岡山県労働組合会議

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カテゴリ   本田宏

と き:2017年7月22日(土)13時30分~16時

ところ:岡山市勤労者福祉センター5階体育集会室

7月22日(土)、岡山市社会保障推進協議会の総会記念として、NPO法人医療制度研究会理事長の本田宏さんが講演しました。本田さんは介護・医療崩壊の深層と再生の処方箋と題して、権力の構造や日本人の支配に対する弱さなどを解明。その帰結として医療費抑制がすすむ実態を詳細に語りました。先生は福島県郡山市の出身です。近くには二本松市があり会津白虎隊で有名。若い頃はパイロットになりたかったそうですが、お母さんに反対され、医師になったそうです。

会津藩は幕末に戊辰戦争で負け、明治政府から冷遇された。したがって、今でも県立医大しかない。日本は医師不足であり諸外国と比べて極端に少ない。WHO加盟国で63位、OECD加盟国ではビリから4番目と解説。それでも比較的西日本は医師数が多い。それは薩長が戦争に勝って、早くから医学部ができたことと関係があると説明。

安倍首相は介護離職ゼロなどと言ったが、現実は10万人も離職、女性が多い。岡山は7000人も施設への待機者がいる。これが現実だ。自分の母親が認知症になって埼玉県で施設に入れようとしたが空いている施設の利用料は入所時に500万円、月々29万500円だった。介護制度の劣悪さで毎年57件が倒産している。保育も一億総活躍社会とされながら入所できない状態、大学の学費も私立大が131万円、公立が81万円だ。諸外国ではイギリス43万円、フランスが2.1万円。年金の総合指数も世界27か国中26位で中国や韓国、インドよりも低い。さらに3.4兆円の削減でリニア―新幹線がつくられる。こうした事態を一般の人は知らない。伝え方も難しく、学習会をこまめにするしかないと強調しました。

なぜ、このように貧しい社会保障なのか?と切り出し、最近、厚生労働省の若手官僚「不安な個人、立ちすくむ国家」の論文を引用して、「手厚い年金や医療制度は必ずしも高齢者を幸せにしない」とする日経新聞の記事を紹介しました。そこで、NHKのトト姉ちゃんから、「日本の社会保障制度は長女も次女も3女も自助だ」として公助は最後にしている政府の政策を簡潔に冗談交じりに説明しました。2006年バレンタインの翌日に1通のFAXがきた。それは高岡義人という長崎大学の名誉教授からだった。高岡先生は、厚生省保健局長が1983年書いた「医療費抑制を目指す当時の厚生省は医療費亡国論」であり、医師過剰時代の到来を喧伝し始めたことを紹介してくれた。さらに資料をもらったことで、なぜ、日本の支配者が官僚主導・天下り構造になっているのか、官尊民卑になっているのか?について興味を持ち、明治維新から調べ始めてわかった。それは幕末から明治への改革は、アヘン輸出で巨利を貪っていた大英帝国ジャーマンマセソン商会が、幕末に長州ファイブという井上聞多(馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(博文)、野村弥吉(井上勝)らを1863年渡英させ、薩長同盟として坂本龍馬には武器と船を与えたことが始まりだったとしました。その代理店が長崎のトーマス・ブレーク・グラバー(グラバー邸)だった説明。したがって、歴代の総理は伊藤博文など薩長の家系であり、支配のルーツがあると話しました。今、日本はアメリカの支配下にあり、日米合同委員会が日米関係を決めている。

日本国民の7割がメディアを信用している。医療は政治がすべて。政治を変えなければ社会保障は成り立たないと締めくくりました。

 

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