岡山県労働組合会議

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カテゴリ   楠晋一弁護士

と き:2016年4月2日(土)13時30分~16時30分

ところ:おかやま西川原プラザ

4月2日(土)、中央社保協、社保協近畿ブロック、中国ブロック主催で第2回滞納処分差し押さえ問題西日本交流集会がおかやま西川原プラザで開かれました。国保の差し押さえは、全国の滞納は3,364,023世帯に対して、277,303件(8.2%、2014年度)と非常に高い数字です。悪質な滞納者というレッテルを張られ払いたくても払えない国保税を自治体が競って差し押さえで徴収する姿が浮き彫りになりました。この集会には社会保障運動、民商、生健会などの関係者145人が参加しました。

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大阪市で差し押さえ問題に取り組む楠晋一弁護士がその背景や問題点を詳しく説明し、質問に対しても丁寧に答えました。全国ワースト1位(差し押さえ件数1万766件、2014年度)の前橋市から司法書士の仲道宗弘さんが役所の違法な取り立ての実態を紹介しました。また、広島、兵庫、大阪の3県から具体的な事例と活動が報告されました。

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楠弁護士は「小泉政権以降、地方自治体の財源が減額され自主財源を確保する立場から国保の差し押さえが激しくなってきた。しかし、そこには原則があり、法律に根拠のないことはできないし、根拠があればしなければならない」として、「どのような実態であれ、心情的に同情の余地があっても役所は救ってくれない。職員も根拠なしに救えば違法となり、懲戒処分の対象になる」と話しました。その上で「滞納処分とは何か」と問いかけ、「市役所と市民との関係は、市民が市役所に支払いの義務があるものでも、公債権(税金、国保料、介護保険料、保育料)と私債権(公営住宅家賃など)の2つがある。滞納処分は、公債権について滞納が生じた場合に、役所が滞納税金等を回収するために行う一連の手続きであり、法律上、滞納処分は義務的に行わなくてはならない。私債権は役所が裁判に訴えない限り強制執行できない」と説明しました。その上で差し押さえにはルールがあり、差し押さえの財産は滞納者の財産であること、2か月分の最低生活費(66万円)は差し押さえ禁止財産となること、職業や事業の継続に必要な機械や機材、備品は禁止財産にあたること、民事では給与も4分の3の部分、もしくは33万円のいずれか低い額を超えて差し押さえすることはできないが滞納処分の場合は別に禁止額が別に定められている」としました。したがって、民事では年金・恩給、休業手当を差し押さえできないが、滞納処分では年金、恩給も給与とみなされ認められていると、その厳しさを説明しました。

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前橋市の実態を報告した仲道さんは「借金があって税金を払えない人は多い。ある日、突然口座が空になるなどの事例が頻繁に起こっている。そうすると驚いて滞納者が市役所に来る。すると密室で職員とのやり取りが始まる」と市当局の狙いを話しました。「市の職員は本人のためだ、と本気で言っている。初めから悪質と決めてかかっている。追い詰められた市民は財産を差し押さえられ、生活保護へ移行しているため、前橋市の生活保護受給率が非常に高くなっている。自立へも道を閉ざされたためだ。前橋市では第3者の同席を認めない。抗議をすると職員が席から離れて話し合おうとしない。それは密室で給与の差し押さえ承諾書を脱法的に書かせるためであり、最近はそれを盾に自主的納付だと居直っている」と市の脱法的収税の実態を告発しました。

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