6.16川中原爆訴訟判決
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とき:2010年6月16日(水)14時~
ところ:岡山地方裁判所
概要:
「私の病気の原因は、原爆であると認めてください」と裁判に訴えていた川中優子さんの判決が6月16日、午後2時から岡山地方裁判所で行われ、裁判長は「原告(川中さん)の請求を棄却する」と判決を言い渡しました。
原爆症認定集団訴訟で国はこれまで25連敗をかさね、「被爆者の実態に即した」判決が全体の流れになっていました。この流れに逆行する判決に傍聴に参加したおよそ80名の支援者たちは「不当な判決」と強いいきどおりと共に声も出ませんでした。
判決後、岡山弁護士会館で報告集会がおこなわれました。
裁判所入りする訴訟団
この判決に対し、記者に感想を聞かれた川中優子さんは「被爆者に対しあたたかい判決を期待していたが裏切られました。今日は勝利判決を期待してきました、残念です。旧態然とした国の方針に沿った判決だと思います。」と感想を述べました。
近藤弁護士は「きわめて不当な判決だ。被爆の状況、急性症状など被爆者の声に耳を傾けようとしていない、評価もしていない。いま黒い雨の地域拡大が言われており、川中さんの被爆した仁保地区でも降ったことは明らか。1歳で被爆したという感受性の高い年齢での被爆も考慮しない、昔の基準に逆戻りした判決といわざるを得ない」と判決を厳しく批判しました。参加者からも怒りの発言が続きました。
全国弁護団事務局長の宮原弁護士は「これまでの流れ〔国が25連敗〕に反する判決だ。被爆者援護法の精神は、被爆者の心に寄り添ってつくられており、今日の判決は援護法の考えを理解していない判決だ。同時に、積極認定の審査方針に反し、集団訴訟以前の状況に引き戻す判決といわざるを得ない」と話しました。
記者会見をする川中優子さん(右) 近藤弁護士は左
近畿弁護団の藤原団長も「今日の判決を聞き闘い続ける必要があることを痛感した。被爆者がどのような思いで生きてきたかわかろうとしない判決だ。認定がほしいなら『証拠を出せ』『証明せよ』は、援護法の精神に反する発想の判決だ」と発言しました。
川中裁判を支える会松岡会長は「私は1人の被爆者で、医師であります。今日の判決は『国が言ったことをそのままコピーした』といわざるを得ません。この怒りを被爆者援護・連帯の運動と核兵器廃絶の運動に発展させましょう」と挨拶されました。