6.21-22 いの健セミナー
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と き:2014年6月21日(土)~22日(日)
ところ:国際交流センター
概 要
いのちと健康を守る第6回中四国セミナーが6月21日~22日の日程で、岡山市岡山国際交流センターで開催されました。203人が参加しました。
開会では、現地実行委員長山本勝敏さん(弁護士)があいさつを行い、「日本の大企業は海外進出して、低コストの製品を逆輸入し、規制緩和、市場原理で働くもののいのちと健康を破壊しようとしている。これに対するたたかいを強めよう」と挨拶しました。
続いて、全国センター中林事務局次長が、「集団的自衛権容認、残業代ゼロをはじめ安倍政権が暴走しようとしているが、それに対する批判も大きく広がってきている。ここに集まったみなさんにいのちと健康を守る運動を進める中心になってもらいたい。そのためにも全県の地方センター結成をすすめている」と話しました。
全体会では労働科学研究所の佐々木司さんが講師となり、「夜勤は有害『保護と規制は当たり前』を世論に」と題した講演を行いました。佐々木さんは、「夜勤労働者は、全体の約2割しかなく労働実態がよく知られていない。人間は、夜に睡眠するという生理的なリズムがある。そのため、夜勤をすることでリズムが崩され、ストレスが蓄積して、健康を乱すことになる。夜勤は酒酔い状態と同じ程度の集中力しか発揮できない」と話し、「大切なのは労働を時間で考えるのではなく時刻で考えることだ。安全性に大きな危険があり、頻発する夜間高速バス事故問題、夜光の青色光はがんの原因となり、デンマークでは看護師の乳がんが労災と認定されていること、週末の連休も取れず、夜勤入りの前には遠くにも行けず、社会生活が崩されている実態など、こうした夜勤労働の弊害を広く訴えることが必要だ」と強調しました。
また労働環境の改善について、「改善策は3つ考えられる。勤務制度や人員を補充すること(システムの改善)。やらなければならないことを改善すること(ワークの改善)。やることとやらないことを決めること(ジョブの改善)。大切なのはシステムの改善よりもジョブの改善だ。看護現場に関して言えば、看護は24時間の仕事、そして看護と看護労働は違う。過剰看護になっていないだろうか」と最後に話しました。
続いてのミニシンポでは、福田幸恵さん(岡山医労連委員長)が看護師の実態とたたかいを報告しました。「厳しい夜勤に入る看護師が少ないために、自分が病気でも休めず、点滴を入れながら、患者を看護することもあった。子どもが急に病気になっても休みが取れないことがとてもつらかった」と実態を報告し、夜勤月8日以内を目指してきたたたかいの歴史と到達を発言しました。
その後、JRの実態を片岡公夫さん(国労岡山地本書記長)が報告。組合つぶしの攻撃で会社の利益第一の一方的な労働時間が押し付けられ、勤務間隔が4時間、1回の運転が30時間になるなどの実態となっていること、これへのたたかいが報告されました。
講演会終了後は7つの分科会に分かれました。2日目の閉会集会では各分科会から報告が行われました。
第1分科会「職場のストレス、メンタルヘルス対策を考える」からは、「近年精神障害による労災認定、自殺が増加している。職場のストレス、ハラスメント、人間関係など様々な要因が考えられる。労働者の権利を周知し、働きやすい職場づくりを進めないといけない」と報告がありました。
第2分科会「学校にローアンの風を」からは、「教師のメンタル不全は直ちに改善しなければいかない状態にある。改正労働安全衛生法の活用や職場改善などを進めないといけない。長時間過密労働をどう解決していくのかについて討論では議論が盛り上がった」とのこと。
第3分科会「夜勤・交替制労働を考える」では、「時間でなく時刻で捉えること、ジョブ型への移行などの質問が相次いだ。夜勤が生活給になっている人がいること、そもそも夜勤をどう減らすかについても活発な意見が出た」と報告がありました。第4分科会「有害物質、じん肺・アスベスト闘争の到達点と課題」からは、「裁判闘争の報告や全国からの教訓など活発な議論が行われた」との報告がありました。第5分科会「基礎講座、安全衛生の基礎と委員会活動」からは、「今の労安法は現状に合わなくなってきていることや、労働安全衛生委員会の形骸化など、マニュアル的なものになっている。職場から出る声を活かした活動にしないといけない」との報告でした。第6分科会「ブラック企業と過労死、家族、支援のたたかい」から、「そもそもブラック企業とは何かを踏まえ、どうたたかっていくべきなのかを学んだ。結論としては労働組合の存在が不可欠になるとのことだった」と報告がありました。第7分科会「腰痛などの予防対策」からは、「腰痛は発生率の高いものになっている。腰痛予防指針では作業管理、作業環境管理、健康管理、労働衛生教育の4つのポイントがある。まずは指針の内容を労働者自身が理解し、職場に広めていかないといけない」と報告しました。
閉会あいさつを藤田さんが行い、「大飯原発差し止め訴訟の判決文で、個人の生命・自由・幸福を追求する人格権は経済活動を上回るとあった。今まさに安倍政権によって人間の命と生活が経済活動の名の下に侵害されている。断固としてたたかっていこう」と話しました。