12.11岡山県労災職業病・過労死連絡センター2011年総会
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とき:2010年12月11日(土)10時~15時30分
ところ:きらめきプラザ(岡山市南方)
概要:
岡山県労災職業病・過労死連絡センターは12月11日、きらめきプラザ(岡山市南方)で2011年総会を開き、提案されたすべての議案を全会一致で採択し、新年度の役員体制を承認しました。総会後はメンタルヘルス講座が開催され、第1講座では林道輪精神科神経科病院(岡山市)の林英樹院長が、「心の病気の理解のために」と題して講演を行いました。第2講座は産業カウンセラー(京都)の大槻久美子さんが、「職場復帰支援の実際」をテーマに、それぞれが100分間の講義を行いました。参加者は全体で72名となり、講座に対する関心の高さを示しました。
総会方針を提案する藤田事務局長
総会では、藤田事務局長が議案を提案しました。いのちと健康をめぐる情勢では、「メンタルヘルス不全の広がりなど命と健康を守るたたかいは、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現する一環としてすすめることが求められている。自殺者が12年連続で3万人を超え、『被雇用者・勤め人 』は8,582人(26.1%)、管理職は577人(0.2%)で働く人々のなかに自殺者が広がっている。精神障害などの労災請求件数は前年度比209件増で過去最高となり、1136件となったが、逆に支給決定件数は234件で、前年度比35件減(13.0%)となっている。また、過労死の支給決定件数も減少しており、心臓疾患による過労死の請求件数は767件で(前年度比122件減)、支給決定件数は293件(前年度比84件減)と減っている原因には、時間外労働時間の基準を機械的に当てはめて認定から外す方法に問題がある」としました。
センターでは最近の認定支援活動に触れて、5件の支援活動の中で1件の認定を勝ち取ったことが報告されました。その他、産業別労働組合や民主団体から活動報告がされ、県センターの役割や後継者育成の重要性などが強調されました。
アスベスト被害や署名の取り組み支援を訴える本家執行委員長(建交労)
第1講座では、林先生がストレスと心身への影響を医学的な観点から話され、人間にはストレスに弱い口癖や「心の癖」があるとしました。講演の途中にエコグラムによる『性格判断』なども取り入れられ、自分の性格のタイプを発見する取り組みなども行われるなど、楽しく講義を聴くことができました.
講演する林先生(林道倫精神科神経科病院)
講義2では、大槻さんがメンタルヘルス対策と職場復帰支援における労働組合の役割についてお話をしました。厚生労働省の安全衛生委員会でメンタルヘルスが労使で取り組む事項として位置づけられたと話しました。ストレス対策として3つの予防策と①健康な人を病気にさせない②ストレスが多い職場の労働者を病気にさせない③病気を持っている人を悪化させない④職場復帰の支援など4つのベースラインがあると説明しました。労働組合に対しては力強いサポーターとしての役割があるとして5つの役割を提起しました。①元気に働ける職場②元気に定年退職できる職場③職場が原因のメンタル不全者を出さない④職場復帰を支援する⑤事業者を巻き込む運動、など具体的な取り組みを説明しました。
講演する大槻久美子さん(京都・産業カウンセラー)
講義は紙面の関係で十分な説明ができませんが、充実した時間を過ごせました。メンタルヘルスの活動は、これからの労働運動の柱になる活動です。各職場で研修会を重ね、労使が労働安全衛生委員会で職場からメンタルな病人を出さず、気づき合える職場として成長させることが大切です。