日付 2013年8月10日
と き:2013年8月9日13時30分~16時
ところ:岡山労働基準監督署3階会議室
岡山県労会議パート・臨時部会は第449回の岡山地方最低賃金審議会(以下、本審という)の傍聴行動を行いました。
今回は、初めて本審で意見陳述ができるようになったことや最賃専門部会の第1回審議が傍聴できるようになったことは、これまでとの大きな違いです。専門部会の傍聴行動には「生協労組おかやま」の高木さん、「県労会議」の伊原さん、「自治労連」の田中さんの3人が参加しました。
意見陳述をした3人(労働基準監督署のロビーにて)
本審ではこれまで通り、中央最賃の答申や労働局の最賃基礎調査、経済動向や雇用状況、生計費調査、最賃引き上げ後の影響調査などが報告されました。この中で、岡山県内で最賃額691円以下の企業は1.34%だとして、昨年の1.6%を下回ったとしました。また、単身世帯の生計費についての報告が続き、H24年の大卒男女平均初任給は192,700円、H24年は185,400であり上回っていること、経済の状況は持ち直しつつあるとしながらも緩やかで全体として弱いとしました。この最賃基礎調査は傍聴者には配布されず、聞き取りはかなり困難でした。議題は淡々と進み、委員からの質問や意見は一切出されませんでした。私たちはそれぞれが意見陳述(意見書は事前に提出していますが、今回はそれを補う形で陳述が許可されました)を行い、「最賃額が低いためにまともな生活ができない事、10円の引き上げでは改善にならない事、公務の実態でも最賃ギリギリで働かされている非正規の労働者がいる事、審議会の審議内容が分からず委員の問題意識に噛みあった意見陳述ができない事、早期に1000円にすべき事」などの問題点を主張しました。
私たち以外にもマスカットユニオンの片山さんが意見陳述を行いました。委員会審議の最後になって遅れて来たことや意見陳述が5分とされていたにも拘わらず、15分間も行ったことで場がしらけ、使用者側委員から認識が違うと不快感が表明された事は陳述者の姿勢が問われる内容でした。また、最賃審議会への意見ではなく、私たちが要求している1000円の時間給に対して反対を表明するなど、場違いな意見陳述によって時間が延長した事も残念です。この後、専門部会の審議について方向性が出されて本審は終了しました。
専門部の審議傍聴ははじめての経験でした。分かった事は、「労働局の調査が厚生労働省のまやかしの生活保護費実績に基づいており、最賃が685円(H24年)だった時の実績として、生活保護費を99,557円、最賃額を100,837円として、最賃額が生活保護費を上回っているかのように」報告している事は重大です。最賃額が691円となってからはさらに最賃額が改善されているかのように報告する極めて恣意的な内容でした。これに対しても意見・質問は委員から出ませんでした。
生活保護費との乖離問題は今後も正しい認識をしていただくための課題だと思いました。ただ、専門部の審議が非公開とは言え、今後5回行われるという方針は意外でした。正直言って、シャンシャンと3回くらいで終わるのか思っていました。両者の意見が一致すれば、本審の議論は省略されます。
今回の意見陳述でも述べましたが、労使双方がどうゆう意見を述べているのか、そこが聞きたい訳ですが残念ながらそこはブラックボックスです。県労会議は以前に情報公開法に基づいて内容を把握しようとしましたが、黒塗りの報告書が返ってきています。
労働局に対しては、専門部の議論も含めて審議内容を公開するよう求めてきましたが、この壁はかなり厚いと感じています。一度、連合の労働者側委員に懇談を申し入れたことがありますが、その時の委員は、「議論した内容は非公開と申し合わせているのでは懇談できない」と返事してきました。今回は、私たちが言ってきた事が一歩前進したと評価しています。意見陳述でも言いましたが、審議会は今回の措置が私たちのガス抜きとせず、意見をしっかりと受け止めていただきたいものです。
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