岡山県労働組合会議

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月別 2021年12月

12月12日(日)、市民のつどい2021の特別分科会「いちから学ぶSDGs」と第三分科会「SDGsを活かした持続可能なまちづくり」が開催されました。ふたつの分科会は連動したものとなっており、特別分科会で基本を学び、まちづくり分科会で実践事例を学ぶことができるよう組み立てられています。岡山県労働組合会議は特別分科会の運営を担いました。

<いち>から学ぶSDGs

SDGsは地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、全世界で取り組むべき目標として定められています。しかしながら、その壮大さゆえに身近なものとして考えるのを難しく感じている人や具体的に何をしたらいいのかわからず悩んでいる人は多くいます。この分科会はSDGsを基本から学び、自分ごととしてとらえ、行動をしていくためのヒントを得ることを目的に開催されました。

小桐登氏(岡山SDGsネットワーク事務局)が講師を務め、「SDGsは持続可能な開発・発展のための目標のことで、人類が人間として生き抜くための知恵ととりくみと解釈できる」とし、私たちの暮らしの構造について地球環境⇒社会⇒経済の順番で成り立っていることを解説。小桐氏は、「空気や水、土、食べ物があるから社会生活を維持できる。しかし、いつの間にか経済が最優先になってしまった。もし今のままの経済活動やライフスタイルを続けると、2030年初頭に気温は1.5℃も上昇することになる。すると私たちが生きていくための土台である環境が崩壊し、生活が成り立たなくなる」と危機感を述べました。

SDGsの日本の取り組み状況について、ジェンダー平等がまったくと言っていいほど達成できていないこと、貧困・格差の拡大が大きく拡大していることから世界でも最も評価が低い現状であることを紹介し、「最初に経済成長しその後で改善をはかるというこれまでのやり方ではいけない。先にビジョン=未来を描いて逆算してとりくみを具体化することが必要だ」と話しました。

講演終了後、SDGsカードゲームを行いました。仮の社会課題を想定し、カードに書いてあるリソース(社会的資源)を利用して課題解決の方法をグループごとに考えました。

参加者の中には中学生もおり、SDGsとは何かを理解するとともに、これから自分ごととして考える一助になったものと思います。

SDGsを活かした持続可能なまちづくりを考える

誰一人とり残さない社会を実現するために多様な人々や団体が行動しています。この分科会では、4つの事例報告を聞き、持続可能なまちづくりを進めるにはどうしたらいいのかをディスカッションしました。

NPO法人岡山マインド「こころ」の多田伸志氏が「当事者が傍を楽にするまちづくり」と題して報告しました。マインド「こころ」は精神病院にあっても24時間開放型として運営しているまきび病院に入院している仲間たちと一緒に2002年にNPO法人を結成されました。多田氏は、「私たちの活動の中心は当事者。暮らしの練習からはじめ一人暮らしを支えている。10年間地ビールをつくり続けており、醸造からビアホールの運営、イベント販売、配達まで当事者が行う」と日々の活動を紹介しました。そして、西日本豪雨災害を機により一層地域とのつながりが強くなったとし、「まちの人に帰ってきてもらうためにできることを考え、地ビールと音楽の夕べを開催。要援護の人たちのためにお互いさまセンターまびを開設し、通院や買い物などを手伝っている。そして、毎月開催される真備連絡会では精神障碍者当事者も参加し発言するようにしている」と地域住民と顔の見える関係性を構築したことが活動の広がりをもたらしたことを述べました。

続いて、NPO法人きずなの相談員・川元みゆき氏が報告を行いました。川元氏は、「ホームレスとは家がないだけを言うのではない。経済的貧困と社会的孤立はちがい、家がない(ハウスレス)状態が経済的貧困であり、関係の貧困がホームレスだ」とし、「私たちは問題を解決するだけでなく、そこを乗り越えた後の生活をはじめ人生全体を考えた支援を実施している。大切なのは、相互的な支援であり、支援するという一方的な関係性ではなく、時には当事者に助けられる関係性を大切にしている」と話しました。また、新たな施設を開設しようとした際に住民反対にあった経験を語り、「住民との関係構築が課題になっている」と今後について語りました。

2つの事例から、日々の活動において地域住民との関係性が、とりくみを活発なものちとし持続可能な社会につながっていくこと知ることができました。

○高校生のとりくみ

後半は、岡山県立奥高等学校と岡山学芸館高等学校の生徒がSDGsの実践例が報告されました。

邑久高校の生徒たちは、瀬戸内市の抱える課題を若者人口が少ないことと位置づけ、課題解決のために教育旅行プランの作成を行ったことを報告しました。楽しいだけでなく今の日本が抱える問題を間歩ことができる学習観光をテーマに、ハンセン病の歴史と患者への差別偏見の実態を盛り込んだ内容となっています。

学芸館高校の生徒たちは、五福通りを中心にした地域活性化プランを報告しました。五福通りは映画の撮影に使われるなど観光資源でありながら、高校生や若者が足を運ぶことはなく、高齢化による景観維持が困難になっています。そこで、五福通りに愛着を持つ高校生を増やし、将来的な担い手になってもらうことを目的にイベント開催を提案し、実践しています。

SDGsといえば国際的な課題や社会的な課題をイメージしがちですが、自分たちの生活の場である地域の課題を解決することも大切であることを考えさせられました。

 

はじまりは言葉かけから

すべての土台になるのは環境であり、社会、経済はその上に成り立ちます。私たちはそうした前提の上に様々な交流を行っています。コミュニティコーディネーターの小川孝雄氏は、「SDGs目標を達成するためには、協働関係を気付いていくことが大切である。大切なのは言葉。言葉をかけることで関係性は広がっていく」と全体をまとめました。

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