岡山県労働組合会議

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5.6県弁護士会講演会とコンサート

とき:2018年5月6日(日)13時30分~

ところ:岡山市民会館

5月6日(日)、岡山弁護士会による憲法集会。憲法学者である木村草太さんの講演と沢智恵さんのコンサートという豪華な集会。しかも無料です。会場は2階席までいっぱいでした。主催者の発表だと1200人の参加だそうです。安田寛弁護士会会長の挨拶では「国民には改憲に対する様々な考え方や選択があるが、それには正しく広い知識と情報が必要。弁護士会は憲法が変わればどうなるのか?法律の専門家として情報を提供したい」と語られました。

講演に立った木村草太氏の話は、以前に弁護士会で話された内容と大きく変わるものではなかったが、説明に自身が考えた事例が加わりました。一方で、当初のような情熱のある話し方でなく、どこか客観的で冷静な話し方に変わったような印象を受けました。

木村氏は「憲法とはどういうものか?」として、例えば「張り紙のようなもの」だと言いました。小学校には「廊下を走るな」と張り紙がある。それは子どもが廊下を走って怪我をすることや、学習の邪魔になることに注意喚起しているのだが、昨年3月に参考人として国会に出向いた時には張り紙を探した。「しかし、なかった。大人が廊下を走ることは想定されていないからだ」と話し、「注意深く見ると、ガムを捨てないでとの張り紙を見つけた。このように憲法は過去の失敗に基づいて、張り紙には過去に何があったのかを知ることができる。憲法も同じで国家権力が過去に犯した失敗を知ることが分かる。国家権力の過ちは戦争、人権侵害、独裁だった。立憲的意味を持つ憲法は3つの過ちを抑える内容が書き込まれている。さらに憲法は変えられた回数が少ないというが、変えられた回数を数えても何かが分かるわけではなく、EUなどの憲法改定は権限の移行が必要だったために変えられた」と話しました。続けて、「アメリカ合衆国は1791年に制定されたがその後27か所の修正が行われた。日本は200年の間に180ヵ所の憲法改定がされており日本の方が多い。数は関係ない」と話しました。木村氏は「アメリカの憲法は権利の数が少なく日本と同じではない」と追加説明をしました。

さらに続けて、「安倍政権の改憲草案の柱である教育の無償化は憲法でなくとも法律で間に合う。そもそも850憶円も使って国民投票をする意味があるのか?普通に考えれば、そのお金で奨学金の無償化を実現できる。教育の無償化はすでに憲法上の義務だ」としました。緊急事態法については東日本大震災を例に、「一番必要なことは地元の対応力であり政府に強い権限を与えても意味がない。具体的に考える必要がある。憲法改正が目的になっている」集団的自衛権については、「国際法上武力行使は違法であり、侵略国家が現れない限り武力は必要ない。集団的自衛権は国連に安保理事会ができるまでのつなぎ的対応であり、個別的自衛権と集団的自衛権は違う権利だ」と主張。「同じ権利だという人がいるがそれは江戸時代も室町時代も同じ時代だと主張するのと同じだ」と説明しました。

憲法9条と13条の関係が自衛力の根拠になっているが、外国を守る根拠にはならないときっぱり集団的自衛権の行使を否定しました。さらに海外派兵をする権利が内閣にあるのか?と提起して、「73条に一般行政事務があるがこれには該当しない。職権に根拠がない。一方で安倍政権には深い考えはない」とこき下ろしました。

木村氏の講演はいつも通り、非常に冴えた憲法認識でした。ところが参加者からの質問のコーナーになると突然、冷たく言い放ち、運動論や改憲に対する参加者の不安には「自分は憲法を論じているだけで運動家ではない」と説明し、関心を向けようとしませんでした。「バカにしているのか?」とも思える返事でした。何故なのか?最近は少し木村氏に気持ちがわかる気がしてきました。3日の憲法集会での白井聡先生の講演もそうでしたが、私たちはそろそろバージョンアップが求められていると思います。「いつまでも教えられる国民ではなく、自分で学習し運動する国民になる必要がある」と言いたかったのではないだろうか?

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