岡山県労働組合会議

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日付 2015年5月11日

とき:2015年5月9日~10日

ところ:広島県神田山荘(原爆被爆者の療養施設)

5月9日から2日間、全労連中国ブロック総会&労働相談員研修会が開かれ、中国5県から68人が参加しました。初日は、緒方佳子さん(広島大学大学院法務研究科教授・広島県労働委員会公益委員)が「労働法規制改革の概要と労働組合に求められるもの」と題して、記念講演を行いました。また、全労連の岩橋祐治常任幹事が、「最近の労働相談の特徴や相談活動の注意点」などについて問題提起をしました。岩橋さんは2日目にも労働相談分科会の講師として、「労働相談の基本的構えやこれだけは身に付けたい労働法の基本」を自身の豊富な経験を紹介しました。

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ここではお2人の話の要約を紹介します。

緒方さんはじめに、今回の法改正の動きは憲法27条の「労働権の保障」や労基法の「人たるに値する生活」の概念が根本から崩される最大の危機を迎えているとしました。労働法規制改革の現状に触れて、政府は労働者派遣法が過去2回廃案になる中で、巧妙に有期契約労働者等に対する特別措置法を成立させ、今日の残業団ゼロ法案や成果主義賃金に繋がる労働時間法制改革に結び付けていると説明しました。その上で今回の労働時間法制改革案が7つの柱で提案されているが、どれも基本は残業代を払わなくてもいい仕組みになっていることだとしました。憲法27条(勤労の権利と義務)に沿ってつくられた労働基準法は最低基準を示すもので、この趣旨に沿って労働移動型の雇用政策は憲法の趣旨に合致するのか?と問題を提起しました。財界が言う衰退産業から、成長産業への労働力の移動は不可避としている点について、「ある意味、当然」としながらも、それを強制することの是非が問われるとしました。また、改正派遣労働法は不安定雇用、労働市場の崩壊、人権侵害が横行する職場が現れ、憲法にそぐわない結果を招くと具体的に説明しました。緒方さんは最後に、考えなければならない問題として、「なぜ、過重労働が減らないのか?実効性のある36協定に」「残業代ゼロ法の意義を深めること」「成果に応じた賃金の支払いは企業の裁量でどうにでもなる」といくつかの問題点を指摘しながら、今回の労働法の規制緩和はあまりにも性急で、情報収集や検討・議論が追いつかず、問題が多いと話しました。

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岩橋常任幹事の問題提起は、「全労連全体で2014年の労働相談は21,719件、労働基準監督署の50分の1だ」として、「相談者の男女比はほぼ同数、各世代からまんべんなく受けている。雇用形態では正社員が半数近くで、中小企業からの相談が多い」と話しました。相談の1位は「賃金・残業代の未払いが1位、次にセクハラ、パワハラ、いじめ」だとして年々増加傾向にあると話しました。ローカルセンターが労働相談活動を進める上での注意点は、「あくまで未組織の組織化が目的であり、それは相談者の要求実現にとって最も効果的な組織保障」だとして、あくまで本人を要求実現の先頭に立たせ、援助することに大切だとしながら、ローカルセンターが相談員任せにしないことや事例検討など学習や研修を欠かさないこと、労働相談員を支える体制の構築がなければ相談員も疲れてしまうと強調しました。

 

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