日付 2020年8月11日
と き:2020年8月7日(金)10:00~
ところ:岡山県庁記者室
概 要
8月7日(金)、岡山県労働組合会議は8月5日に岡山地方最低賃金審議会で出された1円引き上げの答申に関して記者会見を行いました。会見には、6人が出席し山陽新聞社、RSKの2社が応答してくれました。
今回の答申通りの改定が行われたとすると、月150時間労働(ワークライフバランスが保たれた労働時間)で月額125,100円(年収約150万円)にすぎない。これでまともな生活ができないことを訴えました。
平林事務局長は、「感染拡大の中でも活躍しているエッセンシャル・ワーク(必要不可欠労働)の労働現場は、その多くを低賃金の不安定雇用労働者が支えている。例をあげると、2020年の夏のボーナスを昨年より引き下げた医療機関が約3割に上るそうだ。常に感染危機にさらされ、過重労働にあるのにこれでは矢ったられないとの声が多数ある。最低賃金を大幅に引き上げ、賃上げのイニシアティブを発揮していくことが求められている」と語りました。
三上議長が声明文を読み上げ、現在直面している経済悪化は、コロナ禍以前からの賃金低下、消費税の引き上げなどによる個人消費の落ち込みから始まっていること。現在の経済を活性化するには、国民の消費購買力を向上させること以外に道はないことを強調。三上議長は、「最低賃金の大幅な引き上げや全国一律制度の確立はコロナ禍の経済悪化から脱して、地域循環型経済をつくるベースになると確信しいる」と述べました。
記者からは、最低賃金がどのような過程で決定されるのか、岡山地方最低賃金審議会の役割について質問がありました。
生協労組おかやまの山本泉さんは、「パートで働いている労働者の賃金は最低賃金に張り付いた水準だ。生活が立ち行かないためダブルワーク、トリプルワークをせざるを得ない状況だ。企業の支払い能力ではなく生計費原則にもとづいた改定が必要だ」と語りました。
岡山医療生協労組の岩本千鶴さんは、「医療従事者の賃金は高いと思われがちだがそんなことはない。コロナによる赤字を理由に定期昇給のストップ、ボーナスなしとする医療機関が出始めている。感染リスクの中で命を削りながら医療従事者は働いている。このままでは医療崩壊してしまう」と実態を話しました。
最後に県労会議の弓田さんが最低経費試算調査の結果について解説しました。岡山で普通に生活しようと思えば、月額24万8511円以上必要であり、現行の最賃水準は貧困と格差を固定化するように作用しているとしました。
弓田さんは、「全国でも同様の結果が出されていることから、最低賃金は全国一律で1500円以上にすべきだ。それを見越し、今すぐ1000円を実現してもらいたい」と訴えました。
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