日付 2021年5月17日
5月15日(土)、全労連青年部主催のユニオンユースアカデミーが開催され、全国から48人の青年が参加しました。
今回は、組織拡大のための手法を学ぶことをて-真西、コミュニティ・オーガナイジング(CO)の一部を体験できるワークショップが行われました。
開会あいさつを行った、全労連青年部の保科部長は、全労連青年部としてもCOのフルワークショップ開催を検討していることに言及し、「理論的に体系化されたCOの手法を全国の青年と一緒に学んで、行動するその第一歩にして欲しい」と語りました。
COとは何か
講師を務めたのは、コミュニティーオーガナイジングジャパンの安谷屋貴子氏で、COとは何であるのかを基本から話しました。
安谷屋氏は、「COにもいくつかの流れがあるが、私たちが学ぼうとしているのは〈仲間と一緒に変化を生み出していく〉こと。つまり、困っている人を単に被支援者として見るのではなく、課題解決のための主体者としていくことを重視している」と説明しました。
活動の大小に関わらず共通しているのは、一人のリーダーが自分の力ですべてを変えるのではなく、普通の人たちが共通の価値観、目的の元に集い大きな力を発揮していくことが大切な点となります。そのための手法を体系的にまとめたのがCOです。
COを活用する意義について、「今の日本では社会問題に対して声をあげると揶揄されたりと、声をあげることそのものが難しい。そうした現実の中で変化を生み出すには手法を使っていく必要がある」とも述べました。
事例報告
COを活用した事例として、さっぽろ青年ユニオンの更科氏から子育て緊急事態アクションが報告されました。
このキャンペーンの目的は、「小学校休業等対応助成金」の個人申請を実現することにありました。
署名運動をやっても思うような成果が得られない中、COを用いて当事者を組織し、「#子育て緊急事態宣言」のTwitterデモを実施。投稿数1.7万件を超えトレンド入りし、政府に対して、助成金の個人申請を認めさせました。
ワークショップの内容
安谷屋氏は、活動を成功させるためには価値観の共有が大切である言いました。そのためには、相手とお互いの興味・大切にしていることを共有することで関係構築していくことが大切になります。実際に対話の練習をすることで話のすすめ方のポイントを学びました。
現在、日本の労働運動は大きな困難に直面しています。COの活用は、は労働運動を前進させるひとつの方法になるはずです。
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5月15日(土)、子ども・子育て教育のつどいがオンライン併用で開催され、55人が参加しました。講師は、教育研究者であると同時に高知県土佐町議会議員でもある鈴木大裕氏。鈴木氏は、コロナ禍がうつしだした教育の闇と光というテーマで講演しました。
世界では学校・教育の新しいあり方が模索され始め、コロナ禍で新自由主義の限界が問題視され始めています。しかし、日本では市場原理主義による「学力テストによる序列化」「公立学校の再編統廃合」「教員不足」が進み、教育が危機に瀕しています。こうした現実にどう立ち向かっていくのかを学びました。
問うべきは今までの教育
鈴木氏は、「昨年、首相によるトップダウンで全国一斉休校となった。しかし、本来は文科省や地方の教育委員会が決定すべきことだ。それなのに、まともな議論もないまま休校となった。ここに日本の教育行政の弱体化が表れている」と指摘し、「コロナ禍によってこれからの教育・学びのあり方がしきりに議論されるようになった。しかし、問わないといけないのは、今までの教育はどうだったのかということだ」と問題提起しました。
学校・教員の役割
鈴木氏は、現在の子どもたちは英語教育、ICT教教育などで非常に忙しい状態にあるとし、背景に、いい企業に就職することが目的化していることを指摘しました。そして、「テストでいい点を取るだけなら学校よりも塾のカリスマ講師の講義を聞いた方がはるかに効率的であることは間違いない。アメリカでは教育の超合理化・商品化・民営化が進んでいる。しかし、学校・教員の役割はテストでいい点を取ることだけではない」とアメリカの事例を交えて教育の合理化を批判しました。
その上で、子どもたちの声として、みんなと一緒に遊びたい、修学旅行に行きたい、部活したいとの声が多いことを紹介し、「子どもたちは学校は授業の為だけにあるのではないことを分かっている。わたしたちが問わないといけないのは、生徒の学びに喜びはあるのかということだ」と訴えました。
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