カテゴリ 長友薫輝
とき:2016年8月20日(土)13時40分∼
ところ:労金ビル
8月20日(土)、岡山県社会保障推進協議会は第23回総会と同時に、「社会保障解体攻撃への対抗」と題した長友薫輝(ながともまさてる)さん(三重短期大学教授)の講演を行いました。総会には約40人が参加しました。
長友教授は三重県という地域性を説明するために伊勢志摩サミットの写真をパワーポイントで示しながら、自身が三重県で社会福祉審議会委員や国保運営協議会準備会委員、地域包括ケア推進協議会会長などを務めていると自己紹介しました。
話は社会保障とは何か?という原則論から始まり、医療や介護の費用負担ばかりが強調されるが、お荷物なのか?と問いかけながら所得格差と健康格差に相関性があること、社会保障は町づくりでもあることを説明して、日本の社会保障の特徴を述べました。
その中で保険の原理だけを強調して「保険料を納めた者のみにサービスを提供するという考え方」は公平性を欠き、社会保険に対する正確な認識が著しく乏しい制度に変質しているとしました。
さらに、非科学的な思考や行動と決別しようと呼びかけ、「社会保障はムダ」「経済成長の邪魔」ではなく、「社会保障は経済活動そのものだ」と強調しました・
また、「非科学的な政府の宣伝がまかり通っている」として、貧困や健康の自己責任論、生活保護の不正受給、生活保護者が多いという間違い、生活保護基準が低いために地域最賃額が低く誘導していること、低く見積もられる公共サービスなどの問題点を指摘しました。
長友教授は政府が進めている地域医療構想、地域包括ケアシステムなどについて、地域の状況を無視した上からの押し付け計画だと批判しながら、どうしたらいいのかを提起しました。
それは要求を出すだけでなく、データに基づいた戦略が必要だとして、地域で介護・医療保障づくりをすすめることで政策が変わることを、秋田県鹿角市を例に参加者を励ましました。さらに地域で政策をつくることだとして、味方を増やすことや働きかける力を身につけるなど発想の転換で、「守る」運動よりも「つくる」動きを形成することだと運動の転換を求めました。
0 Comments | Posted by kiyoshi in 岡山県社保協総会, 長友薫輝