連想分類語 最低制限価格
とき:2014年12月11日∼
対象:県内自治体
テーマ:公契約について
県労会議は12月11日から公契約キャラバンを開始しました。折しも選挙と重なり、自治体の対応も様々で、訪問先自治体の変更した対応しています。年内にすべての自治体訪問は困難となりましたが、各自治体の協力で年明けは2自治体の訪問となる予定です。
キャラバンは県北の鏡野町からはじまり、16日までに7自治体を訪問しました。今後は県南の自治体を訪問となります。
鏡野町との懇談
今年の特徴は、①昨年までに公契約条例を策定していた自治体は9自治体でしたが、1年間には17自治体と大幅に増えていることです。賃金の下限設定のない理念条例、検討中の自治体などを含めると全国で48自治体と急速に伸びています。②国の姿勢が変わり、公契約の適正化を研究するとして動きが活発化しています。国土交通省は「技能労働者への適切な賃金水準の確保に係る要請について」として、都道府県と土建・建設会社に通達を出しています。また、「低額発注は適性とは認めない」とする条文や施工体制台帳の作成を義務付けた法律に改定されたことです。
津山市との懇談
美作市との懇談
こうした、情勢の変化とあいまって、県労会議では2014年10月から1ヵ月間、県内1063社にアンケート調査を実施しました。その内容は主に2点ですが、私たちの予想通りの返事が返ってきました。アンケートは275社が回答してくれました。第1は、工事受注額に労務単価の引き上げが反映されていると考えるか?ということです。昨年の4月と今年の2月に立て続けに労務単価が引き上げられましたが、多くの会社がこの引き上げによっても労働者の賃金を上げていないことが分かっています。その原因を探るべく実施したものです。その結果、相次ぐ物価の高騰で、公的な設計材料費計算表が現実の価格に追い付いていないことが分かりました。第2に、来年4月から外国人労働者の受け入れが始まることに多くの会社が「雇用する考えはない」としていることです。当然ですが、短期で技術習得も難しい建設業に外国人労働者は向かないことです。人手不足を理由に雇用を考える業者さんもいるようですが、外国人労働者の雇用で解決するとは思えません。
勝央町との懇談
吉備中央町との懇談
高梁市との懇談
自治体との懇談では、残念ながらこれだけ技術者の大都会流出や人手不足が言われている時でも、質の高い健全なルール作りに取り組む姿勢が見えないことです。旧態依然とした入札を維持しているというのが実態でした。自治体も人手不足や設計のできる技術者の確保が困難になっている現実もありますが、消極的な姿勢に変化は見られませんでした。昨年、指定管理業者との間でトラブルがあった自治体ではその後も改善策は講じることはなく、「特異な例」として済ませていることが分かり残念な思いをしました。また、条例を検討した自治体でも、制定後の委員会の扱いなどで困惑する様子もありました。全体が現状維持に止まっている中で、16日に訪問した自治体では工事の監査を担当している職員から「質の高い工事を求めるのは当然で、総合評価制度は活用している。業者さんにも努力してもらう必要がある。最低制限価格も85%にしているが地域の相場を上げて景気を良くしないと自治体職員も疲弊してしまう」と積極的な意見が聞かれました。初めて手応えのある担当者に巡り合え、こちらの方がびっくりするほどでした。
真庭市との懇談
一筋の希望の光を見る思いでしたが、諦めることなく懇談を続けることの大切さを知った一日でした。
0 Comments | Posted by kiyoshi in 活動日誌
とき:2011年12月26日
ところ:津山市、鏡野町を訪問
概要:
岡山県労会議は恒例となった公契約全県キャラバンを12月26日からはじめ、津山市と鏡野町を訪問しました。新庄村も訪ねる予定でしたが雪のために中止しました。今回のキャラバンは野田市、川崎市に次いで全国3番目となった東京都・多摩市が条例案を議会が全員一致で可決(12月12日)ということもあり、追い風とも入れる状況の中で、条例の必要性を語りながら各自治体の様子をお聞きしました。
津山市との懇談
話のポイントは3点、第1に自治体内の職員数の非正規職員の処遇の動向、第2は公契約に伴う問題点や入札の課題など、第3は3,11の震災を受けて、自治体の防災計画などを県内自治体の一覧表(事前アンケート結果)などを示しながら、問題の把握状況も含めて率直な意見交換を行いました。最初、自治体の財政力指数が話題となり、全県的に指数が落ちている状況について津山市の担当者からは税収の落ち込みが一番の原因としました。鏡野町でも答えは同じでした。津山市の場合、企業誘致のための造成地が埋まらない事態も話され、不況が与える影響を感じ取ることができました。職員の動向では正規職員が減少傾向にあり、財政健全化の一番の矛先が職員給与に向けられていることが分かりました。
鏡野町との懇談
鏡野町では全国的な職員指数が高いため、まだ職員を減らす方針だと云います。非正規職員賃金が上昇傾向にある理由として、津山市で一時金を払うのは法違反という意見もあり、生活賃金を保障するために時間給を上げていると説明しました。一方で専門職の雇用の現状は厳しく、募集しても応募が少ない実態など、財政は厳しくとも簡単には削れないと話しました。公契約では最低制限価格制度の導入や総合評価方式の採用などで年々進んでいる様子が伺えました。しかし、総合評価方式では技術的な難しさもあり、鏡野町では県からの指導を要望しているとしました。また、総合評価は高額な契約に適応しており、中規模や少額では適応していないとしました。最低制限価格制度では基準がないため、価格をくじで決めるなどしているため、業者からも苦情はある、と津山市の担当者からは「難しい」と悩みが出されました。防災対策では具体化はこれからの様子でした。緊急時の契約も含めて協定が結ばれているが、原発の対応までは進んでいないことが分かりました。鏡野町では年に一度、県や自衛隊なども含めて人形峠などの放射能漏れを想定した訓練をしていると話しがあり、印象的でした。
0 Comments | Posted by kiyoshi in 公契約運動