化するだろう。労働組合でもこうした教育の問題に力を注いでいこう」と述べました。
最後は団結ガンバローで大会は幕を閉じました。
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