岡山県労働組合会議

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県労会議最賃アクション

と き:2020年8月~9月
概 要

県労会議は全労連最賃アクションプランに基づき、県内の経済団体、民主団体、との懇談。岡山県選出の国会議員への要請行動を開始しました。最低賃金1500円の実現と全国一律最賃制度の実現がテーマです。懇談の結果を報告します。

〇津村啓介衆議院議員〇

8月25日(火)、国民民主党・津村啓介衆議院議員と懇談を行いました。

全国一律最賃制度の意義について説明すると、「時代の変化を考えると地域ごとバラバラに設定されている状況は改善しないといけない」と署名の紹介議員を快諾していただきました。経済的観点からも全国一律での最賃引き上げに賛同を得ることができました。

津村議員は、「時代の変化から全国一律最賃制は当然だと思う。大企業を誘致して地域経済を活性化させる時代ではない。いかに地場産業を盛り上げ、内需を拡大していくのかは大きな課題だ」と意見を述べてくれました。

〇阿部俊子衆議院議員〇

8月29日(土)、阿部俊子衆議院議員と懇談を行いました。

わたしたちの要請に対して阿部議員は、「全国一律にするかどうかは党の判断。しかし、地域ごとに生活費に違いがあり、全国一律に最低賃金を引き上げることは企業経営の点からも難しい」と賛同はいただけませんでした。

自民党内にも全国一律最低賃金制度を検討する議員連盟が発足するなど情勢は変化しています。これまでは懇談ができなかった自民党議員と懇談が実現したという点でもわたしたちの運動は前進しています。

〇岡山県自治体問題研究所〇

8月31日(月)、岡山県自治体問題研究所と懇談を行い、花田雅行さん(自治体問題研究所・事務局長)、磯部作さん(国土問題研究会・副理事長)唐鎌克樹さん(倉敷市立短期大学・助教)が応じてくれました。

最低生計費試算調査の結果説明を聞いた磯部さんは、「自身の生活実態からしてもその通りだと思う。日本の経済を回復させるためには、賃上げにより購買力を高めることが必要だ」と感想を述べました。また、唐鎌さんは、「生計費は無条件に保障されないといけない。しかし、実際問題として中小・零細企業への支援なしでは困難だ。購買力の向上による地域経済活性化は不可欠だが、国や県の支援制度は実効性に乏しい。どのような支援が効果的なのかは専門家の間でも答えが見いだせていない」と実効性のある企業支援の必要性を話しました。

また、磯部さんからは、労働時間短縮、ベーシックインカム(最低限所得保障)について労働組合として考える必要もあるのではないかと問題提起されました。

〇岡山商工会議所〇

9月9日(水)、岡山商工会議所との懇談を行い、中小企業支援部に応答してもらい、主には最賃引き上げのための中小企業支援策について意見交換を行いました。

岡山県内の経済状況について、「地域経済活性化のためには購買力を高めるしかない。コロナ禍で持続化給付金で何とかなっている企業は多いが、12月以降の見通しはない」と非常に厳しい状況にあることを聞きました。

〇岡山経済同友会〇

9月11日(金)、岡山経済同友会と懇談を行いました。同友会事務局長が応答してくれ、これまでの懇談を踏まえ、内需経済活性化、賃上げのためには具体的にどのような方策があるのかをお聞きしました。

全国一律最賃制と時間給1500円の意義については理解を示してもらえ、「地域経済を活性化する必要があるが、これまでのような観光経済頼りではいけない。地域から内需を拡大し循環経済を実現しないといけない。同友会としては、SDGsが大きなテーマとなっており、その枠組みで三方よし(売り手・買い手・社会)の企業活動をめざしている。それがイノベーションにつながり、ひいては賃金の引き上げにもなると考えている」と見解を聞かせてもらいました。

〇柚木道義衆議院議員〇

9月14日(月)、柚木道義衆議院議員と懇談を行いました。

柚木議員は既に全国署名の紹介議員であり、今年度も紹介議員となってもらうことを承諾していただきました。

柚木議員は、最低生計費の考え方について大切な視点であるとし、「最賃の引き上げをしていくうえでは企業援助も必要だが、単に差額分を補填するだけではいけない。また、賃上げをした企業を無条件に支援することも違うのではないか。事業評価を公正に行う必要がある」と意見を述べました。

また、本人はベーシックインカムの導入の必要性を考えているようで、今回の生計費調査の結果を参考にしながら考えていきたいとのことでした。

コロナ危機を乗り越えるためにも内需経済を活性化させることが必要である点。地場産業を活性化させ地域経済を盛り上げることが必要な点。この2点は全ての人に共通した意見でした。県労会議はこうした一致点を大切にし、最低賃金の引き上げを実現できるよう、社会的賃金闘争を一層拡大させていきます。

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