カテゴリ 原水協総会
とき:2018年5月26日(土)13時30分~
ところ:勤労者福祉センター4階大会議室
5月26日(土)、県原水協の総会と冨田宏治氏(原水爆禁止世界大会起草委員長・関西学院大学法学部教授)の記念講演が行われました。
総会では挨拶に立った中尾代表は「核兵器を持つことが違法となる国連の禁止条約が戦後72年の月日が経ってできた。世界で唯一の被爆国でありながら条約を批准せず、ホームページに和訳さえ掲載しない日本政府は世界の核廃絶の道を妨害し続けている。総会では草の根の運動で核兵器を廃絶する決意を新たに」と決意を述べました。
今年の総会では特別企画として3人の参加者と冨田さんとのトークセッション、そして質問と運動の交流で禁止条約を深める試みがされました。被爆2世の加百さんは被爆されたお母さんへの思いを述べ、アメリカのトランプ氏に対しては「核態勢の見直しを進める米国に対してこれからどう向き合ったらいいのか」と質問。冨田氏は「トランプの支持が圧倒的という訳ではない。バーニーサンダースのような民主的な指導者がまた誕生する。それまであきらめないこと。市民を励まし、展望を語ることだ」と説明しました。
冨田氏は講演で「自分の大学はアメフトで話題になっている関西学院大学だが、今回の事件は暴力団とも結びついている。加害と被害の双方の選手に対する中傷と脅しが毎日飛び込んでくる。今は学生を守ることが自分の役割だ」と世間では知られていない部分に触れました。
核兵器禁止条約に関しては「条約は法的拘束力を持つものだ。日本では考えられないが国連で民主的な議論がされ3度も草案は書き換えられた。その過程の中に運動の目的が達成されたことが伺える。その中で日本の姿勢は全く恥ずかしい。反対を貫くでもなく最初から席を蹴った。それならば出なければいい。オランダが唯一最後まで反対したが、なぜ欠席しなかったのか?それは国民が許さなかったからだ。議長にコスタリカのホワイト氏が選出されたことも意味がある。彼女の国は軍隊を持たない国として世界的な権威を持っている。同じような条文を持ちながら軍隊を持つ日本とは違う。さらに日本の退場を機に、日本人の中満上級代表が選ばれたことにも意味がある。それは縛られない人であり、信念を持ち続けることのできる人だからだ。トランプ氏は気に入らない国があるとならず者国家とレッテルを張ってきたが今度は自分がならず者になる」と条約の意味を分かりやすく説明しました。
冨田氏は、「中満氏が小学校の時に広島・長崎を訪れたことがその後の人生に影響を与え、国連軍縮担当として活躍するまでになったことを紹介しながら、戦後教育は無駄ではなかった」と話しました。さらに、「グテーレス事務総長(ポルトガル)は日本代表が会議の席を立った時に、中満氏を任命しているのは日本政府がいなくても日本人が役割を果たせることを読んでいた。自分も国連上級代表の演説を日本語で聞くことができて嬉しい」と感想を織り交ぜました。禁止条約の採択にあたって、最後にセツコ・サーロさんが演説しているが、それは被爆者の悲願を正面から受け止め法の支配による核兵器の禁止を明確に示したと話しました。国連の民主化はいっそう進んでおり、大国の拒否権を許さず、多数決によって決められたと強調されたことは印象的でした。
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