連想分類語 組織強化
ところ:静岡県浜松市
概 要:
開催地から歓迎の和太鼓演奏♪
「集い、語り、未来へ!安定した雇用と社会保障の充実を」をテーマとした2010年代の全労連運動と組織を語る大集会が静岡県浜松市で開催されました。全国から700人が結集し、これからの全労連運動についてともに考えました。
静岡県評議長・林克さん
開催地を代表して静岡県評議長・林克さんから、「静岡県民は福島原発事故を目の当たりにして、県民世論が浜岡原発の停止を実現させました。このような中で全労連が全国集会を開催することに大きな期待をしています」との力強い挨拶がありました。浜松市市長代理・村田克弘さんは、「いまは大変厳しい時代にあります。労使双方が努力を惜しまないことが大切です」としました。
主催者を代表して全労連議長・大黒作治さんは、「①全労連22年の歴史から何を学び活かすのかを考えてもらいたい。②同時に、3.11東日本大震災以降からの復興と原発をなくすための闘いはすでに始まっていることに心を寄せてください。③国民春闘の復活の3点を今回の集会で考えてもらいたい」と集会参加者に伝えました。
森岡孝二さん(関西大学教授)による「働きすぎをなくし経済・環境危機を乗り越える」と題した記念講演が行われ、「1970年代後半から正社員、会社人間という言葉が誕生し、過労死が一般に認識され始めました。現在、雇用労働者総数は増加していますが、同時に非正規労働者数も増加しています。増加分が非正規労働者ということです。今日ほど若者が弱い立場に置かれている時代はありません。日本の労働者全体が悪い労働環境にあることが根本の問題です」と日本の労働運動が転換期を迎えていることが示されました。
「全国集会2011」問題提起が全労連事務局長・小田川義和さんからあり、「全労連らしさ(22年の運動)」を活かす4つの挑戦が提起されました。第1の挑戦、労働者の状態を直視可視化する。労働者・国民の状態悪化の根源にある多国籍大企業中心の政治と社会の構造を「可視化」し、転換を求める世論と運動を組織する。第2の挑戦、非正規労働者の状況改善。日本ですべての労働者にディーセントワークを実現する中心課題は非正規労働者の安定した良質な雇用の実現すること。第3の挑戦、「働いて人間らしい生活が保障される社会」の確立。第4の挑戦、総対話と共同、全労連の強化・拡大。「目に見える全労連」「信頼される全労連」をつくることに挑戦する。以上4つの挑戦が提起されました。小田川義和さんは、「4つの挑戦を2012年春闘から実践します」と力強く集会参加者に伝えました。
真剣な面持ちで問題提起を聞く岡山メンバー(*^^)v
その後、特別報告が行われ3名が壇上に立ちました。宮城県労連事務局長・鎌内秀穂さんは3.11東日本大震災の被害状況を説明したのち、「政府の支援は被災者・被災地が主体とされておらず、上からの押し付けられた不十分な支援となっています」と発言しました。愛労連事務局長・吉良多喜夫さんは、「中小企業の競争力強化や大企業の誘致ではなく、地域での仕事おこし・地域での雇用拡大など地域経済活性化の方向こそ重大課題であるという意思統一のもと、名古屋中小企業実態調査活動にとりくみました」と活動報告がありました。日本医労連・森上恵子さんは、「私たちは中身のある執行委員会をつくることを重要視し、話し合うことに重点を置いた学習会を行ってきました。労働組合に参加することは闘いに参加することです」と力強さと自信に満ちた発言でした。フランス労働総同盟国際局長・ジャン=ミシェル・ジュビエさんから、「全国集会2011での実り多い討論と、集会の成功を願います」との連帯の挨拶がありました。
集会2日目はグループに分かれて分科会が開催されました。全労連青年部が主催する青年分科会も開催され50人の青年が参加し、「今後の青年運動をどう進めるのか」「青年を組織するにはどうしたらいいのか」が議論されました。どの組織でも「青年が集まらない」「職場に青年が少ない」の2点が共通していました。「青年を結集するためのイベントも必要だが、現時点で組合に結集している青年が春闘でどれだけ活躍できるかが今後の青年運動に大きく影響する」とまとまりました。
最終日は「雇用の安定と社会保障拡充へ、全労連運動の新たな飛躍をめざして」をテーマとしたシンポジウムが開催されました。シンポジウム助言者一橋大学名誉教授・渡辺治さんは、「新自由主義からの転換、反貧困運動、構造改革路線からの撤退を国民は求めています。運動が雇用と社会保障を前進させる大きな力になることから、安定雇用と強い社会保障を実現する展望とプロセスを私たちは示さなければなりません」と発言しました。大阪労連幹事・嘉満智子さんは、非正規労働者の待遇改善が急務であると「ディーセントワークと非正規分野の運動前進」の重要性について話しました。北海道労連事務局長・出口慶次さんは、「エイトマン運動を提起し、来年の春闘を闘おうとしています。どんな人にも唯一平等に与えられているのは時間です。正規・非正規、官民に共通しているのは帰れない、休めないという要求です。8時間労働制を求めようという運動がエイトマン運動であり、ディーセントワーク運動の入り口になると思います」と発言しました。自治労連中央執行委員長の野村幸裕さんは、「原発ゼロ、TPP参加阻止、税と社会保障の一体改革の政治に終止符を打つ、福祉国家型対案の発表を4大課題として運動にとりくむ」との発言がありました。会場からも発言が相次ぎ、それぞれの職場の現状と課題が発表されました。
集会のまとめとして小田川義和さんは、「今回4つの挑戦として提起したことは労働組合として当り前のことだというしてきもありました。しかし、過密・加重な労働が強いられ、孤立化する労働者の増加し、当り前なことすら困難になっているのが実態です」と労働組合の本流に立ち戻る運動の必要を話しました。全労連副議長・柴田真佐子さんが閉会あいさつを行い、「私たち労働者の要求を実現する闘いをどう広げるのかが議論され実り多い集会になりました。集会で得たことをみなさんの地域・組織で活かしてください」と集会を締めくくりました。
いま、私たち労働組合の運動は非常に困難な状況に置かれています。産別・単組との連帯、意思統一を強化した組織づくりが必要とされていると感じます。
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