岡山県労働組合会議

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カテゴリ   過労死シンポ

とき:2017年11月11日(土)13時30分~

ところ:岡山市アークホテル

3年目にとなる過労死等防止対策シンポが岡山市のアークホテルで開かれました。講師の伍賀一道(金沢大学名誉教授)が「今日の働き方と過労死防止の課題」をテーマに80分話されました。参加者は約70人。質問を受けた後、「働き方改革の実践例」として、建築会社の安藤嘉助商店の倉守仁司さんが長時間労働を無くすための取り組みを話しました。質問ができなくて残念でした。

過労死等防止法は2014年11月1日に施行されました。そのために毎年11月を対策月間としてシンポジウムが開かれています。このシンポジウムは厚生労働省が主催するものですが、岡山市が後援、県労会議や過労死弁護団、過労死を考える家族の会、働くもののいのちと健康を守るセンターが協力しています。

伍賀先生は冒頭に「過労死が社会問題になって30年、雇用と働き方はどのように変化したのか」と雇用形態の変化を今日まで統計にそって、非正規が急激に増え女性は57.5%が非正規労働だ」と指摘しました。

過労死と過労自殺は長時間残業とパワハラなどのストレスが重なって発生すること、月80時間の残業が過労死ラインだとしました。しかし、労災申請は自殺と疾患を合わせると2413件(2016年)、労災認定は758件であり、3分の1しか認められていないとしました。それは労災隠しが会社ぐるみで行われるからだと話し、公務員の過労死も隠されており、公務災害が協議されないと労災にならず、民間の過労死とは同じ条件ではなく、公務員の過労死判定は難しいと解説しました。

電通の高橋まつりさんやNHK記者の佐戸未和さんなどの事例に触れながら、過労死で優秀な人材を失っている実態を告発しました。

毎日新聞の記事から教員の6割が過労死ラインの残業をしている実態、年齢的にも30代から50代の長時間就労が問題だとしました。ストレス、深夜労働が身体に深刻な影響を与えると統計から示しながら、日本は過剰な気配り労働が求められストレスの原因になっていると、ヨーロッパとの比較をしながら過労死の実態に迫りました。

どうやって過労死をなくするのかの提案として、労働時間の上限規制、インターバル時間の確保が重要だとして、とりわけ労働組合の取り組みが問われていると強調しました。先生は長時間残業には労組との間に36協定が必要だが、過労死するような長時間労働を協定する労働組合の姿勢が問われると強調しました。さらに、過剰なサービスを追及する競争やこれを支持する消費者の発想の転換を求めました。

私は全国でこうしたシンポや自治体が主体となって取り組む「働き方改革」は奨励されるものの、政府が月100時間もの残業を認める規制緩和法案を出そうとしていることが問題だと考えています。先生はこれを厚生労働省の担当者に説明させようとしましたが、誰も説明には立たれませんでした。ここに今日の過労死問題の核心があると思います。

休憩時間を挟んで、小工房の車福さんが「ケンちゃんの夢」と題して、お父さんを過労死で亡くした子どもさんを題材にした落語を演じました。悲しいお笑いです。

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