岡山県労働組合会議

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種子法廃止に伴う意見交換

7月10日、県労会議が事務局を担う「種子と食、農を守る岡山県協議会」は岡山県に対して、種子法が廃止されたもとでも県の取り組みが後退しないように条例の制定を求める要望書」を提出しました。要請項目は3点で、①優良種子の育成・普及のための条例制定と供給体制、予算の確保、②公共種子を民間にゆだねないよう管理と検査体制を講じること、③国に対して種子を守る新たな法律の制定を求めるものです。


要請書は協議会会長の農民連の長谷川卓夫さん(農民連)が県の農林水産部農産課の西田豊課長に手渡しました。参加者は協議会から18人、県は副課長、参事など4名が対応されました。


冒頭に西田課長は「豪雨災害で甚大な被害が発生。被害の実態把握に努めている。要請の趣旨については氏平県議から質問もあり理解している」と話し、要請について回答しました。県として、「昨年の3月議会で種子法が廃止されたため、根拠を失った条例は廃止して要綱で現状を維持している。人員、予算、原種の維持をしているが、条例化するつもりはない。国に対しても新たな法律を要望する考えはないが付帯決議に沿って運営する。民間業者から種子や技術の提供などを要求された事例はない」と回答しました。

これに対して、農民連の宇野顧問は「JAとの懇談では将来にわたって要綱が維持される保障はないと言っている。要綱では拘束力がなく、議会で議論もされない。単なる通達に過ぎない。県民の意見を反映するやり方でないと国言いなりになる危険性がある」と反論しました。一方、県側は「意見は分かるがこれからも維持する決意でいる」と返しました。

宇野顧問は種子法廃止の意図について、「自家栽培を認めないとする議論もあり、民間に種子栽培の権限を委譲するものだ。民間は姿を変えて接近してくる。種子が高くなれば農家は死活問題であり、予算が減らされれば公共性のある種子が無くなる。それが政府の狙いでは?」と疑問を呈しました。県はこうした疑問に対しても「県単独で価格を維持できるものではなく、関係団体の拠出でやっている。儲かる農業にすることが大事であり、その態勢づくりもしている」と種子の価格維持に対する困難さを吐露しました。

具体的な意見交換では「県独自の米、品種の維持や自由化に動きについて、みつひかりを例に価格が10倍するが、肥料は1.5倍必要であり、収穫も思うようにはいかない。安定供給できるコメの生産が必要では?」との提案に、「例えば朝日米は安定しているが、業務用としての需要であり、すし米として使われている。需要も県内に止まっている。丼物ではあけぼの米の需要が大きい。県としては岡山の農業を守り発展させる立場であり、朝日米もたちまち止めると考えていない。朝日米は交雑されてないコメで県の宝でもある。さらにおいしいコメとして育成・研究する試験場としての責任もある」と話し、品種の維持だけではなく売れる品種の育成が課題だとする認識を示しました。その他、儲かる農業としての県の施策を示し、農業をめざす人が、自営や地域協力隊の形で増えているとも話しました。

参加者からは、「国内的には廃止の理由がない。種子の安定供給は農家にとって必要。種子の育成や現況を市民レベルでも分かるように」などの意見が出されました。

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